『惡の華』読書会メモ 中学生編

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めんたね(あぶない) @dmentane

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惡の華読書会では中学生時代までしか話が進まなかったので、来週の日曜日に高校生、大学生時代の話をやることになった。さきほどまでその後半部分を読み直していたのだけど、本当にセリフが減ってぐっと味が出てくる。いい作品だ。

2022-04-09 02:41:38
めんたね(あぶない) @dmentane

惡の華は後半に行くにつれて、セリフがなくて表情や前後の状況から登場人物の心理を推測しないと筋がよくわからず、推測しても何通りかの可能性が考えられるようになってきくのだが、久保校長は既に3巻に入ったあたりから重要ポイントについては全て意味がわかっていなかったことが判明した。

2022-04-09 02:44:03
めんたね(あぶない) @dmentane

そして、なんとか自分の身体を差し出して春日君の注意を引こうと必死で痛々しい佐伯さんのセックスシーンで校長は「うわ!ブラジャーも取ってる!興奮する!うわー!」と一人で興奮して盛り上がっていた。さすがだ。

2022-04-09 02:46:35
めんたね(あぶない) @dmentane

こうして読み返してみると、やはりぼくは中村さんには幸せになってもらいたいと強く思う。春日君はもう幸せになるんだろうし勝手にしてくれ。佐伯さんは不幸な事故にあってしまったと諦めて適当にボチボチ生きてほしい。

2022-04-09 02:53:17
めんたね(あぶない) @dmentane

中村さんはボキャ貧なので喜びの感情表現が色々とおかしいのだが、それでも中村さんが嬉しそうに喜んでいるシーンではぼくもうれしくなってしまう。結局、彼女についてはわからないことだらけであるが、春日君の視点から見える中村さんというのはまさにそういう存在であり、そこに魅力もある。

2022-04-09 02:56:14
めんたね(あぶない) @dmentane

中学校時代の中村さんというのはまだ精神的に幼くて、異性を好きになって、付き合って、セックスしてという一般的な流れがピンとこない。

2022-04-09 02:59:27
めんたね(あぶない) @dmentane

でも、彼女も仲間、強いつながりが欲しかった。その結果、おかしな契約関係を春日君と結びたがったり、春日君に対して自分の前で徹底的に人に隠すようなことをさらけ出すように要求する。自分の期待に春日君が応えてくれればくれるほど、中村さんは春日君からの(特殊な)愛を感じられたのだと思う。

2022-04-09 03:00:16
めんたね(あぶない) @dmentane

中村さんは春日君と自分との間に特別な関係があることを強く望んでいるが、それをきちんと言語化して自覚することができない。それが中二病的に痛い表れ方をしたとき、中村さんの謎言動へとつながる。SMにおけるM男調教プレイのようになる。

2022-04-09 03:02:13
めんたね(あぶない) @dmentane

中村さんの魅力の一つはその天然の最高のS女としての振る舞いである。あんな風に意味不明なことを言い、無理難題を課し、振り回してくれて、時に無邪気に喜んでくれたら、多くのM男達は虜になるはずだ。優秀過ぎる。だが、職業女王様ではないので、そのきらめきは一過性の一瞬のものである。

2022-04-09 03:05:07
めんたね(あぶない) @dmentane

結局、中村さんとは何だったのか?何を望んでいたのか?彼女は幸せなのか?今後、どうなっていくのか?春日君にも読者にも誰にもわからない。

2022-04-09 03:08:09
めんたね(あぶない) @dmentane

勝手にこちらで中村さんの内面を推測して、少しわかったような気になって自分を満足させるだけである。でも、その推測を中村さんに伝えたとしても「なにもわからないクソムシが!うんち人間!」と罵られる気しかしない。恐ろしくて口に出すこともできない。

2022-04-09 03:09:24
めんたね(あぶない) @dmentane

佐伯さんと中村さんの間で春日君を奪い合う三角関係が発生する。中村さんはまだ恋愛をできるほどには成長しておらず、春日君に対する恋愛感情があるとは認識できない。それでも春日君の気持ちが佐伯さんに行くことには耐えられない。佐伯さんによる春日君へのアプローチにいらだちをつのらせる。

2022-04-09 03:15:26
めんたね(あぶない) @dmentane

一方、佐伯さんは世間一般のいわゆる「男女交際」「おつきあい」という形にきれいに沿って春日君との関係を大事にしようとしていく。だが、佐伯さんも実のところ、男を愛するということがまだわかっていない。

2022-04-09 03:18:16
めんたね(あぶない) @dmentane

結局、ちょうどいいタイミングで春日君の告白があり、そこになんとなく「自分は良い方向に変われるのではないか?」という期待を投影して春日君と付き合い始めただけである。

2022-04-09 03:20:03
めんたね(あぶない) @dmentane

そんな佐伯さんの前にすぐに表れてくる中村さんの影。春日君との交際相手である自分よりも圧倒的に深く強い影響力を春日君に対して中村さんは持っていた。これは許せない。なんとか春日君を自分に振り向かせねばならない。佐伯さんは春日君の気持ちを奪い合うバトルに巻き込まれる。

2022-04-09 03:21:39
めんたね(あぶない) @dmentane

佐伯さんは春日君を好きであったというよりは、中村さんと出会ってしまうことで、中村さんに負けまいと張り合う競争をすることになった。中村さんがいなければ、春日君とつきあうこともなければ、好きだと勘違いすることもなかった。全ては中村さんの仕業だ。

2022-04-09 03:23:32
めんたね(あぶない) @dmentane

春日君はいつでも自分の世界観、セルフイメージを保つために周りの人間を利用する。佐伯さんのことは「ぼくのミューズだ」と神聖視する。異性を神聖視するやつに碌な奴はいない。他人を見ておらず、いつも自分の頭の中の世界に閉じこもっている。

2022-04-09 03:29:22
めんたね(あぶない) @dmentane

こんな風にまともに恋愛できる人間が誰もいない状況で未熟、未発達な三角関係でドロドロするのが惡の華の中学校時代の醍醐味である。そのありようがエンターテイメントとしてもスリリングで刺激があり、でも、ご都合主義でキャラが動くのではなくて妙なリアリティがある。そこが最高にいい。

2022-04-09 03:32:56
めんたね(あぶない) @dmentane

大きく分けると二回、三角関係のクライマックスがある。一回目が自転車での山越えでのシーン、二回目が盗んだパンツを大量につるした秘密基地で佐伯さんが春日君にセックスを迫ってするシーン。

2022-04-09 03:35:24
めんたね(あぶない) @dmentane

一回目で春日君は中村さん、佐伯さんの二人の前で「ぼくには選べない!」と泣き叫ぶことで見事に両者の期待を打ち砕く。最高だ。中村さんも激おこである。

2022-04-09 03:37:43
めんたね(あぶない) @dmentane

春日君というのはとことん受動的なのである。自ら能動的に一人の女を選べと迫られて、選べるような男ではない。実際、ぼくは受動的な男が女二人から「どちらを選ぶかはっきりしろ」と迫られて「ぼくには選べないんだ」と真顔で答えるシーンに遭遇したことがあるw

2022-04-09 03:39:25
めんたね(あぶない) @dmentane

そんなことを本当に言える奴がいるのか!と衝撃を受けたのだが、受動性が強い人間って結構普通にこうなる。春日君がそう答えるのは非常に説得力があった。

2022-04-09 03:40:24
めんたね(あぶない) @dmentane

そのあと、春日君は遅れて結論を出す。自分に必要なのはやっぱり中村さんだ。中村さんに振り向いてほしい。そういうわけで、あの春日君がぎらついて自ら中村さんに新たな契約を持ちかける。ついに能動的に行動を起こすのだ。中村さんもいつも通り口は悪いがまんざらではなさそう。

2022-04-09 03:43:22
めんたね(あぶない) @dmentane

最終的にはどうにもならない世界から二人で消えようと春日、中村の心中路線になる。春日君よ、能動性を発揮するのはいいんだが、そっちの方向なのか?とずっこけてしまう感じも妙なリアリティがある。日頃、能動的に行動してその結果に責任を負うことに慣れていない人間はとんでもないことをしでかす。

2022-04-09 03:45:28