SHs大戦第一話「アークとメア」シンプル版 21/07/18完結

原作:トリケラプラス @toluna_plus 作画:100 @gearR3X によるツイッター小説。SHs大戦の公式アカウント。 続きを読む
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SHs大戦 @SHs42610278

「はなっから人質だろ!」 海面でサメが跳躍するが如き勢いで座席を蹴り跳んだアークの蹴りが部下を打撃する。部下は衝突の勢いそのままにガラスの破砕音を鳴らし先ほどの男と同じ運命を辿る。

2021-07-01 23:09:00
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「き、さま」 一人になったバースジャックは手にもつ拳銃の照準を運転手からアークに切り替え発砲する。 弾丸が迫る中アークはさして慌てた様子もなく虚空を掴みそこから長大な何かを引きずりだす。 虚空より現れたそれは軌道上にあった車内の手すりと弾丸を切り落とし。その姿を見せる。

2021-07-01 23:12:00
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「銃なんて今どき流行らねーって。時代は近接武器。こういうな」 それは長剣。というにはその刃に取り付けられた無数の鎖刃が凶悪であり、チェーンソーと呼ぶにはあまりに細く、長大であった。その名を 「チェーンソードってな」

2021-07-01 23:15:00
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「くっ、馬鹿な…!?」 バースジャックは幾度も弾丸を放つがその度にアークは弾丸を斬り、叩き落し無力化する。ついでに手すりや座席も切り刻む。たまに刃や跳弾が乗客を襲いかけたがおかまいはしない。 バースジャックが弾を撃ち尽くすとアークは刃を回転させ床を刻みながらバースジャックに迫る。

2021-07-01 23:18:00
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「く、来るな!来るなー!」 一閃。 バースジャックの持つ拳銃が紙を裂くよう断たれガラクタと化する。 極度の緊張から解放された彼は膝から床に崩れ落ちる。 アークはチェーンソードの回転を停止させ型に担ぎ上げると。 「で、まだやるか?」

2021-07-01 23:21:00
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「ひ、ひぃ~~~!」 問いに正気を取り戻したバースジャックは慌てて立ち上がると割れたフロントガラスからバスの外へと出ていった。バスはとうに停車していた。

2021-07-01 23:24:00
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「わっはっはっは。どーよアタシの手並みは。感謝と共に謝礼金たんまり用意してくれていいんだぜー?つかよこせー?」 高笑いと共に得意気な笑みでアークは背後の乗客たちに振り返る。彼女のに待っていたのは称賛の声と礼金……ではなく。

2021-07-01 23:27:00
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「いたならもっと早く助けろー!」 「跳弾が頬を掠めて死ぬかと思ったわ!」 「儂の貴重な毛髪が刈り取られてしまったんじゃが!?」 ブーイングだった。

2021-07-01 23:30:00
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「結果無事だったからいーだろ!減るもんじゃねえし」 「毛髪は減ったわ!」 「てか去年貸した一万円まだ返してもらってないんだけどー?」 「そうだそうだー!俺も幾らか貸してたはずだー」 「あ、そういえば私も」

2021-07-01 23:33:00
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「おいおいおい。な、なんだよ急に~そ、そんなこともあったかぁ?今はそんなことより礼……」 「お客様」 「はい」 狼狽えるアークの元に隣の運転席から声がかけられる。

2021-07-01 23:36:00
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振り向くと彼の顔にはいくつかガラス片が刺さっている。恐らくアークがバースジャックたちを吹き飛ばしてガラスを割った時だろう。サングラスで表情がわからないのが不気味である。 「運賃は払えますか?それとバスの修繕費」

2021-07-01 23:39:00
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アークはいけないことをした子供のように縮こまりつつアセアセとホットパンツのポッケを弄り有り金を探り出すそして出て来た額は。 十円玉三枚と五円玉と一円玉二つ。計三十二円。

2021-07-01 23:42:00
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「ねえよ。そんなもん」 誤魔化すように精一杯の笑顔でいった。

2021-07-01 23:45:00

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SHs大戦第一話 「アークとメア」2 #SHs大戦

2021-07-02 22:02:00
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路肩に停められていた路線バスの扉が開き。中からサメの尾を持つ少女が蹴り出される。 「キャン!」 そしてしばしの間のあと路線バスの扉は閉まり。通常の運行に戻って行った。排出されたアークを残して。

2021-07-02 22:02:42
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歩道に前のめりで倒れ込んでいたアークは、身を起こすと遠ざかっていくバスに対して手を振り上げ。 「いてーなおい!アタシが何したってんだ!ふざんけんなよー!!コラー!」 抗議するがエンジン音は無情に去っていく。 「マジかよ……アイツら助けてやったのに蹴りだすか普通……?」

2021-07-02 22:03:00
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うなだれるアークの背後から幼い声がかけられる。 「ねーちゃんはアークっていうのだ?」 「あん?誰だオメー?」 アークの背後にいたのは

2021-07-02 22:06:00
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「メアはメアなのだ!小学五年生!メアは名乗った。さあ、名乗るのだアーク」 ビシっとアークを指さしたのは彼女の胸のあたりほどの背丈の小さな娘だった。 琥珀色のセミロングにカチューシャを乗せた蒼眼。短い袖の上着にミニスカートを揃え左手には何やら高そうな電子腕時計を身に着けている。

2021-07-02 22:09:00
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「いや名乗るも何も自分でいってるし。アークだよ。誰なんだよ…いや、思い出した。ナイフ突きつけられてたガキか。わざわざ降りてきて何の用だよ。その高そうな腕時計くれんのか?」 「ガキじゃなくてメアなのだー。小学生にたかるなんてアークは恥を知ったほうがいいのだ」 「このメア野郎…!」

2021-07-02 22:12:00
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アークは引き攣り顔で拳を硬く握り込むがメアと名乗った少女は意に介さず興奮した面持ちで話し出す。 「それよりもさっきは凄かったのだ!ぎゅーんとしてバーンとなっておっさんが吹っ飛んでいったのだ!アークは超人なのか!?その尻尾は何なのだ!?本物なのか?触らせて欲しいのだ!」

2021-07-02 22:15:00
SHs大戦 @SHs42610278

のだのだと己の周囲を回りながら矢継ぎ早に質問を飛ばしてくるメアに対しアークはウンザリとしながら思案を巡らせる。 ……こんだけアタシに興味を持ってるってこたぁこの辺の奴じゃねえってことかそれともアイツら絡みか。 「なあ。オメーいつからココ住んでんだ?」

2021-07-02 22:18:00
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「その歯で鉄塊かみ砕けるのか?ー?メアは先週この街に引っ越してきたのだ!嵐を呼ぶてんこーせーという奴なのだ。それよりもなんでそんなに肌を出しているのだ?露出狂なのか?さっきのチェーンソーどこからだしたのだ?というかアレはそもそもなんなー」

2021-07-02 22:21:00
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一部の質問に血管を切れさせつつもアークはメアを言葉通りの異常小学生と判断付けた。 アイツらの関係者であればあまりにも杜撰な接触の仕方だからだ。そして思い出す最初は興味真摯で近づいてきた近所の子供たちが三日後には飽きて冷たい目をするようになったことを。

2021-07-02 22:24:00
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