ルドルフ vol.8『その犀はひとり行く』感想まとめ

2021年12月16日(木)〜19日(日)にTHEATRE E9 KYOTOにて上演したルドルフ『その犀はひとり行く』の感想ツイートをまとめました。 公演特設サイト:https://rudolf.kyoto.jp/stage/vol8/
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なるとげんじ @Genji_Naruto

ルドルフ『その犀はひとり行く』観劇。原案となる『平家物語』を知らなくても(知っていればその分だけ)楽しめる、目の前でライブで俳優たちが演じているにも関わらず、まるで映画を見ているかのような作品だった。『見せ方』が非常に巧み。センスの良さと『人々』に対する愛情・誠実さが光っていた。

2021-12-22 14:30:49
なるとげんじ @Genji_Naruto

それはかつてこの『京都』という同じ場所に暮らした登場人物(のモデル)たち、また間接的に語られるだけの非業のうちに亡くなった(本来そのひとりひとりにちゃんと名前があったはずの)無辜の魂たちへの『手向け』であり、彼・彼女らにしっかり焦点を当て寄り添おうとする意図の顕れだと感じ取れた。

2021-12-22 14:31:19
なるとげんじ @Genji_Naruto

例えばこの僅かな公演期間中であってもその内に命を落とした人が数多くいることはニュースなどから容易にわかる。自分が、家族が、変わらず明日も生きていられる保証がないのは今も昔も変わらないが、命が奪われる頻度(治安の不安定さや衛生状態等々)はかの時代と現代ではきっと比べものにならない。

2021-12-22 14:31:52
なるとげんじ @Genji_Naruto

それでも人々は暮らして来た。自分が利用されないためのより強い権力を求めて。女であることを利用され父のため家のため自己犠牲を強いられても。一つの生き方しか知らない盲目的に付き従う武人として。ただただ一族を見守る者となって。戦に負けた親と全てを奪われ。聖職者にその身を汚されて、なお。

2021-12-22 14:32:28
なるとげんじ @Genji_Naruto

人は望んだ環境に生まれることはできない。生まれ落ちた環境に従って或いは抗って生きるしかない。『昌景』という主人公はその環境を守るために罪を犯し、犯した同じその手で甥の赤子を抱く。『殺らなければ殺られる』野生動物的な生存競争の只中ではいちいち気に止めてなどいられないのが普通なのだ。

2021-12-22 14:33:27
なるとげんじ @Genji_Naruto

だが彼は悩む。無慈悲に切って捨てるのが道理と知っても人に情けをかける。葛藤の最中、時に逆らえぬ衝動に駆られて凶行に及び、時に後悔に苛まれる。そんな人物だからこそ現代の我々とさして変わらないと思えるし、何故狂気の沙汰に手を染められたのか『よくわからない』という吐露にも理解が示せる。

2021-12-22 14:34:07
なるとげんじ @Genji_Naruto

『罪を憎んで人を憎まず』とは言え、彼ら一族の犯した罪はあまりに重く、『盛者必衰』の末路が訪れることを我々は知っている。『情けは人の為ならず』の言葉通りそれは最期に還って来る。その猶予、穏やかに素直な気持ちで『あの言葉』を遺せた彼ならば『救い』を得て赦されて欲しいと思わせてくれる。

2021-12-22 14:34:53
なるとげんじ @Genji_Naruto

苛烈な災害や憤りを覚える事件・事故も沢山あるが、少なくとも今現在国内で『戦』はない。誰しもが『罪人』であり、罪人が罪人によって裁かれる不条理が罷り通る時代でもない。今この時代に生まれた幸せを感じ、誇りに思いつつ、ほんの少しずつでも『人』は進歩しているのだと信じ、彼にそう告げたい。

2021-12-22 14:35:53
なるとげんじ @Genji_Naruto

ど頭からMAXの演技には『すでに事態は始まっている』という富野由悠季ガンダム的な匂いが感じられてとっ付き易かったし、俳優が必死でやるところに説得力が生まれることもあり、冒頭からサッと劇世界へとさらわれて2時間を超える長丁場でも(途中休憩を含めても)集中を切らさず観続けることができた。

2021-12-22 14:37:30
なるとげんじ @Genji_Naruto

開演前から(劇中でも)流れる鳥の鳴き声などの効果音もすんなり雰囲気に馴染めた一因だし、客席からの視点で上下二段になるよう二方向を同時に見せるシーン・回想からの滑らかな遷移も秀逸だった。また綺麗なお御足が痣だらけだったのにもリアリティがあった(要らぬお世話だが早く治りますように)。

2021-12-22 14:38:01
なるとげんじ @Genji_Naruto

「ご寄付をいただき再建が叶った暁にはあなたのお名前を…」って、それ『E9』(という劇場の出自と照らして)でやるか?と突っ込ませるギャグだったのはわかっている。重くシリアスな展開の中でもクスッと笑わせることを忘れない気遣いが散りばめられていたのも嬉しかったし、そういうところ好きだわ。

2021-12-22 14:38:29
なるとげんじ @Genji_Naruto

何色にも染まり何物にもなり得る材の魅力をシンプルかつ最大限引き出していた『和』な美術も凄かった。あと『殺陣』にはそれなりの時間を要する訓練が必要なだけに刃を交えるシーンが敢えてなかったのは良策だったと思う。昨年の公演でも活躍した『ピストル』は今後も定番の飛び道具となるのだろうか?

2021-12-22 14:38:59
なるとげんじ @Genji_Naruto

カーテンコールの時の俳優たちの表情が(清々しい顔をしている人、泣いている人、ポーカーフェイスの人、と人それぞれで)どれも良かった。 半券代わりのカードをズボンのポケットに入れて座ってしまっていたがためにバッキバキにしてしまったのがとても悲しくそして悔やまれる。

2021-12-22 14:39:35
なるとげんじ @Genji_Naruto

実は『平重衡』についてはほぼほぼ知識がなかったのだが、帰宅後当日パンフを読んでみるとなんとお墓があるのが地元の本近所で、Google Mapsで公園っぽい所にあたりをつけてGoogle Earthで探してみると「あ、ここ!」と誘われたようにとても容易く見つけられて驚くのと同時に少し動揺した。

2021-12-22 14:40:00
なるとげんじ @Genji_Naruto

場面転換の合間に何度か小さな『虫』がふわふわ舞っているのを見かけて「あれが『重衡さん』で観に来られてるとか言うのは話が出来過ぎやな」と思っていたが、今はそれを訂正した方がいい気がする。 重衡さんずっと近くにいたのにごめんなさい🙏 気づけて良かったです。筒井さんありがとうございます。

2021-12-22 14:40:31
なるとげんじ @Genji_Naruto

願わくば将来的に旅公演や配信といった形でこの作品がより多くの人の目に触れて欲しい。

2021-12-22 14:40:54
なるとげんじ @Genji_Naruto

【追記】昌景と文梅の『死に方シンクロ率100%』とか、舞が『四股』だった? とか、鼻をほじる玄海とか、憑きものの取れた淑子の微笑みとか、細かな記憶が水泡のように湧き立っては消える。今後どんどん薄れて行くのかと思うと歯がゆい。 「貴族にもいろいろあるんだ」あたりのやり取りが好きだったな。

2021-12-22 22:21:45
なるとげんじ @Genji_Naruto

あ、違う。 『文梅』じゃなくて『月村家(?)の誰か子ちゃん』や。 今気づいた(恥)。

2021-12-23 07:15:47
なるとげんじ @Genji_Naruto

【追記②】本来の自分のままで信頼できる相手に絡んで行く『文梅』と「うっそだぁ~」と冷やかされてもそこは徳を積んだお坊さんなのでムッとすることなど無く「まぁいろいろあんだよ」と淡々と応じられる『玄海』のまるで兄妹のような平和なやり取りだから良かったのだろうな、なんかそんな気がする。

2021-12-23 22:31:30
気持ちのいいチョップ @kimo_chop

12月18日 激寒晴れ時々雨。観劇日。昼に劇団しようよ「セミヘブン」、夜にルドルフの「その犀はひとり行く」を観た。しようよ、久しぶりに舞台の西村さんを見てドキッとした。緊迫感のある面持ちが素敵だった。ルドルフの森脇君の表情がとにかく良かった。一人の持つ表情として魅力があり過ぎた(横山)

2021-12-25 07:24:06
正直者の会 @syoujikimonono

奇しくも先週と今週連続してtheatreE9kyotoで上演されたルドルフ@rudolf1207『その犀はひとり行く』 と烏丸ストロークロック@karasuma69×五色劇場『新平和』 二つの作品は、見事に対照的でした。どちらも ・素晴らしい作品であったこと ・多く人が死ぬ出来事に直接間接関わった者(a)と「aと関わる者」

2021-12-25 09:51:21
正直者の会 @syoujikimonono

という共通があり、それゆえ一層鮮やかに対照的なのは ・「(一人でゆく)私」が死ぬ間際に晴れやかな顔をしたこと(ルドルフ) ・「私たち」が幕切れで「考え続ける」と互いの顔をみつめあうこと ここらのことをまとめて書きたいのだけれど、到底まとまりそうにない…。明日本番なのでやめておきます

2021-12-25 09:51:21
正直者の会 @syoujikimonono

あぁ。昨夜のラストの語順も圧があった。 「私たちは考えている」ではなくて 「考えている。私たちで」 セリフはもちろん正確ではないし、前からのスマートなつながりゆえに倒置しただけかもしれないが、ルドルフとの対比はここに極めて鮮やかとなった。

2021-12-25 09:51:22
正直者の会 @syoujikimonono

この半年以上もの間、図書館から借りては延長し、返してはまた借りながら、少しずつ読んでもまだまだ何が書いてあるか全然わからないこの本の内容は、上のことに大きく関わっている。 pic.twitter.com/llsz7KGW57

2021-12-25 10:09:11
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擬態系絵描きさん @16jjRgEfAz5gyUf

#ルドルフ #その犀はひとり行く …もう誰か気がついてくれるか不安がある時間が経っているがもうネタバレ大丈夫なので感想の続き。基盤が平家物語だがスライドの仕方が抜群。軍記物としての面が強く無い代わりに人物達の置かれていく変化と内面の描写を繊細に掘下げ、仏教的側面を強める作りが斬新!

2021-12-26 16:04:42
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