2021年度、エアミス研ランキング、総合ランキング、エロミスランキング
- CLY__Mizuki
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1位:今村昌弘「兇人邸の殺人」/紙城境介「僕が答える君の謎解き2 その肩を抱く覚悟」【87点】前代未聞の二作品同率1位である。「兇人邸の殺人」はモンスターパニックホラー×本格ミステリというべき傑作であり、端正なロジックもさることながらこの設定でしか成立しない動機と人間ドラマは必見。
2021-11-20 23:20:34一方「僕が答える君の謎解き2 その肩を抱く覚悟」は前述した「僕が答える君の謎解き 明神凛音は間違えない」の続編。名犯人が仕組んだ舞台でクラスメイト35人の嘘を暴いていく怒涛の論理の連鎖と目まぐるしい推理のビルド&スクラップは脈々と続いた現代ロジック本格の一つの完成形と言っていいだろう。
2021-11-20 23:20:48総評
【総評】2021年度のエアミスランキングは蓋を開けてみれば、まさかの二作同率1位という極めて面白い結果となった。これは10年以上続いたエアミスランキングの中でも初の出来事であり、裏を返せばそれだけ傑作が鎬を削った証左と言えるだろう。
2021-11-20 23:21:25初と言えば同率1位の一人、今村昌弘はこれまでのエアミスランキングで「屍人荘の殺人」「魔眼の匣の殺人」と麻耶雄嵩(「メルカトルかく語りき」と「さよなら神様」で二回1位を獲得)と並んで二回1位に輝いているが、三回目の1位に至ってはエアミス史上初の快挙である。
2021-11-20 23:21:39そしてもう一人の同率1位を射止めた紙城境介の方もまた今回二作品(「僕が答える君の謎解き2 その肩を抱く覚悟」と「僕が答える君の謎解き 明神凛音は間違えない」)がベスト10入りという快挙を成し遂げており、しかもどちらも控えめに言って傑作以上の完成度なのだから畏れ入る。
2021-11-20 23:22:02なお紙城は今でこそラブコメの書き手として知られているがデビュー作「ウィッチハント・カーテンコール 超歴史的殺人事件」(第1回集英社ライトノベル新人賞《優秀賞》受賞作)は奇想溢れる本格ミステリの傑作でありデビュー作以来の本格ミステリがここまで高く評価されたことを思うと実に感慨深い。
2021-11-20 23:22:18その一方で全体的に見ても二作目にしてベスト3入りを果たした方丈貴恵「孤島の来訪者」や初の歴史小説にして籠城中の城で繰り広げられる異色の安楽椅子探偵物・米澤穂信「黒牢城」など今年は実にハイレベルな作品が揃っており一ミステリファンとしてはこの盛況が来年以降も続くことを願う次第である。
2021-11-20 23:22:34なおエアミスランキングの投票内訳に関しては作品数がかなり多いため、大変恐縮ではありますが割愛させて頂きたいと思います。ご了承下さいませ。
2021-11-20 23:23:08以上を持ちまして、2021年度エアミスランキングの発表を終了したいと思います。長い時間お付き合い頂き、誠に有り難うございました。また来年も宜しくお願い致します! #airmysken
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