ツイッター小説 お気に入りセレクト 2011/08/14 ついのべの日！

黄金の米菓子 @OK_1111

#twnovel 「ねえ。どれだけの人間が私達に願いごとをすると思う？」「さあね。ボクらに願ったところで何も叶わないのにね。それに流れ星っていうだけですべて同じものだと決めつける。何でもカテゴライズしたがるんだ。人間って物を見る目がないよ」「そうね。あなたと私じゃ全然違うのにね」

葦沢かもめ @AshizawaKamome

住宅街を男が駆けていた。その理由はこの雨ではない。脱獄犯だからだ。公園を見つけた彼は雨宿りしようとした。だが段ボールが邪魔で入れない。苛立った彼は蹴飛ばそうとして、止めた。中の子猫と目が合ったのだ。その日、空に虹がかかる頃には彼も子猫も公園から姿を消していた。 #twnovel

140字物語 @shortshortshot

#twnvday 周りから「流れ星」と呼ばれている男がいた。本人はそのあだ名をえらく気に入っていたが、じつはその由来は「少なくとも三回話を聞かないと理解してくれない」から来ている。 #twnovel

@K_Ichida

#twnovel 君がなくと星がひとつ落ちる。君の涙は流れ星だ。大人になるにつれ、君が泣くことはなくなった。ある日、長くつきあっていた彼と別れた時、君は久しぶりに泣いた。すると、巨大な彗星が彼の家に激突した。「少しバージョンアップしたの」彼女は言った。 #twnvday

@K_Ichida

#twnovel 流れ星を１００数えると君は帰ってくる。僕は流れる星を数えだした。瞬く間に星は流れ目で追いきれない。妖精が時を止めてくれたので僕は１００個星を数えられた。「彼女と会うには時を動かさなきゃいけないけど、お代は魂ひとつでいいよ」妖精は悪魔だった。 #twnvday

日向日影🍊📖@文化系物書きVtuber（HUB） @hyuugahikage

#twnovel #twnvday 「こんな場所でお別れもいいね」二人の最後の夜、星の見える高台で彼女がつぶやく「あっ、すごい」彼女の顔越しに流星群が輝いている。「次はもっといい男次はもっといい男つ」願いが叶う前に彼女の口を唇でふさいだ。「終わらせたくない」願いをつぶやいた。

@K_Ichida

#twnovel 全知全能マシンが世界中の装置を制御するようになった。世界最適の生産システム、交通システムが実現した。ある日、ひとりの研究者が頼んだ。「流れ星をよく見えるようにしてほしい」その夜の流れ星は大きく美しかった。そしてそのまま地上に降り注いだ。 #twnvday

幾田🌟-1kg @iktaut

地元最速、白い流星の異名を背負った奴が、本当にお星さんになってから十年。レディースの頭はってたあたしは今や二児の母で、舎弟だったあいつはネクタイ締めて糞暑い中外回りしてる。なあ、流星、これがあたしたちが手に入れたかった速さの向こう側なのかな。 #twnovel #twnvday

鈴々@物語る鳥 @re_rhythm

初めに彼を見かけたのは図書館だった。開襟シャツの胸元には隣町の高校の校章が付いていた。何故か目が離せなかった。次は電車の中で。同じ制服の生徒と談笑していた。その笑顔にこっそり見惚れた。三度目は地元駅で。すれ違い様胸の内で呟いた。好きです。次に会ったら告白しよう。 #twnovel

Citrucine @Citrucine

流星群の日は曇り。けれど幼い娘は納得せず庭先に立ち続けている。その時、低い空を光が横切った。「流れ星でたわよ！　お願い事あるんでしょ？」娘は目をいっぱいに見開いて、ぱちんと手を合わせた。「塀の向こうで線香花火投げてるパパが風邪ひきませんように」 #twnovel #twnvday

hypo- @hypohyphen

#twnovel お母さんね、ずっと子供ができなかったの。だからお星さまにお願いしたのよ。そうしたら流れ星が落ちてきて、お腹に当たったの。そうしてあなたが生まれたのよ。だから、ね。反省しないなら、銀河系の果てのお父さんのとこまで、この金属バットでかっとばすから。 #twnvday

Citrucine @Citrucine

流れ星が轟音と共に落ちてきた。パッカリ割れた隕石から出てきたタコ状生物は狂喜した。「異世界だ！　足が八本も、チートだw」そして「俺と剣と魔法と魔王とハーレム！」と騒ぎつつ街へ消えた。誰もこの話を信じない。 #twnovel #twnvday

Mark @Marknovel

#twnovel 流れ星が見えたかと思うとドンという鈍い音が隣の空き地から聞こえた。仲良し兄弟の順一と順二は顔を見合わせるとスイカを放り投げて走りだした。空き地は微かに街灯で照らされている。「あんちゃん、あれっ」順二は嬉しそうに叫んだ。ロケット花火の芯が見事に地面へ刺さっていた。

ベン @ben_sp

旦那と喧嘩した。今夜は復讐だ、泣かす。私は借りて来たDVDを何気なくリビングに置く。帰宅した旦那は案の定DVDを見始めた。そして映画はラスト、飼い主とペットの再会のシーン。その時、私はワザと隣へ。旦那はそっぽを向き涙を誤魔化した。可愛いヤツめ、私はほくそ笑んだ。 #twnovel

いでゆのまち @ideimachi

#twnovel 「大気で燃えつきる宇宙のゴミでしょ」そっけない彼女は恋人未満。流星群で一歩前進を狙った僕はみごと空振り。なら何で来たんだい、訊いた唇をふいに塞がれた。口移しで何か…金平糖？「祈るなら、そっちの方がマシよ」悪戯っぽく笑う。はい、すごい効き目です。 #twnvday

Ask @may_rabbit

#twnovel 流星群の日にね、朝から黒いカーテンを干したんだ。そしたら、流れ星が僕のカーテンを夜と間違えて、ベランダに飛びこんできた！そこをすかさず捕まえたのがこれ、と彼は私の左手の薬指に、きらりと輝く指輪をはめた。「それがパパのプロポーズ？」娘が笑う。今夜は家族で天体観測。

七里 @7ri_t

#twnovel 観覧車が見えるんです。一時期は明かりが消えていたんですが、ゆうべ見たときには一部分、かごのあたりだけ点灯していたようで、ぐるりと光を連ねた輪のようになってました。それでね、流れ星が、その輪っかを通り抜けていくのも見えたんですよ。

とおる6th @windcreator

流れ星に名をつけようとした研究家がいた。燃え尽きるその瞬間だけ“星”として輝きを放つ彼らに、一つ一つ命名したいのだ、と。しかし、願い事を唱えるのも難しい刹那の命に、誰が名前をつけられるだろう。研究家は考え、長い歌を作った。星の流れた時歌われた言葉を名前にと。 #twnovel

すず音a.k.a赤メガネ @greene_cts

#twnvday 真夏日を記録した日の夜。終電で帰宅途中、見上げれば満天の星空。都会で星が見えるなんて珍しいと思っていると、流れ星が見えた。いつかまた貴方に抱きしめてもらえますように。この願いが叶うことはないと分かっているけれど。いいよね？願うくらいは。#twnovel

あＱ （CTT) @aquall

#twnovel 小高い丘から見下ろした街はまるで満天の星空のようだ。待ち合わせに遅れたキミを待つ間、ずっとそんな事を考えていたから、キミが坂を自転車で登ってくるその明かりがまるで私に向かってくる流れ星みたいで、「ずっと一緒にいようね」とそっと3回つぶやいた。 #twnvday

00 @w0said

「臼井さん、ガルシアの調子はどうですか」「安打数は大リーグ最多、最近は不調が目立ちますが彼を信じるしかないですね…」「今、ｶﾞﾙｼｱが人類の存亡をかけてｽﾍﾟｰｽﾊﾞｯﾀｰﾎﾞｯｸｽに入ります！銀河の果てまで流星を押し返すようなホームランを！」 #twnvday #twnovel

瀬口 @an2a_09

欲張りな君は満月と花火と流星をいっぺんに楽しめる絶好のチャンスだと言った。で、花火と満月は堪能できたけど、この明るさじゃ流れ星は難しそう。隣でうとうとしてるけど、夢の中でどんな願いをしてるのかな。月が沈むのを待つ車中、僕の願いはもう叶ってる。 #twnvday #twnovel

layback @laybacks

鉄柵の向こう側ではゾンビたちが、ただ立ち尽くし、夜空を見上げている。いつもはあれほど凶暴な連中がだ。流れ星がひゅんと空を駆けるたび、ゾンビたちは、あぁぁだのうぅぅだのと、言葉にならない唸り声を漏らしている。彼らはいったい何を願っているのだろう。 #twnvday #twnovel

馬車馬子 @the7blues

｢…もしもし｣｢飲み会の帰りなんだけどさ、今からそっち行っていい？｣｢いいけど、珍しいね｣｢いやさ、最近会えてなかったし。…あ、あと、星が綺麗だし｣｢恋人っぽいね、なんか｣｢ぽいとか言わない｣｢…ビールね｣｢了解。後は？｣｢流れ星より早く来て｣ #twnovel #twnvday

layback @laybacks

「金属バットは品切れです」スポーツ用品店のガラス戸に張り紙。今宵、この町に流星群が落ちてくる。球場へ着くとすでに男たちは素振りを始めている。早速、先駆けの流れ星がおれの頭上に降ってくる。おれはそいつを通天閣打法で打ち返す。流星よ。再び宇宙(そら)へと帰るのだ。 #twnovel