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toluna_plus
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刹那。賽子の行方に気を取られ意識を逸らしたリクの顔面に膝が刺さる。だが、浅い。直前に行われたバックステップで勢いを相殺されている。 爪先で着地したリクはターンを決め、未だ着地していないアークを横から殴っていく。汗が散る。
2021-08-22 22:30:00![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
打撃を受けたアークは全身に力を籠め耐えつつ、腕を脚を振り回し、その動きに合わせてチェーンソードを展開することで応戦していた。
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初見に比べて順応したリクは幾度か浅い切り傷を受けていくものの、数多の攻撃を掻い潜り的確にアークの身体を穿っていく。口元から唾液が溢出し、あばら骨の折れる音がする。
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「小細工を弄したところで所詮小手先。私との力の差は埋まりませんよッ!」 「抜かしやがって……もっと上げてくぞミニアーク!あん?」 肩上のミニアーク必死の横を向け!のジェスチャーにアークは視線を移す、ついでリクもそれに従う。
2021-08-22 22:36:00![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
異口同音の彼女らはとっさにとった対応も同じであった。お互い相手の腕を掴む逃げられなくする。そしてその上で相手をエネルギー体に直撃するように仕向けんと力を籠める。だが拮抗する力。身動き取れず。2・2の威力が二匹を打撃する。 「「ッ…………!!」」
2021-08-22 22:40:00![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
衝撃に散り散りになる二匹は共に着地姿勢を取る。先に獲物を捉えたのはアークだ。偶然にもリクの背面方向に飛ばされた彼女は、そのままワニを背後から打撃する。 「気付いてないとでも!」
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だがそれよりもリクの振り返りと同時に放たれた裏拳がアークの脇腹を削り、抉る。チェーンソードの斬撃を防ぐ防御力と不規則な突起を持つ腕甲はそのまま鋭利な凶器となる。鮮血が噴出する。
2021-08-22 22:44:00![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「今といいおチビさんのことといい、少し自分に有利な要素が出来たぐらいで調子に乗り過ぎなんですよ貴方は。今から私との実力差というものをその身に刻み込んであげますよ」 膝をつき出血部位を抑えるアークを前にリクは高みから拳を鳴らす。
2021-08-22 22:46:00![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
追い込まれたアークはそれでも拳を握り果敢に大振りに殴りかかる。リクはその様を嗤い。 ー苦し紛れの一撃ですか。ならばその拳。希望とともに正面から打ち砕いてあげましょう! リクもまた左の拳をあえてアークの打撃と正面から衝突するように調整。激突する。その直前。
2021-08-22 22:48:00![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
亀裂が走しるは緑の腕甲。リクの左腕。 一方。アークの拳は無事だった。それどころか異常なる変化が起きていた。アークの右こぶしは藍色に覆われその先端に長大な四角形の突起が付けられている。
2021-08-22 22:54:00![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「探索・打撃補助武装ハンマーナックル。いい仕上がりじゃねぇか。サン」 アークは製造者の顔を思い浮かべ不敵に笑う。 SHs大戦3-7 終 pic.twitter.com/8pxY2gpovL
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♦ 「じゃ、いってくるぜ」 無機質な白の空間。アークはミニアークを肩に乗せサンに背を向け。扉に向って駆けだす。一刻も早く目的地にたどり着くそういった足取りはあと数歩のところで止められる。
2021-08-23 22:03:00![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「まあ待て」 「うぇ?」 「マスター!?」 肩を掴まれたような感覚を得たアークはそのまま数Mを引き倒され気付けばサンの目の前に来ていた。
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「?!え?何」 「……全く。お前はいつも人の話を途中で切り上げる。今回用意したのはミニアークだけではない」 「ソーナノ!?」 「マジで!?早くいえよ!見せろ見せろ!」
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想定外の追加に先ほど起きた事象も忘れ目を輝かせるアークと自身だけでないことショックを受けるAI。そんな彼女らの元に運ばれてきたものは。
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「シュモクザメの頭部をモチーフに製造した探索・打撃補助武装ハンマーナックルだ。装着した腕部の打撃力を飛躍的に強化する他、ロレンチーニ器官の構造を応用した電気探知に暗中の探知も可能だ」
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「安直な名前ー……こんなんでほんとに役に立つ……」 最後まで言い終わるまでにハンマーナックルを装着したサンのスローパンチがピトっとアークの胸に当たった。瞬間アークは弾き飛ばされゴロゴロと後転を繰り返す。 「マスター!!」 「闘いに行く前に何してくれてんだてめー!?」
2021-08-23 22:18:00![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
打たれた胸を抑えながらうつ伏せで文句を叫ぶアークに下手人のサンは普段と変わらず。 「何、性能が信じられないようだったのでな。自身で体験したほうがより信頼も置けるものだろう?」 転がったままのアークに手を貸しサンは天井を仰ぐ。
2021-08-23 22:21:00