【もちこロックは砕けない】その2

【71】~【164】 → その1 http://togetter.com/li/182809 → その3 まだ。
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だいけ ”夢送人”という字名を名乗るも、 @daike000

【71】「多分この辺りのハズなんだけど…」「さとーさん!さとーさんの臭いがする!どこ!?どこなの!?ヒギィ!」「うるさいちょっと黙ってなさい、魔力の残滓みたいなものがあるのよ集中しないと見失っちゃうくらいに薄いけれど」黒の魔法少女なおりと、タヌキだ。

2011-09-05 17:46:58
だいけ ”夢送人”という字名を名乗るも、 @daike000

【72】「ヒギっ、溺れ、溺れるぅぅぅ!」海の上でバシャバシャと暴れるタヌキに、「何やってんの、足が着くわよ、ココ」「…アレ?ここ、池?今までラッコさん捜して海のド真ん中に居たハズじゃ…あるぇー?」なおりは杖を構えて臨戦体勢。「やられた。引きずり込まれた!」

2011-09-05 17:51:53
だいけ ”夢送人”という字名を名乗るも、 @daike000

【73】どこまでも続く池の透き通った水、360度の水平線。「分かりやすく説明するとね、ここは、魔法の結界の中。魔法少女同士の戦いを公衆の面前でする訳にはいかないでしょう?」それに、「ここが、私達を敵視する誰かさんの得意なフィールドって訳」

2011-09-05 17:59:49
だいけ ”夢送人”という字名を名乗るも、 @daike000

【74】タヌキは、なおりの説明を黙って聞いていたが、おもむろに足元の透き通った水に口をつけて、「うわ、甘ぁ!海の水じゃなくなってる!」それから焦ったように周りを見渡して、「さとーさんの臭いが、しない…!」なおりはなおりで、「この結界の主が来る…!」

2011-09-05 18:03:47
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【75】太陽がないハズの空に、陰が射した。1人と1匹が、水色の空を見上げた。息を呑んだ。大きな大きな白い石が、頭上に浮かんでいた。最初は親指の先くらい、やがて拳大、更に大きく、大きく――!「…落ちてくる!避けなさい!」なおりの叫び、タヌキの声にならない悲鳴。

2011-09-05 18:09:43
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【76】間一髪で、なおりは回避に成功した。巨大な白い石が池に墜ちる、盛大な水しぶきが上がる。それを全身に引っ被って、なおりは一言、「ベトベトする、うぅ…気持ち悪い」吐いた。タヌキの姿は、なおりの視界の範囲のどこにも居ない。

2011-09-05 18:15:58
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【77】「まず、ゲージくんに現況を連絡、それから…」なおりは、やらなければならない事を言葉にして気持ちを落ち着かせようとする。現況をゲージに知らせたところで彼に何か出来ることがあるのか、だとかそういう誰の目にも明らかな疑問点は後回しにして、だから、

2011-09-05 18:22:26
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【78】余りにも巨大な白い石の上に、一人の少女が立っていて、なおりをジッと見詰めていることに気付きもしない。その少女は黄色の衣装を身に纏っていて、その手には、2本のバナナ。その内の1本の皮を剥いて、一口、二口、三口で、モグモグと咀嚼する。飲み込む。

2011-09-05 18:29:38
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【79】例えば、決定的な勘違いが起こるとしたら、この瞬間かもしれない。黄色の少女が白い石から飛び降りる。水しぶきが上がらない。なおりの目の前に立つ。なおりが、やっと気付く。もう1本のバナナを差し出して、「食べぅ?」

2011-09-05 18:34:38
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【80】「ちょーと待ったぁぁぁぁ!ストップ、僕本体だよ食べちゃダメ、食べさせるのもダメ、ヨミさんお願いしますぅぅぅ!」差し出されたバナナが叫んだが、なおりの耳には雑音として処理された。なおりはこの瞬間、目の前の黄色の少女を結界の主と断定し、――『敵』と判断した。

2011-09-05 18:40:00
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【81】差し出されたバナナを思い切り払いのけた。「あ゛ー!?」バナナは勢い良く飛んでいった。黒い衣装の魔法少女が、今度は吠えた。「#〇☆%――!」バーサーカーも真っ黒ではなくて真っ青の、意味を成さない叫び。黒い杖を漆黒の鎌に変型させ、なおりは臨戦体勢に入る。

2011-09-05 18:46:45
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【82】振り下ろされる鎌。ヨミは、掌に新しいバナナを出現させて、なおりの一閃を受け止める。「あー…」ザクリ、と。黒の刃はバナナを断ち割って、ヨミの身体に突き刺さった。「ちょっとそれ痛いって!それ絶対痛いってば!」バナナの悲鳴が少し離れた場所から上がる。

2011-09-05 18:53:47
だいけ ”夢送人”という字名を名乗るも、 @daike000

【83】断ち割られたバナナは、砂になって消滅した。ヨミの身体に突き刺さった鎌は、なおりの動きに合わせてヨミの身体を引き裂いた。ヨミは、笑っている。掌に新しいバナナを出現させて、また、なおりに差し出した。「食べないの?おいしーよ?」

2011-09-05 18:58:02
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【84】なおりには、目の前で起こっていることが理解出来なかった。なおりはただ、目の前の少女を感情に任せて切り裂いている。抵抗らしい抵抗は、ない。強いて言うならば、「バナナ、食べぅ…?」その言葉が、――いつまでも、なおりの耳に残っている。

2011-09-05 19:07:40
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【85】バナナ(本体)は焦っていた。自身は、なおりに払いのけられて、ヨミの身体から離れている。せめてヨミに、闘う意志があれば――バナナは、歯噛みする。純粋で無邪気で、向けられて入り悪意を理解することもなく。――バナナは美味しいからお姉ちゃんもどうぞ、と。

2011-09-05 19:14:20
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【86】その時、バナナ(本体)は、ヨミとなおりより、ずっと白い巨大な石の近くに居た。だから聞こえたし、届いた。それは、白い巨大な石の下から、かすかに漏れる、だが明確な、一つの意志。「ヒ、ヒギィ…。私、は、あの、ふたり、を、止めた、い…」

2011-09-05 19:19:42
だいけ ”夢送人”という字名を名乗るも、 @daike000

【87】「だったら、タヌキさん、君が僕と契約して――」その純粋な意志にバナナ応えようとして、「――魔法少女、に…」その先を、言えなかった。バナナには、タヌキの意志に応えることが不可能だからだ。タヌキと契約することは、つまり、ヨミとの契約を解除することを意味する。

2011-09-05 19:27:41
だいけ ”夢送人”という字名を名乗るも、 @daike000

【88】契約を解除すれば、ヨミは――。そして、タヌキの意志を無視すれば、タヌキが――。どちらかを救うことは、もう片方を救わないことを意味する。見る見る内に、バナナにシュガースポットが増えていく。それは、歴戦のバナナの証。「荷が重い選択だ。でもなぁ…!」

2011-09-05 19:36:43
だいけ ”夢送人”という字名を名乗るも、 @daike000

【89】――そもそもの話をする。「結界だと言うのは簡単ですが、常識的に考えて、ありえませんよ?」その文丸さんの常識ってのがどこの世界の常識なのか分からないけどね、とエフィは前置きして、「ホントに、途方もないわねー。海が一つ、無くなっちゃうなんて」

2011-09-05 19:47:32
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【90】「とりあえず、飲み込まれた魔法少女は最低2人。なおりさんとヨミちゃんね」「知り合いなのかにゃー?」ハニクラに対してエフィは曖昧な表情を見せて、「知らない人。ジョニーの資料を読んだだけだから」顔を背けて、そっと呟く。「…そう思わないと、多分やってらんない」

2011-09-05 19:53:45
だいけ ”夢送人”という字名を名乗るも、 @daike000

【91】「で、俺様達はこれからどーすんだ?海ごと消えたってことは、多分あの白餅石の可能性のある白い石も、ラッコさんだって飲み込まれたってことだろうに」ワムナビが冷静に現況をまとめ、エクステが一つの案を提示する。「…乗り込む?」

2011-09-05 19:58:51
だいけ ”夢送人”という字名を名乗るも、 @daike000

【92】「そりゃいい案だな。俺様の力をそろそろ見せてやりたかったんだ」ワムナビが豪快に笑うが、しかしエフィが首を横に振った。「待とうと思う。理由は、二つ。まず、この結界は強力過ぎる。フツーの魔法少女が張れるような類のモノじゃないわ。それから、」

2011-09-05 20:04:31
だいけ ”夢送人”という字名を名乗るも、 @daike000

【93】「結界の主が認めなければ、この中には入れないわ。つまり…」エフィの言葉を、誰かか継いだ。「この結界が消えるまで待つしかないにゃぁ!」エフィ達の通信に割り込んできたのは、水色の衣装を纏った、のんだった。「やぁやぁエフィ組の諸君。はじめまして、かにゃぁ?」

2011-09-05 20:10:58
だいけ ”夢送人”という字名を名乗るも、 @daike000

【94】皆が、その水色の衣装を見て、それから猫耳があるのを見て、最後に、語尾が『にゃぁ』だったよな、と確認をしてから、息を合わせてこう叫んだ。「のんさん、被ってるぅぅぅぅぅーー!」

2011-09-05 20:16:32
だいけ ”夢送人”という字名を名乗るも、 @daike000

【95】「にゃ!?何がにゃぁ!?」予想外の反応に、のんが慌てている。ハニクラが酷く冷たい声と眼差しで、のんを射抜く。「私とキャラかぶってるって言ってんだよ!わかったかこの※※※(検閲)猫っ!!」

2011-09-05 20:24:11
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