りょうさんたちのカジロワ二次妄想(202201-03分)

ゆめくいりょう @6q_sm

「あいつは癒えない傷があって、それは生涯消えないんだと思う。多分だけど。俺もまあそれなりの経験積んできてて、だから俺は『そうか』としか言わなかった。同類アイアワレム？ちょっと違う。憐れんじゃなんかいない。でも、同じだと思ってた。向こうもそう感じてたと思う」

774チップ @774tip

（正座拝聴）

ゆめくいりょう @6q_sm

突っ伏したまま、右手人差し指だけを空中でくるくる回す射手

ゆめくいりょう @6q_sm

「まあつまるところ同類なんだよ俺たち。傷ついた魂から目を逸らして、あいつは一瞬の享楽を慎重に積み重ねて、俺は痛みから逃げるためにどこか遠くを観てる。それだけの違い。戦って乗り越える勇気もない、優しく労って癒す優しさもない。ただただ逃避を続けてた」

ゆめくいりょう @6q_sm

「それでもいいと思ってたんだ。どうせこの傷は何したって消えやしない。それに二人なら逃げ切れる気もしてた。それまで上手くいってたし、確かにあいつは俺の渇きを癒してくれた。俺も、あいつがたまに見せる弱いところを見ないフリしてさ。だからこれからも変わらないって思ってたんだよな」

ゆめくいりょう @6q_sm

「アーアー、言わんでいい。わかってる。同じところをドードードードー、ドードー鳥もビックリの堂々巡りでなァんも解決ねえなんてこたぁ、俺らが一番わかってるよ。でもな、その瞬間は痛みから目を逸らすことができるから。これまでもそうだったし、これからも変わらないと思ってた。幻想だったけど」

ゆめくいりょう @6q_sm

「そう、幻想だったんだよなあ。『変わらないものなんて何一つない』なんてよくわかってるつもりだったのに、俺は真の意味でわかってなかった。いや、敢えて目を逸らしていたのかもしれない。そうあってほしくないっつー歪んだ願望が、俺たちの……いや、俺の目を曇らせてたんだろう」

ゆめくいりょう @6q_sm

「あいつは変わった。あいつの傷が癒えることはこれからもない、それはきっと変わらない。でも、俺と一緒にドードー巡りしてたあいつの暗い部屋の天井に、小さな穴が空いた。あいつは、この世界に風が吹いていることを思い出した。光があることも」

ゆめくいりょう @6q_sm

「そしてその光は、その気になって目を向ければ、誰しもに与えられるものだったということを思い出したんだ。あいつは変わった。相変わらず見かけよりずっと神経質だし穴空きパンツに嫌味が止まらねえくだらなさはそのままだけど」

ゆめくいりょう @6q_sm

「眼差しが少し優しくなった。ヒリついた言葉にまろみが混ざるようになった。佇まいも心なしか落ち着きが出るようになって、でもフットワークの軽さは相変わらずというか以前に増して洗練された。船での出来事は『滑らない話』としてあいつの持ちネタになってる。正直、良いことづくめだよ」

ゆめくいりょう @6q_sm

「ホント、嬉しいんだよ。あのお坊ちゃんには感謝さえしてる。魂とかいうものがあるなら、ヤツのそれは磨かれ、そして内から輝くような何かがそれに沁み入っていったに違いない。一番近くにいた俺だからわかる。あいつは、変わった。良い方向に」

ゆめくいりょう @6q_sm

「だけどさぁ〜〜〜何でだろうなあ〜〜〜！嬉しいハズなのになんかこう、寂しさみたいなモン感じちまってさあ〜〜〜！あれだぞ、『同レベルだと思ってたヤツが上に行っちまったから嫉妬してる！』とかそういうんじゃねえからな！でもなんだこの……このッ……もどかしいッ！思いはッッ！」

ゆめくいりょう @6q_sm

「それでここに来たわけか」 「なあ〜ガメ。どうすりゃいいかなあ〜。俺こーゆーモヤモヤ、マジでニガテなんだよ。誇大妄想レベルであっても目標？みたいなのがあれば全然良いんだけどさ、ほんと今弱ってるんだってェ」

ゆめくいりょう @6q_sm

「自分で言うのも何だが、僕は自分が人生相談役に向いているとは思えないがね」 「あ、それは同意する」 「他人に言われると遺憾の意が湧き上がってくるな」 「でもさあ、ガメこういうときフラットな意見くれんじゃん。俺が求めてるのは心の慰めじゃなくて、進む先の例示なの」 「なるほど」

ゆめくいりょう @6q_sm

「君は双子が変わったと言ったが、それに釣られて君自身も変わったように思える。昔なら、例え双子が変わろうが簡単に流していただろう。お前をすり抜ける、数多くの人間の中の一人として」 「あー。付き合った年月って奴ぁバカにできないね。確かに、俺の中であいつは特別かも」

ゆめくいりょう @6q_sm

「ここから類推するに、君は、君だけが双子に対し特別な思いを抱いているのではないか、双子から何も思われていないかという、互いに向ける感情量の違いに不安を覚えているのではないかと考える」 「人は人、自分は自分だろ」

ゆめくいりょう @6q_sm

「ギャンブラーにはこう言った方が伝わりやすいか？つまり、かけたコストに対し少なくとも同等のリターンを期待する。かけるものがチップか感情かの違いだよ、君」 「ああー、それならなんとなくわかるかも」

ゆめくいりょう @6q_sm

「つまり俺は、双子にとって俺のこともちょいと特別に思ってほしいってことを心の奥底で願ってるってことか」 「そうだ」 「そう……だったのか！」 ガバッ！と起きる射手

ゆめくいりょう @6q_sm

「でも特別な関係って何？親友？いやガラじゃねえだろ。親兄弟……いやいや今更どうにもならねえじゃん。特別、特別……」 「恋人とか？」 「恋人！それだ！ナイスアシストガメっち！」 水瓶、無表情のまま親指ぐっ

ゆめくいりょう @6q_sm

「よーし！思い立ったが吉日！告白してくる！スマホどこだっけ？」 「その汚らしい鞄の、無数にあるポケットのどこかじゃないか？」 「あ、ケツポケットにあったわ。忘れてた」 「今の会話何？」 「ガメ！俺今から告白してくるね！ちょっと待ってて！」 答えを聞く前に部屋を出ていく射手

ゆめくいりょう @6q_sm

3分で戻ってくる射手

ゆめくいりょう @6q_sm

「どうだった？」 「なんか勝負してたらしくて、しつこく電話したらバチクソにキレられた」 「それはキレられても仕方ない。で？」 「『好きです！付き合ってください！』って言ったら、『無理です！他を当たってください！』って悪魔の笑いと共にガチャ切りされたわ。マジなんなのあいつ」

ゆめくいりょう @6q_sm

「やーいフラれてやんの」 「今日はちょっと調子悪かっただけだっつーの！見てろよ、絶対落としてやるもんねー！」 元気を取り戻した射手。荷物をガッと掴むと水瓶に別れを告げ、再び新しい地へと足を向かわせるのだった。

ゆめくいりょう @6q_sm

ちょっとね、射手が水瓶をどう呼んでたか曖昧で（確認すりゃあよかったんだけど、勢いで書いてしまった）、呼び方違ってても軽く流して貰えると嬉しいです……

774チップ @774tip

@6q_sm 😭😭😭😭😭😭👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏 𝓗𝓐𝓟𝓟𝓨 𝓔𝓝𝓓.. 射手にも双子にもガメにも幸あれ