ロンドン・コーリング:後編 #4

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

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(((ヘルシェパードよ。我が祝福を授ける。ゴダを滅せよ))) ケイムショの声が轟くと、ヘルシェパードは高く空中浮遊し、全身を奇怪に仰け反らせた。次の瞬間、彼が率いてきた死者の大波は文字通り液状化し、ヘルシェパードを中心核に凝集を始めた。肉と骨、展示物をも巻き込み、屍肉の巨人と化す！ 0

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「アバーーッ……！」凄まじき死の咆哮！ヘルシェパードの右腕には白骨と腱で形づくられた投擲型鮮肉フックが備わり、左腕は恐るべき骨の回転ミキサーそのものであった！ZGOOM！ZGOOM！死の巨人と化したヘルシェパードは、身の凍る咆哮を放ち、サツバツナイトらに向かっておぞましき突撃を開始した！ 0

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KOL兵の生き残りはマットを含め三人。しかも一人は戦力に数えるのが難しい負傷状態で、既に片脚を失っていた。彼らは発狂することもできなかった。ネオン・プラズマ弾を決死の表情で撃ち込む！BOOOM！BOOOOM！　1

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「アバーッ！」ヘルシェパードは輝くプラズマ弾の直撃を受け、腹に風穴を開けた。引き連れるズンビーが足元に纏わりつき、その巨体を這い登り、同化し、新たな肉と化した。BOOM！BOOM！KOLのプラズマ弾はヘルシェパードの速度を減じるのみ。「スウーッ！」ドラゴン・ニンジャは目を輝かせる！　2

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「ハアーッ！」彼女はチャドーの力をゴダ・ニンジャへ注いだ。そして迎撃スリケンを頭上へ投げ続けるサツバツナイトを見た。サツバツナイトは言外の合図を感じ取った。そして迎撃スリケンの投擲を止め、腰を落とした。その時、ドクン！ゴダの身体が電気ショックめいて跳ね、弱い障壁が再び生じた！　3

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「「アバーッ！？」」上から降り注ぐズンビーが、ロンドン・アイが、障壁に押し留められた！「イイイイイイヤアアーッ！」そしてサツバツナイトはスリケン二枚を力強く同時投擲した。黒橙の二重螺旋軌跡を描き、ツヨイ・スリケンはヘルシェパードを貫通し、転倒せしめた！「アバーッ！」　4

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ヘルシェパードが崩れ落ちる！時間猶予発生！両脇から雪崩じみてズンビーが襲いくる！アンブレラは最前列へ進み、傘を盾めいて回転させた。「イイイヤアアーッ！」「「アバババーッ！」」ミキサーに突進するトマトじみて液状化するズンビー群！その倒し漏れを処理するデッドアイズとスプリガン！　5

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「イヤーッ」「アバーッ！」BLAM！BLAM！「アバーッ！」デッドアイズの銃撃、そしてスプリガンの素早く鋭いカラテがズンビーを破壊してゆく。「年寄の冷水だな」銃をリロードしながらデッドアイズが毒づいた。「何か言わずにはおれんのか」スプリガンは猫足立ちのカラテを構え、振り返らず返す。　6

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「ニンジャとは即ち不老の存在よ。俺も貴様も、平安時代のニンジャどもの長きを思えばゴジュッポ・ヒャッポ。ナメるなよ、デッドアイズ＝サン」「ならば師匠気取りも止める事だ！」「実際師匠ゆえ止めるつもりなし」「クチの減らん奴。教えの恩など、とうに返して今は返済待ちだというのに」BLAMN！　7

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銃がズンビーの脳天を撃ち砕き、「イヤーッ！」「アバーッ！」カラテがズンビーの脳天を打ち砕く。そして二者は再び離れ、それぞれにKOL兵のリロードを守った。「イヤーッ！」「アバーッ！」「イヤーッ！」「アバーッ！」モータルといえども、この場においては貴重な戦力。軽んじれば全滅が近づく！　8

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「アバーッ……」ヘルシェパードがズンビーを取り込んで復活を始める。「スウーッ……！」ツヨイ・スリケンの再度の投擲のため、サツバツナイトが力を溜める。アンブレラは徐々に前進し、防衛ラインを引き上げてゆく。ゴダの弱々しい障壁は上からの敵を不可視のゼリーめいて押し留める。希望……！　9

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(((貴様らに希望などない)))超自然の声が、彼らに共有されたアトモスフィアを刈り取った。ロンドン・アイの瞳孔が収縮し、生者の陣のもとへ、ケイムショの鏡像をホログラムめいて送り込んだのである！(((滅びは定め……！)))「アバーッ！？」ホロ映像に重なったKOLの一人が目から火を噴いて狂死！　10

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「アバババーッ！」さらに一人のKOLがケイムショのホロ映像に触れられるや、やはり目から火を噴いて狂死した。何たる強力無比な呪いか！ケイムショの多腕は愛おしむように、マットに振り下ろされる！「リン・ピオ！」そこへ立ちはだかったのはドラゴン・ニンジャだ！白く発光するドラゴン・アイ！　11

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体内で高めたチャドーを凄まじきカラテ・アトモスフィアに転じ、邪気を払う！(((ハ、ハ、ハハハハ……)))ケイムショの鏡像は嘲笑いを残して消え去った。然り。嘲笑だ。わずか１秒の呪いで、防衛者たちのグルーヴを崩すには充分だった。ニンジャ達は身構えて己の精神を守らねばならなかった。　12

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ドラゴン・ニンジャの強いられた行動により、ゴダ・ニンジャへのチャドー・ヒーリングが中断した。そして障壁は消滅した。「アバーッ！」再度のツヨイ・スリケンが阻まれたことで、ヘルシェパードはズンビーを取り込み、完全復活した。上空から翼持つ死が襲いかかった。「キャアアアーッ！」　13

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「イヤーッ！」サツバツナイトのミサイルめいた昇り飛び蹴りが翼持つ死を打ち抜き破壊し、トライアングル・リープからの空中回し蹴りがもう一体の翼持つ死をも破壊した。だがロンドン・アイは展示場内へと落下した。KRAAAAASH！「「「グワーッ！」」」生者たちは粉塵と共に跳ね飛ばされた。　14

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「グ……クソッ」デッドアイズは頭を振り、瘴気と粉塵の中で起き上がった。「アンブレラ＝サンは何処だ……」その背後に巨大な屍肉の影が浮かび上がった。ヘルシェパード……！「アバーーッ！」繰り出される肉フック！「グワーッ！」驚愕と共に振り返ったデッドアイズは、己を庇う者の背中を見た。　15

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「バカめが。命あっての物種よ。まして依頼主を見失うなど未熟……」スプリガンはデッドアイズを見て笑い、血を吐いた。肉フックがスプリガンの心臓部を貫いていた。「……お前の貸しとやらは、これで返してやったわい。綺麗サッパリだ」「師……」「アバーッ！」肉フックが引かれ、スプリガンは！　16

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「アバババババーッ！」待ち構えるヘルシェパードが構えた逆の腕の骨ミキサーに、頭から呑み込まれる！一瞬、彼の義足が回転部に挟まったのであろうか、ガチリと鳴ってミキサー回転が止まった。直後、ガリガリと不快な音を立てながらミキサーは再び動作し、それきりスプリガンの声は絶えた。　17

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「アバー……」ヘルシェパードは満足げに肉体を蠕動させ、さらにその背丈を伸ばしてゆく。デッドアイズは見開いた目を血走らせ、仁王立ちで立ち、構えた銃の弾をありったけ撃ち込んだ。BLAM！BLAM！BLAM！BLAM！BLAM！　18

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「ンアアーッ！」ドラゴン・ニンジャの悲鳴が響き渡った。ロンドン・アイが触手で彼女の身体を高く持ち上げた。彼女はカラテを漲らせ、引き裂く力に耐えていた。ゴダは！？「イヤーッ！」側転で触手を躱したサツバツナイトがかろうじて抱きかかえ救出！しかし、このままでは……！　19

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悪夢的騒乱の中、マットはついに抗う力尽き、アウト・オブ・エネジイして役に立たなくなったプラズマライフルを床に落とした。「フォッキン・ブラディ・ヘル」彼は呟き、デッドアイズに襲いかかるヘルシェパードを見ながら、最後にタバコを吸おうと懐に手を入れた。……「セイ！」　20

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聞き慣れぬカラテシャウトと共に光が弾けた。「セイ！」再びそのカラテシャウトは轟き、さらに強い光が弾けた。ズンビーの四肢が溶けながら吹き飛ぶさまを、マットは極度緊張スローモーションの視界で目撃した。「……セイヤッサー！」光が爆発し、粉塵と屍肉を吹き飛ばしながら、尼僧が飛び出した。21