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怪談BASARA・腐 #kai_bsr_fu 第二回 まとめ。

怪談BASARA・腐Ver.の第二回です。 数奇屋が語ったOPは話の前半になるので、そのうち後半部も追加予定です。
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数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr (…ということは、必要があるんなら侵入するんだな) #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:29:08
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr ちょっと俺このままこの子の隣にいていいのだろうか。いつも抱く懸念を再び心中で繰り返していると。 #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:30:16
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr ぴんぽんぱんぽん。 ――ただいま、電車が参ります。ご注意ください。 #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:30:35
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr どこからともないアナウンス。…ああ、出たな。これは。 「さてと。じゃあこれ、よろしくね」 お嬢が立ち上がり、何かを差し出してくる。受け取って見てみれば、それは彼女がいつも手首に巻いている六文銭のうち四文だった #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:30:58
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 「ん、ああはいはい。道標な」 「そう。今回私を呼ぶときは、いい頃合になるか、何かあったときで」 「分かったよ。早めに戻りの合図を頼む。このあたり…知ってるだろ?」 「ああ、それ? …そうね。貴方が解決しなさいな」 #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:32:11
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr は。 なんだそれ、と言い返すより前に、ごう、と聞きなれた轟音を立てて、案の定『ホーム』――車道に『電車』が滑りこんでくる。そして空気の抜ける音と同時に、その扉が開いた。 #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:32:51
ナオ @aoiyagisan

@kai_bsr 追いついたっ!って六文銭…! #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:33:11
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 完全においでおいで状態のそのタラップに足をかけ、彼女はそれじゃあね、と手を振って乗り込み、ドアは勢い良く閉じた。 #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:33:46
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 車両の中はなるべく見ないようにしていたのだが、老若男女の体型をした黒い影が奥に蠢くのをあいにくはっきり見てしまった。幾つか目も合った。いやなもんだ。 #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:34:24
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr …多分この中で、なにも知らないまま、分からないままに死んでしまった人々だろう。実に嫌なもんだ。 #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:35:26
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr そうして列車の発車ベルが鳴り――瞬きの間に、電車は消え失せてしまったのだった。 そして残されたのは四文の銭と俺、というわけなのである。 #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:35:42
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr さてしかし暇をつぶすにしても、何をしようか。 「ノートPCも家においてきちまったしな…」 #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:36:05
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr (※注:「電車」は戦国時代の政宗さんが偶然幽霊列車に乗り込んでしまい、綾小路さんを助けに来た現代の幸村さんと遭遇するお話です。その現代サイドゆえ、わかりづらい場合はほんとうにすみません) #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:37:54
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr LEDライトであたりを照らしたまま、とりあえず駅の自販機でアクエリアスを購入して咽喉を潤す。駅前をうろついてみるが、当然ながら時間を潰せそうな店も全部しまっていてどうしようもない。 #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:38:14
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr できればこの時間帯、外にいたくはないのだが、流石半端に住宅街とビジネス街の混ざったエリア。半端な不便さである。ネカフェに行くにも結構距離があるし、なにより駅前を離れるのはなあ。 #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:38:47
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr と、ベンチに座って家に本を取りに帰るか検討していると、不意にLEDライトで照らされているあたりに、茶色い人影が飛び込んできた。 #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:39:07
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 「え」 どうやら女性らしいその人が手を顔にかざしたのを見て、急いでLEDライトを消す。 #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:39:44
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 「すみません」 そう言って謝ったのだが、ふい、とその女性は顔を背けて、俺の前の道路をこえたところの広場の、止まっている噴水の端に腰掛けてしまった。 #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:40:09
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 歳は20代ぐらいだろうか。街頭に照らされて、銀色の髪が夜闇に光る。…銀、色。 げ、と思った。思わず立ち上がる。 すみませんちょっと、と声をかけようとした時、彼女が立ち上がり、そして駆け寄った先の男を見て―― #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:40:34
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr ああこれは、まずいことになった。 真っ先に思ったのはそれである。 #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:40:58
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 目の前で抱きあうカップル。片方は銀の髪、片方は――金色。明らかに人ではない輝きを持った、フードを被った逞しい男だったのである。 #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:42:45
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr まるで油が浮いたような気味の悪い輝きを纏って、その男は銀髪の女性を抱きしめたのだった。 #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:43:50
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr ここ五年ぐらいのことだ。このあたりの銀髪の女性が、次々と行方不明になっている。近隣住民の警戒虚しく、まるで彼らは誘われるように家を出て――そのまま戻ってこない。 #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:45:49
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 十数件あまり、そんなことが続いていたのである。 #kai_bsr_fu

2011-08-24 21:46:25
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