茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2622回「藤井聡太さんは、人工知能ネイティヴ世代の旗手」

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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート2622回をお届けします。文章は即興で書いています。本日は、感想です。

2021-11-14 07:12:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

藤井聡太さんが史上最年少で四冠を達成した。すごいことである。すでに、ハンガリー出身の物理学者、アルパド・イロが考案したElo ratingでは現役棋士中最高の2000超えを達成している。 kishibetsu.com/ranking2.html 名実ともに、最強棋士となったと言ってよいだろう。

2021-11-14 07:15:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

藤井聡太さんの強さの秘密は多岐にわたるけれども、人工知能の活用が一つの鍵であることは間違いない。「人間と対戦するよりも人工知能で研究する方が良い」というのは若手棋士の多くの実感だろうが、それを初めて徹底した世代の一人が藤井さんである。

2021-11-14 07:16:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

今の最強の将棋ソフトのレーティングは4800超えで qhapaq.org/shogi/ 人間は誰もかなわない。Elo ratingでは、100違うと上位者の勝率がほぼ2/3、400違うとほぼ90%になり、人間を2800ほど超える人工知能には、人間はもはやかなわない。

2021-11-14 07:20:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

藤井聡太さんのエピーソードですごいのは、50万円程度のCPUでPCを自作したこと。市販のPCのCPUは典型的には2万円程度である。同じソフトでも、CPUの処理速度が高まればさらに良い手を探索できる。つまり現代将棋は情報戦、ITの戦いの側面がある。

2021-11-14 07:21:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

もっとも、いくら強い将棋ソフトを使ったとしても、最終的に対局する時には自分の脳を用いなければならない。その意味で、現代将棋はスポーツであり、その道具である脳を鍛える手段が人工知能だということになる。藤井聡太さんは人工知能ジムで自らの脳を鍛えるアスリートだ。

2021-11-14 07:22:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

藤井聡太さんの活躍に将棋界を超えた関心が集まるのは、若い棋士の目覚ましい進撃ということ以上に、人間と人工知能の共生の可能性を示すからだ。藤井聡太さんは、人工知能ネイティヴ世代の旗手であり、人工知能によって人間の脳の潜在能力を高める可能性を劇的に示してくださっている。

2021-11-14 07:24:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート2622回、「藤井聡太さんは、人工知能ネイティヴ世代の旗手」をテーマに6つのツイートをお届けしました。

2021-11-14 07:25:06