- Uroak_Miku
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夕の買い物を済ませた後、これという用事もなく駅の図書館に寄ってみた。中学科学の教科書にまた目を通してみた。大判で、しかも縦長。三年分。化学の章を順に読んでみた。 pic.twitter.com/OreKkQLKZp
2021-11-15 20:39:40ものがみずにとけるとはどういうことかな、かんがえてみましょーで開幕です中1。砂糖が水にとけるのは、砂糖が小さな小さな粒となって水のなかに散らばる状態のことなんですよーと図解。
2021-11-15 20:42:53しかし食塩水についてはどういうわけかスルーされる。理由はおそらく、イオンが絡むから。イオンの話は中3でデビューだから中1化学で切り出せない。
2021-11-15 20:44:26中2教科書の化学では、定番のベーキングパウダーねた。炭酸水素ナトリウムを熱してみましょー、おお、何か三つに分かれますねーこれは何なのか考えて見ましょー攻撃。
2021-11-15 20:46:39おやあ、何か気体が生じますねー、試験管に集めてみましょー、火を入れてみましょー、おやー火が消えてしまいましたねー、ということは、これはきっと二酸化炭素ですねーと続く。
2021-11-15 20:48:49そして気体の体積が整数比であることから、アボガドロの分子説に話をもっていく。 pic.twitter.com/kJ2tedGWPm
2021-11-15 20:51:00中3になると、食塩水に電気を流してみましょー、おやー食塩には電気が流れないのに食塩水だと電気が流れますねーどうしてなのか考えてみましょーと進む。
2021-11-15 20:52:27食塩はイオン結合でできているから水につけるとイオンに分解されるけれど、砂糖はイオン結合ではないから水につけてもイオンに分解されない…これ高校化学で習う。中学化学でこの説明は御法度。
2021-11-15 20:56:09英語の教科書を読んでいて「ここで過去時制つかえばいいじゃん」なところで現在時制で押し通す変な英会話が続いていくのと同じで、ここで共有結合の話すればいいじゃんなところでもイオンの話でお茶を濁していくわけです。
2021-11-15 20:57:45イオンさえわかれば酸性とアルカリ性の違いについてもいちおう語れるので、ここから先は中学生には教えないってことなのでしょう。
2021-11-15 20:58:46なんでもかんでもいちいち「実験してみましょう」「観察してみましょう」「みんなで討論してみましょう」を経ないといけない。実際の授業でそんなことをやっているわけがないので、つまりは教科書の中だけのまぼろし中学生たちの物語。
2021-11-15 21:04:58いちいちほおに手を当てたり腕を組んだりする、このうさんくささ。 pic.twitter.com/HFsywhJyOY
2021-11-15 21:08:28自力発見ごっこの果てしない連鎖でできているのです。だから教科書を読み切っても、何にも頭に残らない。食塩水に電気が流れる理屈はイオン説でいちおうわかるとして、砂糖水だと電気が流れない理由についてはどうか?教科書にはその説明が見当たらない。
2021-11-15 21:12:58結局、どこかで生徒たちは割り切りを迫られるわけです。ああこういう世界なんだな、これは儀式であって、結論なんてとうにわかっていることなんだな、それをとっとと覚えて試験に挑めばいいんだなって。
2021-11-15 21:17:04