朱雀門出 twitter 怪談７ (2022.03.03-2022.09.08)

朱雀門出 @isuzakumon

Fさんが言った。 「弟も父もトイレで亡くなっていたんです。なぜか『恐怖新聞』の第四巻を手にして」

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行方不明になったHさんがこちらに歩いてくる。 友人と、あれはHさんじゃないかと驚いていると、近くまで来て急にバラバラッと身体が崩れて、大量の巻貝が足下にザラザラッと広がった。 ……という話。

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道端に落ちていたレジ袋が急に立ちあがった。 逆さまになった袋から、細くて短い足が二本でている。 黄色いバレエシューズを履いており、小人の足のように見えた。 二本の足が出たレジ袋は驚くGさんをよそにトタトタと早足で向こうへと進んで見えなくなった。

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何年も放置されてタイヤも無くなっている軽トラが夜中にゆっくり走っていることがある、という話をその辺の住民の多くが知っている。

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人間じゃない何かを面接した話 #タイトルのみ

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木を指さして首吊りしている女の人がいると、子供が言う。しかし、その子にしか見えていない。 確かにその木で以前、人が縊死している。けれど、それは男性だ。 そう言っても子供は女性だと言い張って聞かない。 それから数日後、その木で女性が首を吊った。 ……という話。

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浜に打ち上げられた腐乱死体に近づくと目を開けた。 「秀治の息子。見つけたぞ」と祖父の名を言う。 「いや、孫」と戸惑いつつも返すと、死体は目を瞠り「まご！」と（千鳥ノブ風に）叫ぶなり、糸の切れた操り人形のように動かなくなった。 ……という話。

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「ああ、あの人、恨み汁を飲んでしまってるね」というひそひそ話を耳にする。 けれど、その声の主が見当たらない。 ……という話。

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渓流でカレイを釣ったと子供が持ってきた。 妙に生臭いけれど、試しに塩をふって焼く。 プラスチックを焼いたような匂いがして、食べると激苦。 日本には淡水産カレイは生息していないと知り、あれは何だったのか……という話。

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人混みの中、幽霊がまぎれていてもわからなかったけど、最近はマスクをしてない人がそれだとわかるし、いいね。 と、〝見える〟知人のYさんが嬉しそうに言う。

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マップアプリを開くと、覚えのないピンが突き立っていた。 駐車場のようだ。 「ね」とだけコメントが付いている。 そこを目指して行くと、平たく圧し潰されてぺたんこになったネズミの死骸が落ちていた。

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Fさんは目覚めたときに体中に鳥肌が立っていたことが二回あるという。 どちらも、そのあと家を出ると、血の付いた包丁を持った、血塗れの男に出くわしてしまった。別の男だが、犯行後に放心状態で歩いていたのだ。

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Dさんの話。 クローゼットを開けると、吊した服が全て縊死体に見えた。 それから外出先で縊死体を何度も見かけるようになった。 なぜかクローゼットで見た死体を一つずつ見ているように思えるという。

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ある山道で車と並走する謎の男が目撃されている。 スーツ姿の細身の男で、キョンシーのように両腕を前に突き出した状態で車と同じ速さで空中を滑るように飛んでいるという。 なぜかあるカーブまでくると消える。

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前の月に縊死体が見つかったという廃屋にOさんは忍び込んだ。 ある座敷に泥だらけの地蔵があってギョッとして廊下に出ると、さっきは無かった泥だらけの地蔵が道を塞いでいる。 ゾッとして逃げ帰った。 帰宅してドアを開けようとするも、鍵が鍵穴に入らない。土がいっぱい詰められていたのだという。

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ある廃ビルの五階の窓から、何者かが顔を覗かせることがある。 急に、その頭だけが突然落ちていく。 が、途中で止まり、バンジーのように見えないワイヤーで繋がっているのか、頭がビヨンビヨンと上下に跳ねる。 ……という妙なものの話。

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夜中に老婆が高い窓から覗く倉が取り壊された。 更地になったが、夜中に老婆が覗いていた位置にあの顔だけが浮いているのが目撃される。 その後、マンションが建つがその壁に顔が浮かぶ。夜中にあの位置にあの老婆。

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寺の解体の依頼が入り、現場が家の近くだったので直接向かった。 皆よりも先に着いた。 門から中を見ると首のない血だらけの人が群れていた。 皆が到着すると消えた。 解体は無事終わり、これといって障りはなかった。 ……という話

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目が無い人ばかりが住む団地の話。 #タイトルのみ

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伐ってはいけないという木が切り株になっていた。 樹木の怪談ではなかったのだ、というちょっと残念な気持ち。 ひょんなことから、その木を伐ったという人に会えた。右腕が肘の先から無く、左手も薬指と小指が無くなっていた。 「木の祟りです」と訊きもしないのに話してくれた。