英語の日本語化には、超大学生級の英語読解力と中学生級の日本語力が必要(openほか)

みんなの好きな誤訳、というより誤解を招くような表現(日本語化)について。
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砂手紙 @sandletter1

翻訳力、というか日本語化力というのは、英語が読めるということは第一条件ですけど、読めた英語を日本語にするためには、中学生程度の「常識」と「文脈理解力」は必要です。今日は翻訳の本が多分100冊以上ある、自分の1000倍ぐらい語学力のある人の誤訳(と思われるもの)を3つあげます。

2021-12-21 18:55:43
砂手紙 @sandletter1

古本屋を兼業している泥棒が、店を閉めるとき、看板を「開店」から裏返して「閉店」に変える。あのねえ、あなた、今までの人生でそんな看板見たことありますか。英語で「open」「closed」というのは日本でもあって、「open」は確かに「開店」という意味はあるけど(カードゲームだと「試合開始」かな)

2021-12-21 18:56:50
砂手紙 @sandletter1

それをそのまま使うのは、英語を日本語にしただけ。要するに日本語化してない。つまり、日本人が見る看板は「営業中」「準備中」だから、そうしないと日本語にならないわけ。

2021-12-21 18:57:11
砂手紙 @sandletter1

警察をやめて、新しく古本屋をはじめることになった店主が、アルバイトを募集したら、薄黄緑色の「ドレス」を着た女子(体型としてはビブリア古書堂の栞子さんみたいな感じ)が、わたしを雇ってください、とやってくる。そんな格好でバイト面接に普通来るかなあ。どこの落ちぶれた悪役令嬢ですか。

2021-12-21 18:57:54
砂手紙 @sandletter1

英語で「dress」って書いてあるときは、おしゃれ服の場合もあれば、単なる婦人服って意味だけのこともある。ここは多分「ワンピース」じゃないかな、と思う。

2021-12-21 18:58:17
砂手紙 @sandletter1

警察が没収した証拠の拳銃が「繻子(しゅす)仕上げ」。そんな日本語でイメージするのは、なんかつるつるしてて持ちにくそうな拳銃やね。英語だと「satin finished」なんだけど、銃とかギターの場合は「つや消し仕上げの あるいは、無塗装の」って意味がちゃんとある。紙類の場合は「梨地」って言う。

2021-12-21 18:59:04
砂手紙 @sandletter1

ここで例に挙げたものは、店を閉めるとき、バイトの面接に来た女子、犯罪に使われた拳銃、という、場所とか状況から考えて、中学生レベルでも「文脈的にこれはおかしいのでは」と判断できるようなものです。

2021-12-21 18:59:35
砂手紙 @sandletter1

逆に言うなら、英語をあまり知らない中学生でも昔の翻訳本を10ページぐらい読むとおかしなところがいくらでも発見できる可能性はある、ということです。

2021-12-21 18:59:48