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エロゲネタ板ベストエロゲー投票感想ピックアップ 2021年(再掲版)
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besterogeyorodu
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・「この世は舞台、人はみな役者だ。」 これは今作でも引用されたハムレットを書いたかの有名なシェイクスピアの別の作品の言葉です。 その言葉のインパクトから本来の意味合いは置いていかれ、様々な解釈されている言葉なようで少し調べてみると正反対ではないかと思うような解釈と印象を受けました。
2022-01-31 01:09:48![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
その中でも私にとってしっくりきたのは人生という舞台の上で役を演じているうちにそれに入れ込みすぎて我々は役であることを忘れてしまっているという解釈です。 どこかの誰かに渡された人生という台本に翻弄され、演じるうちに熱くなり、役であることを忘れてその舞台に必死になる。
2022-01-31 01:11:09![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
そんなものなのかもしれません。 前書きが長くなりましたが、冥契のルペルカリアは最愛の人に望まれた役を演じるうちに役に呑まれ、そして散っていた少女の最後の舞台の物語でした。
2022-01-31 01:11:56![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
この作品はいつから存在が語られていたか?それは前作であるパラレログラム発売直後のトークショーでした。 この時点でトークショーで行われた朗読劇は次回作のためにやっているという言葉から演劇物であるとの予想は早々についており、
2022-01-31 01:12:10![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
また妹が重要になる物語だとも語られていたことは熱心なファンにとっては記憶に新しいことでしょう。 そこから表舞台から姿を消し、fanboxの中で少しずつ進んでいく進捗を見てきた人も多いと思います。 勿論私もその一員です。
2022-01-31 01:12:18![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
コロナ禍というあまりに大きな出来事のせいで発売が年を跨ぎ、ようやく姿を見せた作品は前作とは違い、商業作品としては運命予報をお知らせしますから続く不条理の中で翻弄され、その中で前に進んでいく登場人物の物語でした。
2022-01-31 01:12:26![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
まずこの作品に関しての大前提としてヒロインと恋愛する物語ではないということを念頭に置いておくかどうさは評価に大きな差が生まれるのではないでしょうか。
2022-01-31 01:13:02![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
これまでの作品同様可愛い顔には棘がある、なんで言葉が甘っちょろいと言い切れるだけの信念と重い過去があり、更に苦しめと言わんばかりの展開の数々が繰り広げられていきます。
2022-01-31 01:13:13![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
今回最もその悲劇にあったのは天使奈々菜、可愛らしい名前に可愛らしいキャラデザ、そして声優の演技、そんな彼女に向けられた台本はあまりに酷く、尊厳を嘲笑うかのような物でした。 pic.twitter.com/7NLryekkfo
2022-01-31 01:14:00![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
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特に個別ルートは相変わらずというしかなく、踏み台という言葉で表現するのも愚かなハッピーエンド(笑)となっています。 そんな地獄のような配役を、主演の少女にとってはただの脇役としての役しか与えられなかった少女はもう1人いました。
2022-01-31 01:14:31![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
それが箱鳥理世、彼女のルートも奈々菜と同様に都合のいいハッピーエンドのような物語を繰り広げていきます。 しかし彼女はそれを選ばなかった。 pic.twitter.com/u7NecDDuqo
2022-01-31 01:15:14![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
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紙の上では翻弄されるばかりで自分が幸せとなる物語さえ紡ぐことを許されなかった名前がそっくりなあの子とは異なり、自分の意思でその結末を否定し、もう一度主演の彼女へ向き合うために舞台に向き合います。
2022-01-31 01:15:22![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
このシーンの演出はこれまでのウグイスカグラでは出来なかった物だと思うのでシナリオ以外でも成長しているのだと強く感じさせてくれました。
2022-01-31 01:15:25![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
さて2人以外にも舞台に巻き込まれた哀れな登場人物達はいます。 その中でも匂宮めぐりに襲った悲劇はあまりに辛いものと言えるでしょう。 大切だった物、舞台に立つ理由、ようやく叶えられる夢、その何もかもが奪い取られ絶望に突き落とされる。 pic.twitter.com/h8d5bJgIw3
2022-01-31 01:15:59![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
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この辺りは主人公とリンクする部分も多く、もう一つのストーリーラインの主人公だったと言えるのではないでしょうか? フィリアの中で信頼していた人達に裏切られ続けてその中で本当の想いを見つけるまでのシーンがこの作品における大きな山場であり、特に印象に残るシーンだと思っています。
2022-01-31 01:16:22![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
その絶望に向き合えと言わんばかりの劇中劇は主人公にも繋がっていきます。 そしてこの作品、よくよく見ていくと終始主人公にとって都合の良い物語になっています。
2022-01-31 01:16:43![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
演劇に参加するにはうってつけの劇団や彼にとって理想の妹になれる少女に共通の大切な人を失ってその罪から目を逸らして傷を舐め合える旧友、
2022-01-31 01:17:01![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
同じように憎くも大切だったものを失いそれを否定して夢の中に生きることができる少女、妹と同じ才能を持ちながら都合よくそばに居続けた架橋琥珀もその一員でしょう。 彼女のルートは彼女自身も理解しているように代替品として愛される物語でした。 pic.twitter.com/IXg4grv773
2022-01-31 01:17:35![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
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そんな中で唯一都合の良い悪いの外側で彼を支えた少女がいました。 それが倉科双葉です。彼女こそこの作品のMVPに相応しい人物だと思います。 自分にとって最も都合のいい物語を切り捨て、たとえ結ばれることがなくとも愛すべき人のために必死になり、そして常に友人の支えであり続けた。 pic.twitter.com/rFOj0ExDqP
2022-01-31 01:18:07![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
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ルクル先生の商業デビュー作である運命予報をお知らせしますには早蕨林檎という少女が登場します。 彼女は作中で主人公の友人として現れ、そしてその役割を最後までやり通す少女です。
2022-01-31 01:18:17![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
扱いは間違いなくヒロイン達と同じ、どころかそれ以上なのに自らがスポットライトを浴びるルートは存在せず只主人公が幸せになれるために舞台を舞います。
2022-01-31 01:18:29![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
そんな彼女の役割を引き継いだような存在が双葉で彼女の舞台において最大の誤算であったと言えるでしょう。 何せ彼女にはできなかった無償の愛とやらをやり通すことができたのですから。
2022-01-31 01:18:33![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
それではいよいよ主演の彼女のことに触れましょう。 この物語は終始折原氷狐という伝説の女優の物語……ではなく瀬和未来という少女の最愛の兄へ向けた物語だったのだと思います。 先ほども言いましたがこの作品は主人公に都合の良い要素が数多くあります。 pic.twitter.com/N0fO5y2aM8
2022-01-31 01:19:26![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
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それは甘い地獄に突き落とすため……というには歪んでいながらも確かな情を感じるものがあります。 何よりもし本当に地獄に突き落とすためだけに物語を綴るのならば意を反した双葉をその時点で追放すべきなのに舞台に残しています。
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孤高の女優に成り果てて彼への憎しみに満ち溢れていたとしてもそれでも彼女の根底にある彼に幸せになってほしいと想いがそれを許さなかったのではないでしょうか? そして都合の良い結末で幸せに見えないかもしれないけれど、何も知らない当事者達は確かに幸せです。
2022-01-31 01:19:54