作家さんによる『お話を退屈にしないためのコツ』単調になりがちな解説シーンでも飽きさせない工夫がわかりやすい「創作者さんぜひ読んでみて」

解説が上手で腑に落ちた!という反応も多かったです。小説やマンガ以外にも応用できそうですね。
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Rootport🍽 @rootport

「お話を退屈にしないためには、コップ一杯の水でもいいから登場人物に〝何か〟を欲しがらせろ」という格言はガチ。映画やマンガや小説で「退屈だな」と感じるのは、登場人物たちが何を欲しがっているのかよく分からないシーンを見せられているとき。淡々とした解説シーンにありがち。

2022-04-29 23:11:49
Rootport🔥 @rootport

作家・マンガ原作者。/好きな言葉は「群盲撫象」/TIME誌「世界で最も影響力のあるAI業界の100人」選出/Blog→rootport.hateblo.jp /マシュマロ→marshmallow-qa.com/rootport

youtube.com/channel/UCp6RK…

Rootport🍽 @rootport

ドラマとは〝葛藤〟である。そして葛藤とは、登場人物それぞれの〝求めるもの〟が違うからこそ生じる。この登場人物は、人間に限らない。『ジュラシック・パーク』の恐竜や『ツイスター』の竜巻は人間を食べたいと望み、人間たちは生き延びたいと望む。そこに葛藤が生まれる。

2022-04-29 23:13:29
奈樫マユミ🇩🇪『この裏アカ、先生でしょ?』連載中 @nagashi_mayumi

キャラの欲望と葛藤について、 今までこんな丁寧に言語化して考えてなかった部分なのでとても勉強になった…! ツリーになってるのでフォロワーの創作者さんぜひ読んでみてほしい~😊 twitter.com/rootport/statu…

2022-04-30 05:57:16
Rootport🍽 @rootport

たとえばあなたが刑事ドラマを書いていたとする。「死体の状況」の解説シーンを書かなければならないとする。しかし、ただ情報を羅列しただけでは高確率で退屈なシーンになってしまう。では、どうすればいいか?

2022-04-29 23:14:58
Rootport🍽 @rootport

たとえば、シーンの開始時点で主人公の刑事のケータイを震えさせればいい。娘の通う高校からの電話だ。当然、主人公は電話に出ようとするだろう。主人公が「通話」ボタンを押そうとした瞬間、同僚が話しかけてくるわけだ。「こないだのホトケなんだが、ちょっと気になる事実が判明したんだ…」

2022-04-29 23:17:26
Rootport🍽 @rootport

主人公は電話に出たいと望み、同僚はホトケの状況を伝えたいと望む。ここに葛藤が生まれ、ドラマが生まれる。「主人公は電話を取れるのか?」という興味に引きずられて、死体の状況の解説を退屈せずに見ることができる。 こういうテクニックを「無理やり葛藤」と呼ぶ。

2022-04-29 23:20:43
Rootport🍽 @rootport

〝無理やり葛藤〟の実例で「これは上手い!」と唸ったのは、『ジョン・ウィック』のヴィゴがヨセフを説教するシーンだ。脚本的には、このシーンは主人公ジョンの過去を明かす〝解説シーン〟になっている。普通に情報を羅列しただけでは退屈になるはずだが、『ジョン・ウィック』の脚本は巧みだ。

2022-04-29 23:23:26
Rootport🍽 @rootport

ドラ息子のヨセフは、自分の行為に自信を持っている。できれば父親から褒められたいと望んでいる。一方、ヴィゴはドラ息子に、自分のしでかしたことの深刻さに気づいて欲しいと望んでいる。これだけでも登場人物たちの欲求にズレがあり、葛藤がある。『ジョン・ウィック』の脚本が上手いのはここからだ

2022-04-29 23:26:12
Rootport🍽 @rootport

脚本家デレク・コルスタットは、このシーンにロシアンマフィアの幹部アヴィを同席させている。マフィアのボスの親子喧嘩など、手下からしたら絶対に見たくないものだろう。親と子のどちら側につくのか問われるし、同席して良いことなど一つもない。アヴィは一貫して部屋を出たがる。

2022-04-29 23:29:33
Rootport🍽 @rootport

ポイントは、プロット的にはこのシーンにアヴィが同席している必要がないということだ。親子喧嘩という葛藤の上に、さらに「部屋を出たがるアヴィVSそれを許さないヴィゴ」という葛藤を重ねている。その結果、単純な解説シーンが、目を離せない緊張感たっぷりのシーンになっている。

2022-04-29 23:31:13
Rootport🍽 @rootport

ついでに言えば、アヴィはこのシーンにおける〝モラルセンター〟になっている(と俺は思う)。観客に近い倫理観を持ち、観客が物語に感情移入するための受け皿になる役割だ。このシーンのアヴィは〝観客と一緒になって〟、ヴィゴとヨセフの親子喧嘩を眺めている。

2022-04-29 23:35:14
さめ🦈 @sameashark

たしかにジョン・ウィックのあの説教シーンはただの説明シーンなはずなのにすごく印象深いし、部下のハラハラ感というスパイスでとてもユニークなシーンだったなぁ twitter.com/rootport/statu…

2022-04-30 08:01:59
ピエール●夢民 @qr24t

@rootport あああ!なるほど!あの親子喧嘩のシーン確かにジョンの過去の解説のシーンになっていますね! ずっとドキドキワクワクした映画だったなと思っていたので専門的な解説助かります!

2022-04-30 14:54:52
八隈 六(はちくまろく) @HachikumaRock

ドラマには葛藤が必要とはよく聞くが、「なるほどー」と腹に落ちたのは初めて。俳優必読。 リツイート率の高さは、腹落ち率の高さなのか。 twitter.com/rootport/statu…

2022-04-30 09:58:00

たしかにドキドキって重要

いっしー @potechi_eco

@rootport どんな単調なシーンでも、感情の葛藤を入れることにより面白くなり、起伏があればあるほど退屈しません。 だから歴史の教科書は売れませんが、歴史の物語は売れますね。一例ですが。 あと、奇想天外のアイデアですかね。 どうでしょうか。

2022-04-30 01:00:52
アクター @Acter_nemui

@rootport 例としてジャンプ漫画だとそう云う所謂マクガフィンってのを小出しして進んでいく作品が多く見られますよね。

2022-04-30 10:02:39
リンク Wikipedia マクガフィン マクガフィン (英: MacGuffin, McGuffin) とは、小説や映画などのフィクション作品におけるプロット・デバイスの一つであり、登場人物への動機付けや話を進めるために用いられる作劇上の概念のこと。作中人物にとって重要でありドラマもそれをキーアイテムとして進行するが、物語の成立を目的とするならそれ自体が何であるかは重要ではなく代替可能ですらあるものを指す。 特にスリラー映画で多用され、泥棒が狙う宝石やスパイが狙う重要書類などがマクガフィンの典型例である。しかし物に限定されず、出来事や人物なども 234 users 88
緑たぬき🔥 @pinset710

@rootport これはわかる すごい名言 登場人物の戦うモチベーションが受け身だと イマイチつまらなかったりする

2022-04-30 12:46:30
鬼村 笑 @emi_pipisu

キャラもストーリーもどこに向かってるのかよくわからかいものって確かに退屈と感じがち🌹 twitter.com/rootport/statu…

2022-04-30 12:13:56
わなごなwannagonna🧲 @TDlMfYJgeZCKao3

@rootport 解説回に解説を聞く側のキャラが睡眠時間を欲してる描写を見た時は笑った

2022-04-30 07:42:22
青鳥平文(おうどり・へいぶん) @tschindrassabum

@rootport 手塚治虫はつねに飢えたり探させたりしていますね。書き下ろし短編の要

2022-04-30 13:26:22