デマは所詮デマでしかないので、やろうと思えばほぼ必ずデマ(または根拠が不明)であると示せるものだが、一般的に「デマを流すこと」よりも「デマをデマだと証明すること」の方が大きな労力を必要とするため、立て続けに大量のデマを流すことによってデマを世間に浸透させることが可能になる。
2022-05-02 00:00:01そうしたやり方に対抗する手段の1つとして、情報の発信元に対して「信頼できる情報源」と「信頼できない情報源」に分類するということが行われている。 デマを多く流す情報源に対し「信頼性なし」の烙印を押すことで、以後にそこから流されるデマをデマだと証明する必要が無くなるのである。
2022-05-02 00:00:01ただ、デマを流す側も黙ってやられているわけではない。 大勢のバイトを雇ったり、時にはデマに騙されている人たちと協力したりして、デマをデマだと証明する人たちを攻撃する。
2022-05-02 00:00:02具体的には、「あいつは反日だ」「売国奴だ」と虚偽の噂を流したり、「貧乏人」「低学歴」「童貞」などと根拠の無い罵倒をしたりすることによって、相手を精神的に追い詰めることでデマに対抗する意思を削ごうとするのである。
2022-05-02 00:00:02私自身も、政治的な意図など全く無く「検査すると医療崩壊するというのはデマ」と発言したところ、「反日」「日本を滅ぼそうとする工作員」などと多数の誹謗中傷を受けた。
2022-05-02 00:00:03それらの誹謗中傷は、法律上では侮辱罪や名誉毀損罪にあたる立派な犯罪である。 しかしながら被害届を出そうにも警察が積極的に捜査してくれないことなどもあり、逮捕などの恐れはほぼ無いので、「自分が犯罪をしている」という自覚の無い人が大多数であろう。
2022-05-02 00:00:03侮辱罪の厳罰化により、そういう空気が少しでも無くなってくれれば、ネット上での健全な議論が悪意ある人格攻撃によって邪魔されることも今よりは減るはずだ。 私はそうなることを切に期待している。
2022-05-02 00:00:04なお侮辱罪の厳罰化にはいくつかの反対意見もあり、例えば「政権に批判的な者が逮捕されるような恣意的な運用に繋がる」といったものがあるが、侮辱罪に限らず既に今ある名誉毀損罪や共謀罪などを適用すれば可能なので、「侮辱罪が厳罰化されるとそれが可能になってしまう」というのはデマでしかない。
2022-05-02 00:00:04また、「どのような発言が侮辱罪になるのか基準が不明確だ」という意見もあるが、過去の刑事裁判で侮辱罪にあたるかどうかが争われた事例は無い。なぜなら警察は「確実に有罪になる」と判断したものしか立件しないからである。
2022-05-02 00:00:05それにそもそもの話だが、私から言わせれば自分が犯罪にあたる書き込みをしているかしていないかが分からないという人はネットを使うべきではない。 それは交通ルールを知らない人が車を運転するようなもので非常に危険極まりないし、そもそも分からないなら自分で前もって調べるべきだからである。
2022-05-02 00:00:05もちろん、どんな発言が侮辱罪にあたるのかという周知を政府は積極的にすべきだとは私も思うが、だからと言って「何が侮辱罪にあたるのか分からなくても仕方ない」とまでは思わないし、少なくとも私は侮辱罪や名誉毀損罪という規定があるせいでネット上で意見を発信するのに困った経験は一度も無い。
2022-05-02 00:00:06中には「言論の自由は無制限に認められるべきであり、そうでない国は独裁国家だ」という無理やりな主張をする人もいるようだが、「独裁国家」をそのように定義している国は無い(もしそうすれば「全ての国は独裁国家である」となる)ので、何の意味も無い主張である。
2022-05-02 00:00:06よって、侮辱罪の厳罰化が成立したとしてもそれによって日本政府の独裁化を招くとは到底言えず、「インターネットの健全化」というメリットの方が遥かに大きいと言える。
2022-05-02 00:00:07なお、念のため言っておくと、私は「日本政府が独裁化することは絶対にあり得ない」と思っているわけではないし、むしろ「国民は政府が独裁化しないよう常に政府を監視すべきだ」と思っている。
2022-05-02 00:00:07独裁政権が成立する裏には必ず国民の極度な右傾化や左傾化があり、特定の勢力を排除するために既存の法令を無理に歪曲して適用するということが頻繁に行われ、それを多くの国民が支持するというような土壌が存在する。
2022-05-02 00:00:07それを防ぐためには、1つの法律の細かな条文にこだわるのではなく、国民が常に自らを律し政府の言動を冷静に見続けるなどして、今ある民主制度が健全に機能するよう守っていくことこそが必要である。
2022-05-02 00:00:08そうするための健全な議論を行うためにも、誹謗中傷などの妨害行為は侮辱罪の厳罰化などによって防いでいかねばならないと思う次第である。
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