すいこばなし好漢紹介【あだ名解説編】

梁山泊の好漢にもれなくついている、あだ名の意味を解説します。 10.20完了!
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すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

托塔天王(晁蓋)…若い頃、魔除けの塔をえっさほいさ担いで川を渡って東渓村に持ってきた伝説から名付けられた。本人曰く、二度とやらない。 及時雨、呼保義(宋江)…及時雨は救いの雨。よく貧しい人に施しをしてたから。呼保義は官職の名前。ほどほどの役人だった、はず。 #水滸伝あだ名解説コーナー

2021-09-26 20:05:32
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

玉麒麟(盧俊義)…立派さを讃えるような、霊獣のあだ名。原典だと武術もルックスも財産も北京一の商人なので、河北の三絶とも呼ばれた。が、致命的な馬鹿なので全部台無し。北水だとそんなことはない。 智多星(呉用)…知恵多き星、って意味だけど色々お察し。しまったと言った時の赤面は恥多星とも。

2021-09-26 20:10:36
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入雲竜(公孫勝)…雲に登る竜。原典だと妖術使いだからピッタリのあだ名なんだけど、致死軍ゴリラの北水ではあまりピンとこないかも? 大刀(関勝)…得意武器の青龍偃月刀のこと。関羽の武器で有名。原典だと関羽の子孫で赤兎馬の子孫に乗ってるけど、全然そんなことない子供おっさん。

2021-09-27 07:34:52
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

豹子頭(林冲)…豹のような顔。三国志の張飛のことで、関羽の弟分だから必然的に関勝より席次は下になる。イケメンにされがちだけど、バカなのには変わりない。 霹靂火(秦明)…雷さま。短気でやたら声がでかいから。原典だと短気すぎてしょっちゅう罠にかかったり、落とし穴に落ちたりしていた。

2021-09-27 07:38:58
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双鞭(呼延灼)…二つの鞭を使うから。べんであって、むちではない。横山先生の呼延灼は両手でむちを使っていた。べんは重い打撃武器だよ。 小李広(花栄)…前漢の名将で弓の名手の李広に準えて。実は史実の李広は弓の名手かは怪しい。李広の弓エピソードの出典が名将ゴシップ集みたいな書物からなのだ。

2021-09-27 20:24:43
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小旋風(柴進)…小気味良い空っ風。柴進の懐の広さを讃えたあだ名。実は水滸伝のベースでは、黒旋風と呼ばれた男の弟分が小旋風だったともされている。真相やいかに。 撲天鵰(李応)…天を穿つ鷲。李応の気性の激しさからつけられたのかも。飛刀の名手や兵站もできる設定があるが、意外と忘れがち。

2021-09-27 20:29:25
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美髭公(朱仝)…立派な髭。三国志の関羽もどき。関勝は関羽の子孫で青龍偃月刀と赤兎。朱仝は関羽の義に厚い性格とお髭をもらった。関勝&林冲、朱仝&雷横で関張コンビがツーペアー。 花和尚(魯智深)…刺青和尚。花は刺青という意味でお花じゃないよ。牡丹の刺青にされがちだけど、違ってもいいかも。

2021-09-28 07:07:33
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行者(武松)…修行者。原典だとお尋ね者の武松を孫二娘が行者に化けさせた。その行者のコスチュームは、孫姐さんにお饅頭にされた行者のやつ… 双槍将(董平)…二本槍の使い手だから。原典だと風流がついて風流双槍将のほか、風流万戸侯(風流な一万戸治める者)、董一撞(一撃の董)と三つある。欲張り。

2021-09-28 07:07:34
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没羽箭(張清)…羽根のない矢。得意武器の礫のこと。原典では礫だけで梁山泊の将を十人撃退するが、槍は得意じゃない。瓊英とは夢で会った仲。惚気るな。 青面獣(楊志)…顔の青痣を獣になぞらえて。原典でも不幸体質。吹毛剣の銘は吉川英治先生が名付け親。一体どういうプロセスでできた痣なのだろう。

2021-09-28 18:11:49
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

金鎗手(徐寧)…金ピカの槍の達人。賽唐猊を装着して戦に出るので。原典では呼延灼戦に駆り出すため、時遷に賽唐猊を盗ませる。やっぱり山賊だ。 急先鋒(索超)…突撃がえらい勢いなので。短気にも程があり、すぐに突っ込んでは落とし穴に落ちる姿は様式美。原典はでかい斧が武器。斧使いもいいよね。

2021-09-28 18:11:49
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神行太保(戴宗)…足の速い巫のこと。神行法という300キロ走れる秘術を持っているから。北水では神行法なしでもめっちゃ速い。むしろ歩くのが速いケースも多い。 赤髪鬼(劉唐)…赤毛の鬼かと思いきや、原典は頭の側面に赤痣がある程度で、鬼も幽霊という意味。つまり頭側面赤痣お化け。なんだそりゃ。

2021-09-29 08:51:35
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黒旋風(李逵)…黒い旋風。原典は色黒の二丁斧を振り回すバーサーカー。鉄牛とも。横山先生だと鉄牛に馴染みがあるが、原典とのギャップに驚くのは通過儀礼。 九紋竜(史進)…おなじみ九匹の竜の刺青。水滸伝の冒頭を飾るのでやたら目立つものの、その後の出番はしょっぱいやらかしが目立ち、埋没する。

2021-09-29 08:51:35
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没遮攔(穆弘)…遮るもの無し。かっこいいあだ名だと思うが、原典ではびっくりするくらい何もしてない。いや本当に。北水で地煞星転落候補筆頭の汚名を返上できた。 挿翅虎(雷横)…翼のある虎。虎に翼もかっこいい。でもビジュアルにしたらそうでもないかもしれない。跳躍力が自慢の雷横らしいあだ名。

2021-09-29 17:14:13
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

混江竜(李俊)…長江をかき乱す竜。水軍頭領らしいあだ名。原典エピローグにて暹羅国の王様になる。その話を膨らませたのが水滸後伝。 立地太歳(阮小二)…立地がたちまち。太歳は凶星のこと。たちまち降りかかる凶星という物騒なあだ名。温厚な船大工も、若い頃は血の気が多かったのかもしれない…

2021-09-29 17:14:14
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

船火児(張横)…船頭。原典は追い剥ぎ船頭で、合言葉はうどんかワンタン?うどんはそのまま川にダイブ。ワンタンは斬られてダイブ。要するに死ぬ。 短命二郎(阮小五)…命知らずの次男坊。原点では胸には豹の刺青があったりする。お母さんのかんざしを質に入れて博打をする極道息子。それはあかんやろ。

2021-09-29 21:46:31
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

浪裏白跳(張順)…波間の白魚。めっちゃ泳げるし潜れるから。イケメンで色白で使い勝手の良い水軍のエース。血の気も多いところはお兄ちゃん似。 活閻羅(阮小七)…この世の閻魔様。そう呼ばれるほど強かったのだろうか。原典では方臘戦のラストバトル後に悪ふざけをして一悶着起こす剽軽者。ぶれない。

2021-09-29 21:46:31
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病関索(楊雄)…病気の関索。病には関索勝りという意味もある。関索は関羽の三男で、花関索伝というスピンオフがある。鮑三娘という嫁ができる色男。原典の潘巧雲の話はドロドロ。 拚命三郎(石秀)…命知らずの三男坊。原典はヤンデレ気質があったり、単身で盧俊義救出に特攻したり、本当に命知らず。

2021-09-30 06:47:25
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

両頭蛇(解珍)…頭が二つある蛇。噛まれたら死ぬ。原典だと解宝とは兄弟。ニコイチ兄弟になりがちなので、親子にしたアレンジは秀逸。 双尾蠍(解宝)…尾が二本ある蠍。刺されたら死ぬ。蛇蝎ブラザーズ。原典だと悪代官に嵌められて取っ捕まるが、孫立一座に助けられる。孫立は堅気の武官だったのに…

2021-09-30 06:47:25
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浪子(燕青)…浮浪児か道楽息子、伊達男とも。水滸伝の頃の皇帝徽宗ちゃんも皇子の頃浪子と呼ばれた。史実の花石綱はホンマに洒落にならない悪政。 神機軍師(朱武)…神機を得た軍師。原典朱武は専ら陣形マニアなところがあって、敵の陣形を一眼で見破ることができた。最も、それを破れるかは別の話。

2021-10-01 06:59:55
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鎮三山(黄信)…二竜山、清風山、桃花山を制圧するぞ!と言いまくっていたから。要するに個人の目標であり、目指せ甲子園くんみたいなあだ名。 病尉遅(孫立)…病気の尉遅景徳。唐の武将で鞭を使っていた。戦場で傷を負ったことがないとされるほど強い。民間でも尉遅景徳の絵を門に貼って守り神にした。

2021-10-01 06:59:55
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醜郡馬(宣賛)…不細工な郡馬。郡馬とは王様の娘婿のこと。原典だと地位は相当高いのだが、嫁さんは宣賛が不細工過ぎて自害してしまう。あんまりじゃないか? 井木犴(郝思文)…星の名前。郝思文のお母さんが井木犴がお腹に宿る夢を見たらしい。武芸十八般に通じている器用な男。温厚キャラになりがち。

2021-10-01 17:24:27
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

百勝将(韓滔)…常勝将軍という意味らしいが、誰に百勝したのだろうか。棗木槊という棗のやたら長い棒が武器。某作者のアカウント名の由来でもある。 天目将(彭玘)…天目は蟹座のこと。死凶疾病を司る。それほど強い将という意味だったのだろうか。三尖両刃という武器を使いこなす。大抵韓滔とコンビ。

2021-10-01 17:24:27
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

聖水将(単廷珪)…水攻め将軍。しかし、一度も披露したことはない。聖水将なのに水攻めしない所が個性。したらしたで読者にびっくりされる。絵巻水滸伝は水攻めしまくるぞ。 神火将(魏定国)…火攻め将軍。こいつも原典では一回しか火攻めしたことが無い。単廷珪とコンビを組むが、明らかな人選ミス。

2021-10-02 12:19:44
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

聖手書生(蕭譲)…能筆で書体マネの名手。原典の出番も偽手紙作り。招安後は蔡京に雇われて、代筆を任せられ、家庭教師になった。 鉄面孔目(裴宣)…剛直な裁判官。元々は孔目だったが、粗探しをされ流罪になった所を鄧飛、孟康に助けられた。飲馬川で彼らを従えて賊徒に。両刀使いでなかなかの腕前。

2021-10-02 12:19:44
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

摩雲金翅(欧鵬)…空を飛ぶ鳳。欧鵬の鉄棒の技を讃えた。原典は黄門山の頭領。メンバーは蔣敬、馬麟、陶宗旺。蔣敬以外は宋江の旅で拾ってるのが北方先生の本領。 火眼狻猊(鄧飛)…赤目の獅子。目が赤い理由はそれぞれで、原典は人肉の食い過ぎで、北水はまた違う。原典鄧飛の食生活はどんなだろうか。

2021-10-03 17:47:02