「ジョーズ」論
- kaleidotheater
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ジョーズが他の動物パニックものと決定的に違うのは、あのサメが実はモンスターだって分かってくる部分。その役割を果たしているのがサメ学者のフーパー。まず、クイントに「こんなの見たことあるかい?」「……いや」と言わせ、署長に「ホオジロザメはこんななのか?」と訊かれると「ノー」と答える。
2011-08-16 02:43:42あのサメがただデカイだけならあんなに盛り上がらない。あの逃げに回ったオルカ号を"追ってくる"瞬間。あそこが本当に激燃え。ここでもフーパーが「信じられない、追ってくるぞ」と駄目押しする。動物パニックものはどちらかというと、パニックの方にウエイトがおかれる作品が多いんですが
2011-08-16 02:47:22パニックものにウエイトを置かれると、ジョーズを期待する人間には物足りなくなってしまう。何故ならジョーズは前半でパニックものとしては完結しちゃっていて、後半はモンスター映画になっているから。
2011-08-16 02:52:18この二幕構造はまさにジョーズの面白さの肝なんだけど、この構造を利用して成功してる作品は少ない。エイリアン2が最もうまくいってる。
2011-08-16 02:55:51モンスター映画として論じる場合、当然主人公の乗り越えるべき障害としてモンスターが機能してないと論外なんだけど、そういう側面でも動物パニックものなどのジャンルは適していない。逆にいうとあれだけ戦う動機が希薄な署長が主人公として機能していることの方がすごい。
2011-08-16 03:00:06海が嫌い、ニューヨークがいやで治安のいい島に逃げてきた、メガネ、大きな声に流され気味、事なかれ主義、大人になるとかなりポイントの高い要素は多いんだけど、具体的な動機は息子が危ない目に遭ってからだし、どちらかというと警察署長の責任感で船に同乗するんだよね。
2011-08-16 03:05:00ブロディを分析すればするほど、個人的なトラウマとかは安直だよなあと思ってしまう。ブロディにとってサメは、誰もが持ってる「逃げ」の姿勢に対してのツケとして現れるわけで、いよいよ絶体絶命の状況になってはじめて能動的に正面からそれに立ち向かって打ち勝つから激しく万人が燃える。
2011-08-16 03:12:13もっとも、ゴジラや天災のように、個々の人間の姿勢になんら無関係に襲ってくるパターンも大好きなので、ジョーズのサメもそういう人智を超えた天災みたいに考えるのも好きです。そう考えるとやっぱり三人のキャラが絶妙に配置されていると考えていい。
2011-08-16 03:16:02リプリーはトラウマを克服するために再度モンスターに相対するわけだけど、母性に絡めて小さい少女を助ける行動に置き換えて観客に分かりやすくかつ具体的に示せる。
2011-08-16 03:24:46