2022.4.20 原発事故避難者訴訟さいたま地裁判決は、資料を基に論理的に考えると成立させる事は難しい #東京電力福島第一原発事故

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添田孝史 @sayawudon

津波は予見できたけれど、当時考えられた対策では事故が防げなかったから国の責任はない、という判決のようだ。minpo.jp/news/detail/20… @FKSminpoより

2022-04-20 14:34:03
リンク 福島民報 <速報>原発避難者訴訟 東電に賠償命令、国への請求は棄却 さいたま地裁判決 東京電力福島第一原発事故に伴い、福島県から埼玉県などに避難した住民ら29世帯96人が国と東電に精神的慰謝料など計約11億円の損害賠償を求めた訴訟で、さいたま地裁(岡部純子裁判長)は20日、東電に賠償… 4
添田孝史 @sayawudon

防潮堤だけでなく、重要機器室の水密化がされていれば津波の影響は相当軽減され、全電源喪失の事態にまでは至らなかった蓋然性が高いと認められる(東京高裁2021年2月、判決文p.159)。一方、今回、さいたま地裁判決は「防潮堤等により津波の浸入を回避できるとき、重ねて水密化措置を行うべきであると

2022-04-20 14:42:43
添田孝史 @sayawudon

はいえない。防潮堤等が設置されるまでの防護措置として水密化措置を行うことについても、設置期間中は水密化措置のみで原子炉施設を防護することになり、敷地内への津波の浸入による派生事故や、非常用海水系ポンプ等の防護の点で、安全確保に懸念があり、適切な防護措置であるとはいえない(要旨

2022-04-20 14:45:40
添田孝史 @sayawudon

p.2)。東京高裁は、水密化などをしておけば、100点満点の対策ではないかもしれないけれど全電源喪失までには至らなかったと考えた。一方、さいたま地裁は、長期評価と311の津波は規模が違うから、防潮堤があったとしても防護できない。水密化では100点満点の対策ではないから懸念があると。

2022-04-20 14:53:17
添田孝史 @sayawudon

80点ぐらいの効果は見込めたから、それをやらなかった国の責任を認めた東京高裁。どうせ100点の対策はとれなかったんだから、国に責任はないとしたさいたま地裁。

2022-04-20 14:57:00
添田孝史 @sayawudon

さいたま判決の考え方の弱点は、「国は2006年末には東電に防護措置の設置に着手させることができた」としているが、そうすると3年以内ぐらいにバックフィット完了が求められる。2010年ごろには完成していないといけない。ところが2009年には、保安院の審議会メンバー(岡村さん)から、貞観津波への

2022-04-20 15:01:50
添田孝史 @sayawudon

対策も求められていたから、これをねぐることは難しい。長期評価より確実な予測だったからだ。貞観対策も含めれば、防潮堤は南側だけ、というような櫛の歯対策では認められなかっただろう。そもそも、従来想定(5.7m)の3倍になるような津波対策を、国が東電に命じたタイミングで、運転継続が認められ

2022-04-20 15:05:18
添田孝史 @sayawudon

かどうかも大いに疑問がある。さいたま地裁ストーリーに従えば、2006年末に国が東電に防潮堤建設を命じて、防潮堤が完成していたとしても、それでは事故は防げなかったというものだが、2006年末時点で「津波想定が従来の5.7mから3倍以上の15.7mになりました」と明らかにされた時、運転しながらの防潮堤

2022-04-20 15:08:15
添田孝史 @sayawudon

工事を、地元が認めたとはとても思えない。「工事が完成するまでに津波が来たらどうするんだ」という当然の疑問に答えられないからだ(株主代表訴訟の裁判長も同様に考えているようだ)。もし、運転継続が認められたとしても、敷地に数m津波が俎上しても安全確保されるような水密化は先行して必ず求め

2022-04-20 15:10:47
添田孝史 @sayawudon

られただろう。それができていれば、東京高裁のいうように全電源喪失が防げた蓋然性は高い。といわけで、さいたま判決は、脆弱性がはっきりしているのに、姑息的な水密化などもせずに防潮堤一本にかけて、工事が完成するまでの数年間も運転を続けるという架空のストーリーに依存している。

2022-04-20 15:13:39
添田孝史 @sayawudon

もう一回整理しておくと(原稿メモ代り) 1. さいたま地裁は、津波の予見可能性は認めた。長期評価(2002)の信頼性を認めている。 2. 2006年末には、技術基準適合するよう、東電に対策を命じることができたとしている。 3. 対長期評価の防潮堤では、311の津波は防げなかった。規模や向きが違うから

2022-04-20 15:39:25
添田孝史 @sayawudon

さいたま地裁は、2006年末に防潮堤建設に着手、数年で完成、その後津波襲来、事故は防げなかった、と考える。しかし、そのストーリーはとても考えにくい。なぜなら、まず2006年末段階で、15.7m想定が明らかになった時、地元が運転継続を認めることは考えにくいからだ。3年間ぐらいの猶予期間を認め、そ

2022-04-20 15:43:41
添田孝史 @sayawudon

の間は地元に内緒で、というのは耐震対策では一般的(ww)だったが、防潮堤は目立つので、そうはいかない。高い壁ができれば、「あれは何だ」ということになる。というわけで、運転が止まる。最短2010年ぐらいまでに防潮堤建設をするつもりの東電。ところが2009年に保安院審議会の委員である岡村さん

2022-04-20 15:49:45
添田孝史 @sayawudon

(産総研)から、貞観津波対策が必要と言われる。敷地東側からのインパクトは、貞観の方が長期評価より大きい。貞観は過去に起きた証拠がはっきりしているので、長期評価より確実。東北電力のクロスチェックでも取り入れられていた。回避は困難。というわけで防潮堤のさらなる嵩上げが必要となり(浜

2022-04-20 15:53:14
添田孝史 @sayawudon

岡みたいに)運転停止期間が延びる。その最中に311。全電源を失うものの、停止して数年たっているので、なんとか炉心溶融は防げる。 別の筋立て。2006年末に防潮堤建設着手。完成までの暫定的な対策を先行させることで、運転しながらの防潮堤工事を地元に認めさせる。暫定的な対策は、電源対策が最優先

2022-04-20 15:57:56
添田孝史 @sayawudon

になる(溢水勉強会の成果から)。長期評価の浸水予測(敷地上に数m)に耐えられるように、電源設備の水密化、新たな電源の高所設置(電源車も可)を完了させた2008年ごろ、運転再開。防潮堤は、建設途中で貞観対応も要求され、311時点では未完成。水密化と電源車で、大規模な放射性物質放出は回避。

2022-04-20 16:03:15
添田孝史 @sayawudon

というような脳内妄想と比べると、さいたま地裁の描くシナリオ(2006年末に対策着手→長期評価の防潮堤完成→311では役に立たない)の方がおきにくいと思う。

2022-04-20 16:04:51
添田孝史 @sayawudon

なので、予見可能性を認める一方で、結果回避は難しいという、さいたま地裁の考え方は、なかなか成り立ちそうにない。

2022-04-20 16:06:08

原発事故3年前の東京電力社内資料からわかる事。土木学会を隠れ蓑に4年の時間稼ぎ中に…(2022.4.12作成) #東京電力福島第一原発事故 #津波予測 #推本津波https://togetter.com/li/1871766

内田 @uchida_kawasaki

<速報>原発避難者訴訟 東電に賠償命令、国への請求は棄却 さいたま地裁判決 福島民報 minpo.jp/news/detail/20… @FKSminpoから さいたま地裁(岡部純子裁判長)

2022-04-20 18:02:02