【アニメてにをは( ﾟДﾟ)基礎講座その４の２～ルパンの運動を複数に視る！】

アニメてにをは＠石曽根正勝 @animeteniwoha

【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【０】さて明後日に「スペース」をやるんですが、その前に「運動の複数性」については最低２例を出しておきたかったので、それをやります。 『カリオストロの城』より。 pic.twitter.com/66mffX1REo

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【１】シーンは中盤クライマックス。ルパンと銭形が地下迷路の牢獄から脱出したところ。 偽札を燃やして敵をいぶりだそうと待機するふたり。 これ手前／中間／奥の３層構造、わかります？ pic.twitter.com/NbRVJz2noj

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【２】地下の造幣局の火事に気づいた近衛兵の登場と同時にふたりはタックルをかける。 これはまた別の機会に説明したいのですが「違うはずのモノが・同じように動く」というアニメならではの技法が採用された瞬間ですね。 pic.twitter.com/dFZjwz6csH

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【３】一階への（礼拝堂）階段を大急ぎで昇るルパン。「斜め奥」に構図が設定されていて、両壁とさらに天井と、四角に囲まれて「運動軌跡」がくっきり浮かびあがっていますね。 pic.twitter.com/H7aUrPTlXt

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【４】礼拝堂の外へと走り抜けるルパンと銭形。双子みたいに／鏡写しのように運動していますね。「違うモノが・同じように動く」面白さ。バケツを持って消火活動に向かうおじさんがいますね。細かい。 pic.twitter.com/5FEXrnfhKC

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【６】個人的には、この瞬間が「運動の複数性」のハイライトだと思っています。うじゃうじゃと人が追いつ追われつしている。 pic.twitter.com/CXhq6HkQba

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【７】画面がズームします。このズームは塔の頂上に幽閉されて下方を眺めているクラリスの”主観”カットなのですね。こうやってコマ撮りすると、ルパン・銭形と城の衛兵たちとが分別つきますね。 pic.twitter.com/qqmoqpU6h9

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【８】さらにズーム。このカットの「うじゃうじゃ感」はすごい。やっぱり動いているのを観ないとそのすごさが伝わりませんね。何が何やら・みたいな勢いのあるカット。 pic.twitter.com/wgxClHZzEd

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【９】階段にのぼれば上から衛兵が襲ってきて、【下から上への運動】と【上から下への運動】がこれからぶつかり合います。こういう”対決構図”の複数の運動の交錯も。 pic.twitter.com/KvC27LfLfS

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【１０】上から襲ってきたひとり目の衛兵をいなすルパン。 pic.twitter.com/nenxNne219

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【１１】ふたり目をいなす銭形。ルパンが巻き込まれまいと壁に張りついていますね。 こんなの、動画として見ていたら識別できないですよ。細かい。 pic.twitter.com/H7AR5sV3I4

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【１２】衛兵たちをいなし切ったルパンは、クラリスに向かっておどけて見せる。そう、このカットもクラリスの「主観・見た目」カットなんですよね。「どこにカメラを置くか」という演出上の目配りが効いた、周到なアングルですね。 pic.twitter.com/NkePRvaCCC

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【１３】この回廊の曲がり角でルパンはジャンプしてみせ、クラリスに「平気の平左」とばかりにアピールする。でも実際のところは敵地のど真ん中での四面楚歌。絶体絶命。だからこそこのユーモアが逆説的にルパンの切実さとして活きてくる。 pic.twitter.com/RbEWDnPJJf

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【１４】カットかわって、らせん階段の角で追いついてきた執事を足蹴にしようとするところ。 この瞬間（このカット）が、よく見ると恐ろしく複雑な・複数の運動で織りなされているのです。それを細かく見ていきましょう。 pic.twitter.com/7eUfykAlAp

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【１５】わたしの「秘密兵器」がついに参上です。この迫りくる敵を足蹴にするカットが、どれだけの・いくつもの運動で成り立っているか、レイヤー構造で見てみましょう。 pic.twitter.com/XGlYYUH8t6

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【１６】追ってきたおっさんが【運動①】 その運動は【下から上への運動】で、同時にルパンンという運動体の運動を阻止しようとしている。 pic.twitter.com/HZoZrF5SD6

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【１７】【運動①】のおっさんに対し【運動②】のルパンが引き裂かれた運動をする。 つまり、階段を昇ろうとしつつ、同時に【運動①】の運動性を封殺しようともアクションしている。これだけで運動が２つある。それらは対抗関係にある。 pic.twitter.com/8XcC2WZsZO

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【１８】そのとき同時に、つまり運動①と運動②が葛藤関係にある最中に、背後で塔に沿って、すーっと上昇していく【運動③】がいる。「我関せず」といった感じ。ジョドーの乗るエレベーターです。この③については後でじっくり観察します。 pic.twitter.com/gUKoU8IJL8

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【１９】で【運動④】。ルパンたちが地下造幣局で起こした火事の余波で煙がたちのぼっているのです。演出として自分が起こした伏線（火事）を絶対忘れない。この煙、なくても成り立つのに。眼光の鋭さすら感じる、この演出的目配りのよさ。 pic.twitter.com/YhSdlO9zgw

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【２０】そしてルパンもジョドーも、そして火事そのものも、すべてが背後に控える孤立した塔に幽閉されたクラリスのためなんですね。 少なくとも運動は４つある。そしてすべての運動は、あの背後の塔へと、運動として収斂するのです。 pic.twitter.com/7QE0FAxB3D

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【２１】『カリオストロ』のカット分析をして見せるために作ったスライド素材。小樽文学館以来、20年ぶりの使用。 こうやってスライドの素材を見てみても、アニメって、ひらべったく「分析」できてしまうものだってことが伝わりませんか？ pic.twitter.com/cdu1ia0ETS

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【２３】さてルパンが足蹴にしたカットから切り替わって、今度はエレベーターに搭乗しているジョドー舐めの構図。逆構図ですね。運動の逆照射。もうここまで説明してきたので、運動がどんな風に《複数》動いているかわかりますよね？ pic.twitter.com/Aac0vXiTct

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【２４】「物語／解釈的に」見ると、この場面は圧倒的にジャドーが有利なはずですよね。ルパンと銭形は遠くで汗だくで必死で階段を昇っている。ジャドーは汗ひとつかかず、すーっと上昇するエレベーターに乗っている。でも（つづく） pic.twitter.com/K1DxISs2tV

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【２５】物理的には敵側の圧倒的有利なのに、このジャドーのあわてぶり。 あ、銭形がコケてる。 そう、ふたりが必死なのにユーモアがある。 この、【運動と・感情とのアンバランスさ】がこの運動局面の面白さなんですね。 pic.twitter.com/HbZiAOANh5

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【アニメてにをは基礎講座！４の２～ルパンの運動の複数性】 【２６】もう一度、ルパン側から見ます。 この時点ではエレベーターがすーっと上昇して、余裕綽々かのよう。でもカットが切り替わるとジャドーの（別の）ドラマが進行していた。 この運動は物語的に（も）分析しないと十分ではありません。 pic.twitter.com/vuiBZiOVZu

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