【中秋の】月のついのべまとめ 2011/09/12【名月】

“さ(*´く｀)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 月は綺麗だし確かに君を愛しているのに、僕は煙草の煙を燻らせて自らその光を遮る真似をする。隣にいる君は俯いたまま上を向こうとしない。滲む涙はきっと煙のせいだ。繋ぐ手から君のか弱い力を感じて僕は強く強く握り返す。月を見上げよう。「離さないから」落ちる涙に眩しい光。

工房径（koubou-kei） @pleaseinuplease

#twnovel 「月は元々ふたつだったんだ」と彼は言った。「地球に衝突した星の欠片がふたつの月に、それが又ぶつかってひとつになった。だから月は裏と表でまるで違う」彼は硝子の杯を置く。「こんな風にね」私たちは重なり合いそのままひとつに。カーテン開いたままですよ、と月が笑った。

いつ @en_eo

#twnovel 月が明るかった。木陰の下でも明るいのが分かる。家に入って屋根の下でもまだ明るい。どこまで明るいかなと思って、穴を掘って埋まってみた。土の下でもまだ明るかった。どんどん掘ったら貫通した。顔を出した先は、１２時間後の夜だった。明るい。

にゃんもにゃいと@京都 @go_yang_i

満月の下、儀式を始める。BGMはバルトークのピアノ協奏曲。窓辺の薔薇はシュワルツ・マドンナ。芳香が部屋を満たした時、古い体を脱ぎ捨てて、銀色の猫になる。疲れを知らぬ体で貴方の元にまっすぐに駆けつけて、愛と憎しみをこめて喉笛を食い破る。そして森の奥へと消えよう。 #twnovel

@carmine_tw

こんな狭い所にまで、月光は忍び込んで来る。見上げるといつかと変わらない満月がそこに。少しだけ、明日が見えた気がした【牢屋からの月】#twnovel http://t.co/yHGSCSl http://t.co/MdXqxSZ

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いつ @en_eo

#twnovel 今日は数年ぶりという明るい十五夜。地球から見ても非常に明るいが、月面の眩しさは大変なことになっており、あまりのことに逃げ出す兎が続出。その際、兎の真っ白な毛が舞って、一部が地球に届いた。季節はずれの雪である。

にゃんもにゃいと@京都 @go_yang_i

満月の下で見た貴女の後ろ姿、それは啓示だったのか？ あれから何年もかけて、ようやく、僕は貴女を見つけた。今の貴女は僕を知らない。何故なら、貴女と僕が初めて言葉を交わすのは、貴女にとっては何年も先の満月の夜なのだから。その時を僕は待ち続ける。 #twnovel

Wanda @th_fall

空の明るさに惹かれてか、隠れ切れないのか。異形のモノが、あちらこちらではみ出ている。今夜は外を見るべきではなかった。怯えて縮こまっていた私の杯に、大家が銚子を傾ける。こんな月夜に誰かを襲う無粋な輩はいないと、文字通りの木肌に戻ってる人に言われても。 #twnovel

久島岩伸 @Kuzma_Ivanov

「そう、今日は満月」まだ見ぬ恋人は電話の向こうでそう言った。私たちはこれまで一度も顔を合わせたことがない。この夜ごとの電話だけが私たちを見えない糸でつなぐ。六分の一の重力下で思い切り飛び跳ねても、あの青の球体を掴めはしない。戦争は続く。明日で彼女は還暦を迎える。 #twnovel

しーな@GO2完走 @xsheeenax

眩しい、と目を細める。漆黒の空に浮かぶ満月の光はあまりにも強く。耳に忍び込んでくる虫の声もいつしか意識に遠く。いつまでもこの月を君と見ていたかったと悔いても遅く。彼女から離れたのは自分。もう戻れはしない。かつて人だった狼がひとり、都会に背を向けて闇の中に消える。 #twnovel

ちゃーち @churchdevil

「月は綺麗ですか？」「ええ、綺麗ですよ」「どのくらい綺麗？」「そうですね」縁側に座る二つの影の片方が、片方の頬に手を触れる。閉じた目蓋に口付けをする。「このくらいです、お嬢様」「まあ大変」月が見れない少女は、目を閉じたまま従者へ笑みを向けた。二人だけの、十五夜。 #twnovel

@Hiyoko_T

＃twnovel 数年ぶりに中秋の名月と満月が重なった。「欲しいな」ありきたりな方法だけど朱盆に水を張って月をとらえてみる。「これで月は私のもの」けれどそういって微笑むことができたのは一瞬だけ。すぐに魅力を失い水面を指で弾いて月の幻を崩す。「やっぱり月は上を向いて見るのが一番ね」

白雪はくと @urban_rabbit

お月さまのバカ。どうしてそんなに私を見とれさせるの。地上に落ちた私は二度と帰れないのも、もう月兎でいられないのも知ってるくせに。どうして懐かしい友達の姿を教えてくれるの。どうして、――どうして、ちっぽけな私のことも照らしてくれるの。……お月さまのバカ、――大好き。#twnovel

ナコ@文学フリマ東京Q-01 @nakotic

始まりは丸くて輝くものに対する純粋な憧れだった。あんな風に輝きたい。満ち足りていたい。そんな思いが彼らにリズムを刻ませた。リズムを刻むのが偶然、彼らの体の中で一番「それ」に似た部位だった。彼らは今夜も夜空を見上げ、光の中で踊る。「ぽんぽこ！」 #twnovel

にゃんもにゃいと@京都 @go_yang_i

「満月の夜にあたしの運命の人が来るの」。君がそう言うのを何回聞いただろう。君の名はルナ。正式にはルナ・アウレア・ミニマ。聞き飽きた僕が眠ろうとした時、万年筆店のショーケースが開いた。「ルナと、隣のソワレも見せてください」。僕の名は、ドルチェビータ・ソワレ。 #twnovel

@hkr930

美しい満月の夜だというのに、見向きもしない。そりゃあ風情のある人だとは思ってないけど、こういう日くらい、一緒に感傷に浸ったり、願わくば、愛を囁いたりしてほしいものなのに。「今夜くらい、狼に変身してよね」結局、月に愚痴るほかなかった。 #twnovel

しーな@GO2完走 @xsheeenax

黒猫は甘えん坊なんだと何処かで読んだ。なるほど、僕の知っている黒猫も普段はつんとすましているくせに僕にはやけに甘えてくる。すっかり夜に混じってしまったような黒猫の目がミニチュアの満月みたいにふたつ、きらきらと光っている。おいで、と呼ぶと素直にすり寄る頭を撫でる。 #twnovel

simmmonnnn @simmmonnnn

#twnovel 「月が綺麗だからと、不用意に携帯電話に収めるのは注意したほうがいい。画像に収まった月光は機械の誤作動を誘発するから。時々あなたの打った文面に意図せず心情が吐露してしまうのはそのせい。液晶を眺めて思いに耽ってしまう人も、一度改めて画像フォルダを確認したほうがいい」

23時の夢物語 @23novel

#twnovel 中秋の名月。うさぎのついた餅を食べながら、しみじみ語り合っている。やっぱ、月より団子だよねって。

ぼろいねこ讃 @nekoboro

月あかりが作った影格子が動いたのかと思えば猫が来ていたのだった。夜中なのに顔がはっきり見て取れるほど明るい。ねこやねこや待っていなさいと言ってメザシを一匹持ってきてやると、くわえて去っていった。夜風が勿体なくて、ねこやねこやと月を見ながらしばらく歌っていた。 #twnovel

Cal Que El Lulu-rain @senzaluna

黒白にゃんこは屋根の上。ぷかぷかまん丸月の下。ねえねえお願い満月さん。月を見上げてにゃんこは祈る。照らしておくれ満月さん。大好きなあの人に、僕はここだと知らせる為に。教えておくれ満月さん。僕が住んでた家までの道を。眩しいくらいの月明かり、きっと帰れる、僕の家。 #twnovel

夕凪奏恵 @k_you_nagi

#twnovel つきのうさぎは今日も団子作りに大忙し。地球から月がとっても綺麗に見える季節は、月から地球がとっても綺麗に見える季節。作っても作ってもうちうじんが次々と買っていく。まぁるい青い宝石みたいな惑星もつきのうさぎは見てる暇なんかない。ぺったんぺったん、くるくる、大忙し。

夢名 七志 @mumei7c

ぐうと音が聞こえるほどだった。見守る人々の嘆息が月夜を振るわせたのかもしれない。成長した移住列強星。衰退した地球経済は楽観視していた。故郷を思う心があるだろうと。債務を帳消しにする条件で衛星を取り上げられた。見上げる空に想いがあればいいと。最後の名月を雲が隠す。 #twnovel

23時の夢物語 @23novel

#twnovel #twpoem 夜の湖に、舟を浮かべる。黒で装い、灯りは消して。揺れる水面に、虫の声。闇の世界で、月と、君の肌だけが白い。

Cal Que El Lulu-rain @senzaluna

月の下でカエルが鳴くよ。ゲッコーゲッコー #twnovel