すいこばなし【北方謙三水滸伝・楊令伝小噺集】2021/7/1-31

【すいこばなし 注意書き】 ・北方謙三先生の水滸伝,楊令伝の何でもありな二次創作です。 ・水滸伝の原典ネタは日常茶飯事、スマホにPCなど電子機器も飛び交うし、あの人が梁山泊で元気に生きていたりする、異世界からお届けします。 ・原作未読の方でも楽しめるように、ネタバレを極力避けていますが、薄々感づいてしまう個所が垣間見えますので、その点はご注意ください。 ・原作に興味を持たれるきっかけになったらこれ以上の喜びはありません。 続きを読む
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すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

史進…さすがに花飛麟の十矢を避けられず崖から落ちた。 班光…余計な顔をして、崖から落ちた。 鄭応…崖から落ちた。 葉敬…崖から落ちた。 楊令…見事な矢だ、花飛麟。 張平…とっとと帰りますよ。 花飛麟…またつまらぬものを射てしまった。

2021-07-20 19:21:43
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

林冲「いちごとは何の略だと思う?」 索超「さて?」 林「一丈青ごさんじょうの略だ!」 扈三娘「何一つ面白くありません、林冲殿」 林「」 馬麟(この扈三娘の真顔が面白い) 林「扈三娘、お前」 扈「なんですか?」 林「手心とかあるだろう…」 扈「私は面白くないものを面白くないと評しただけです」

2021-07-21 19:32:01
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

郁保四「でも、可愛かったのにな」 扈「なんですか、郁保四殿?」 郁「いや、あの格好が可愛かったなと…」 扈「!」 郁「!?」 林「だからもっとお前は手心を…」 扈「不快な発言に手心を込める必要が?」 索(容赦ない) 馬(間違っても照れ隠しじゃなかった) 林「…じゃあお前は何を着ればよいのだ?」

2021-07-21 19:32:02
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

扈「何を着ればよいとは?」 林「張藍が夜なべして編んだ着ぐるみだ」 扈「…」 林「イチジクの着ぐるみとか」 扈「!」 索「…引き裂かなくても」 扈「強いていうなら…」 馬「どれだ?」 扈「これですね」 林「イグアナ?」 扈「爬虫類は嫌いじゃないので」 郁「まだ苺の方が…」 扈「!」 郁「!?」

2021-07-21 19:32:02
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

林冲…扈三娘の直言に辟易。 索超…扈三娘の直言にひやひや。 馬麟…扈三娘の直言ににやにや。 郁保四…扈三娘の直突きがじんじん。 扈三娘…イグアナだろうがなんだろうが着こなせる美貌。もったいねえな。

2021-07-21 19:32:05
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

公淑「秦明様…」 秦明「公淑殿?」 公「本当に、私のような女でよろしいのですか?」 秦「私はあなたの今まで全ての歩みを愛し、これから歩く道を共に行きたいと思っている」 公「私は気の触れた女だったのですよ?」 秦「それがどうしたというのだ、公淑殿」 公「…」 秦「私はあなたの今に惚れた」

2021-07-22 10:42:52
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

秦「私の惚れたあなたの今は、あなたの今までの歩みがあったからこそだと思っている」 公「…」 秦「あなたはご自身の気が触れてしまうほどの、深い哀しみを知っている」 公「ええ…」 秦「だからこそ、あなたの抱擁は暖かいのだよ、公淑殿」 公「抱擁、ですか?」 秦「優しさの温もりと言うのかな…」

2021-07-22 10:42:52
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

秦「あまりこういう言葉を使ったことがないもので、いささか気恥ずかしい…」 公「おっしゃる通り、お顔が真っ赤です。秦明様」 秦「…からかわないでくれ」 公「私も秦明様と一緒にこれから巡る季節を共に歩みたいです」 秦「そうだな」 公「劉定様と、劉良も一緒に」 秦「彼らのことも決して忘れぬ」

2021-07-22 10:42:52
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

秦明…一世一代のプロポーズ。無事終了。 公淑…芯の強さと優しさをあわせ持った女傑。

2021-07-22 10:42:57
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

林冲「…」 張藍「…」 張藍の父「…」 林「…舅殿」 父「なんだ林冲」 林「我が家に、住われるのですか?」 父「他にどこに行き場がある?」 林「しかし…」 張「李雲殿に二世帯住宅にしていただく手配は済ませていますので、しばらくの辛抱です、林冲様」 林「おう、それなら!」 父「…待て、張藍」

2021-07-23 17:16:14
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張「なんですか、父上?」 父「私と同じ住まいに住むのが嫌ということか?」 張「二世帯住宅ならば、そういうことにはなりませんよ?」 父「…そういうことではない」 林「我らは契りを結んだ夫妻です、舅殿」 張「もう子どもではありません」 父「しかし…」 林「どうされたのですか」 父「寂しくて」

2021-07-23 17:16:14
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張「なにを林冲様みたいなことを申されているのですか…」 林「聞き捨てならんぞ、張藍」 張「じゃあ私と違う床で寝れますか?」 林「…寂しい」 張「ごらんなさい」 父「見せつけるな!」 張「困りましたね…」 父「どうすれば良いだろうか…」 張「母上を呼ばれたら?」 父「なるほど!」 林「待て」

2021-07-23 17:16:15
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林冲…自宅を張藍の家族に占められつつある。 張藍…懐かしい家になってきました。 張藍の父…どさくさで張藍の母まで呼んできた。どうなることやら。

2021-07-23 17:16:17
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

趙安「呼延灼殿」 呼延灼「どうした趙安」 趙「フレッシュとは、なんなのでしょうか」 呼「俺はそれを、生涯を通じて考えることになるだろうと思う」 趙「そんなに」 呼「歴代の錚々たるフレッシュマンも、また然りだ、趙安」 趙「そうですね」 呼「フレッシュとはなにか」 趙「呼延灼殿?」 呼「…」

2021-07-24 19:04:16
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呼「フレッシュマンは宋国の光」 趙「私はその光を呼延灼殿から継いでみせます」 呼「しかし、光あるところに必ず闇はあるぞ」 趙「…」 呼「フレッシュマンの光当たらぬ名もなき民の声が聞こえるか、趙安?」 趙「…いいえ」 呼「正直な男だ」 趙「恥ずべきことだと思います、私は」 呼「忘れるなよ」

2021-07-24 19:04:17
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

呼「フレッシュマンの光はいつでも闇に変貌する力を秘めている」 趙「フレッシュマンの闇?」 呼「闇から光は生まれたのかもしれぬが、光は闇に還ってしまうかもしれん」 趙「そのような事は私が決していたしません」 呼「お前と共に戦をしたかったぞ、趙安」 趙「私もですよ、呼延灼殿」 呼「さらば」

2021-07-24 19:04:17
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呼延灼…フレッシュマン引き継ぎの儀の後のこと。 趙安…呼延灼の薫陶をしかと心に刻みつけた。

2021-07-24 19:04:21
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史進「…」 班光「…」 楊令「これよりシシハラ被害者の会、ハンハラ被害者の会は解散し、遊撃隊を一つとする」 史「…」 班「…」 楊「意義はないな?」 史「…楊令殿が言うなら」 班「はい…」 楊「…」 史「楊令殿?」 楊「よかった…」 班(泣いている!?) 史(そこまで心を痛めていたとは) 楊「…」

2021-07-25 21:39:45
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呉用「楊令殿を泣かせたのか、お前ら」 史「まさか頭領が涙を見せるとは思わなかった」 班「私ももらい泣きしてしまいました」 呉「お前らの茶番も限度があるのだ」 史「…返す言葉もない」 呉「ネタにマジレスという言葉を聞いたことがあるかもしれないが」 班「はい…」 呉「楊令殿はそういう男だ」

2021-07-25 21:39:45
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

史「…」 班「…」 史「俺たちは間違っていた」 班「私も痛感しております」 史「これより遊撃隊に新時代を迎えさせよう」 班「はい!」 史「…お前の麦飯の梅干し、やたら大きな乳首みたいだ」 班「…史進殿のソーセージも形が卑猥です」 史「すけべ小僧め」 班「シシハラです」 史「これが遊撃隊か」

2021-07-25 21:39:46
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史進…遊撃隊新時代の風を吹かせることができるだろうか。 班光…何かが変わるかも知れない。 楊令…張平に慰められた。 呉用…鼻で笑い続けてたけど、楊令の心の痛みを知って驚いた。

2021-07-25 21:39:49
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

皇甫端「馬を探している?」 徐寧「おう。槍騎兵の教官が乗りこなすような馬を頼む」 段景住「それにしてもお前の鎧はかっこいいな」 徐「賽唐猊という、徐家の家宝だ」 皇「この馬に乗ってみろ」 徐「よし!」 段「なんだこのノイズは!?」 馬「!?」 徐「逃げられたぞ、皇甫端」 皇「鎧の音のせいだ」

2021-07-26 20:04:31
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

徐「たしかに賽唐猊の鎧の音だ」 段「こんな嫌な金属音のする鎧をよく着こなせるな」 徐「俺には全く分からん」 段「牧場の馬が軒並み逃げ出したぞ」 徐「なぜだ?」 段「お前…」 皇「待ってろ徐寧」 段「大丈夫なのか?」 皇「今は関係ない」 段「皇甫端の耳に念仏か」 皇「聞こえてるぞ」 段「!」

2021-07-26 20:04:31
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

皇「この馬を試してみろ」 徐「おう、いい馬だ」 段(気の毒な) 徐「それ!」 段(乗るときの音だけで鳥肌が立つ) 皇「…」 徐「行け!」 馬「!」 段(走ったらさらに嫌な音が!) 皇「…」 徐「気にいったぞ皇甫端!」 皇「ならばよい」 徐「礼を言う!」 段「…どんな馬だよ」 皇「あの音が好きな馬だ」

2021-07-26 20:04:32
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

徐寧…賽唐猊のノイズを奏でながら、駆け回ってご機嫌。周囲は大顰蹙。 皇甫端…馬選びに私情は挟まないプロ中のプロ。 段景住…鳥肌がひかなくて困ってる。

2021-07-26 20:04:34
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