茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第2788回「憲法は、どっちかというと棚上げ」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート２７８８回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

茂木健一郎 @kenichiromogi

今日は憲法記念日ということで、これから書くことは東大法学部も卒業している人間としてはきわめてイレギュラーなことだけど、おそらく、憲法うんぬんということをあまり政治的なイシューにしない方がいいと思う。憲法改正も、あまりエネルギーを注ぐべきことではないのではないか。

茂木健一郎 @kenichiromogi

先の安倍さんの下での安保法案の際に、私は国会前で一曲歌って帰ってきたが、あの時の経験を振り返ると、おそらく、日本の憲法学で精緻に積み上げられてきた「解釈論」は、実際的な意味はほとんどないということなんだと思う。

茂木健一郎 @kenichiromogi

むろん、刑法については恣意的な運用があってはいけないし、憲法の中でも、国会の構成や内閣の組織、天皇の地位などの国の根幹はそのとおりにすべきだけれども、あとの条文はいわば精神論、概念で、より重要なのは具体的な法律の方だと思う。

茂木健一郎 @kenichiromogi

憲法９条は、敗戦当時のある種の理想主義の記念碑としてそのまま置いておけばいいわけで、朝鮮戦争で実質上棚上げにされて、自衛隊はずっと法的にも実際にも存在し続けているわけだから、９条うんぬんはリアルポリティクスとしては全く関係ないと言ってよい。

茂木健一郎 @kenichiromogi

憲法は、どっちかというと棚上げしてもっと実際的で具体的なことに政治的なエネルギーを注いだ方がいいんじゃないかと思う。今の日本で、イデオロギー論争をしている余裕はあまりない気がする。特に９条については、実質的にもう改憲したものと国際社会もみなしていると思う。

茂木健一郎 @kenichiromogi

もともと私は英国の非成文憲法の方が好きだから、そのバイアスもあるかもしれない。非成文憲法、コモンロー的なセンスでいうと、聖徳太子の十七条憲法、特に「和をもって貴しとなす」は未だ有効な法源とみなしてもいいくらいに思っている。

茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート２７８８回「憲法は、どっちかというと棚上げ」をテーマに６つのツイートをお届けしました。