日本は自動車など輸出産業界の要望で、海外が買いやすい円安を求めます。ただ、円が安すぎると今度は海外から原材料などを買う価格が高くなるので、過ぎた円安はやめてくれと言います(ワガママ)。で、その安すぎる円安のラインが1ドル125円だったというのがまず1つ。
2022-06-14 16:03:42ただし、円ドルレートは相場が決めるもので、円が売られドルが買われれば(市場からドルが減るので)ドルの価値が増し、円は市場に溢れるため価値が安くなります。
2022-06-14 16:05:53125円以下になりそうな時にこれは行われました。しかし抵抗空しく、できる範囲を突破したため、円の価値は落ち続けてついに135円まで落ちてしまいました。
2022-06-14 16:08:35ちなみに円ドル相場は1ドル○○円と表します。これは日本円で1ドルを買うために必要な金額(つまり1ドルの単価)です。例えば100円で買えたものが135円になったら値上げですよね。だから日本から見た場合ドルが寝上がったようになります。これをドル高と言います。
2022-06-14 16:10:41一方、1ドルで円を買おうとした場合、前は1ドルで1円玉が100個しか買えなかったものが135個も買えるようになりました。1円玉が35個もオマケされたようなものです(オマケではないですが)。つまり35個(35円)分値下がりしたことになります。これを円安と言います。
2022-06-14 16:13:22これは為替市場という、世界中の通貨を交換する市場で決まります。経済の授業で、需要(欲しい)が供給(物の量)を上回れば価格が上がります。より欲しい人はより高い金を出す、という根本的な経済原則です。
2022-06-14 16:17:41一方、余ってる物は安くなります。欲しい人がそんなにいない、もしくはいらない物は値段が下がるからです。値段の上下には他にも様々な要因がありますが、為替市場での値動きの基本はこの需要と供給のバランスで決まります。
2022-06-14 16:19:12話を円ドルに戻しましょう。市場は今は「ドルは欲しい」「円はいらない」というムードです。だからドルが買われて値上がり、円は売られて安くなっています。なぜか。
2022-06-14 16:20:19ドルはアメリカの動きで決まります。アメリカではFRB(連邦準備理事会)が政策金利を上昇(+0.5%)させると発表しました。政策金利が上がるということは国庫が市場の貨幣を回収するペースを上げるということであり、短期的な市場の貨幣流通量が減ることを意味します。
2022-06-14 16:26:40つまりドルの量が減るため、ドルの価値が上がります。そうすると市場で売り買いを考えてる参加者(プレーヤー)は 1)ドルの量が減るならドルが欲しい 2)ドルの量が減るということはドルの価値が増すから今のうちに欲しい と考えます。どちらにしてもドルの人気は上がります。
2022-06-14 16:30:03(ただし、金利が上がるということはドルの総量は増えます。増えるけどその分も国庫に吸われるので市場に出回る分は減っていきます。わかりにくいでしょうけど)。
2022-06-14 16:33:19一方日本は、20年前から概ねずっと政策金利がゼロなうえ、国債発行による円の放出(この手法自体は円にかぎらない)が続いており、市場に円を潤沢に供給し続けていました。ゼロl金利は国内向け、円安誘導は国際的な観点からそれぞれ行っていたものです。
2022-06-14 16:37:38円安誘導は輸出産業からの要望ということは最初に説明しました。ゼロ金利はバブル崩壊後の対応策として導入されましたが、それでも不景気は回復せず、世の中の状況が様々に変わり、有効な打開策が打てないまま20年以上経過しています。
2022-06-14 16:40:24なぜゼロ金利か。そもそも通貨は日本銀行が発行し、それを各銀行に貸し付け、各銀行が融資の形で会社などに貸し付け、貸し付けられた(融資を受けた)会社は物の購入や賃金の形で通貨が市中に広まります。私たちが使う「お金」の源流は概ねこれです。
2022-06-14 16:43:54金利とは利子です。日銀が銀行に貸した金は本来利子が付きます。決められた期限までに決められた利子分を載せて借りた金を返します。銀行と会社の間と同じ事が日銀と銀行の間にもありました。この日銀に払う利子(政策金利)を「公定歩合」といいます。
2022-06-14 16:46:20公定歩合がゼロということは、銀行は借りた額面通りに返せばよくなります。つまり日銀は(通貨発行ができるので名目上ですが)日本経済のために身銭を切り続けているのです。
2022-06-14 16:48:01で、公定歩合がゼロということは、銀行からすれば元手をかけずに資金調達できるようなものです。日銀への利払いを意識せずに、市場に寄り添った大胆な金利を設定し、日本に通貨をジャンジャン供給してほしい、というのがゼロ金利当初の思惑でした。しかし
2022-06-14 16:49:29(横道に逸れます)企業からすれば、その直前のバブル崩壊で「貸し剥がし」が横行した生々しい記憶が残ってます。銀行が生き残るためにカネを融資先から強制的に回収する事が横行しました。会社からすれば食べて自分の血肉になったようなカネを殺してでも奪い取られたわけです。死んだ会社もあります。
2022-06-14 16:52:43この間、自分から血肉を引っぺがしたバーサーカーが揉み手で「融資いかがっすか」とやってきたところで相手のバーサクさが身に染みた会社は絶対に借りようとしません。借りてもまた内蔵を抉ってでもひっぺがされたらたまらないからです。では会社はどうするか。安全なカネをひたすら溜め込もうとします
2022-06-14 16:54:43これを「内部留保」といいます。銀行に頼らず、自前の資金で経済の変動を吸収しようとする贅肉です。本来法人税にはこうした調整機能もあり、利益が多ければその分税金として収めることになっています。しかし法人税率は最大23.4%であり、また毎年当期の利益にしかかからないため(続
2022-06-14 16:58:43利益の1/4は国への手数料と割切ってしまえばいい、ともいえます。ちなみに、納税額の高低に関わらず、税によるサービスは変わらないため一般的には納税額が少ない方が企業にとっては得です。そのため期末(決算期)に大々的にセールをやったり、設備投資や社員にボーナスを出すなどして、(続
2022-06-14 17:02:30元来は金融機関と協力して、まとまった金額は定期預金にし、日々の出納は当座や普通預金に任せ、運転資金は融資を受け、利子を付けて返済するのが(私は)一般的な企業の資金の流れだと思っていました。バブル崩壊前の話ですが。
2022-06-14 17:07:56銀行も、日銀の融資と預金者から預金を集めて、企業に融資として貸し付け、融資の返済の利子を預金者と日銀に分配し、残りを自行の運営に充てる、というものだったのです。バブル崩壊前は。
2022-06-14 17:09:19