ドラム防振板をつくってマンションの騒音苦情を止めた話

かんたんDIYでできるドラム防振板をつくりました。
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防音室オープンソースプロジェクト @openbouonshitsu

演奏性と衝撃吸収を両立するためにはその「ふかふか」の量(距離、ストローク)を調節することになりますが、おそらくそこには解はありません。 演奏性を確保できるまでストロークを短くすれば、衝撃吸収が十分でなくなります。

2022-06-01 00:21:50
防音室オープンソースプロジェクト @openbouonshitsu

そこでもうひとつの考え方は、今回コンクリート平板を使ったように 「重量物でいったん衝撃を受け止める」 というやり方です。 リアカーの上でドタバタすると揺れますが、バスの中でドタバタしてもそこまでバスは揺れませんよね。戦車ならビクともしないでしょう。したことないけど。

2022-06-01 00:21:50
防音室オープンソースプロジェクト @openbouonshitsu

衝撃を運動量で考えるとき、重量物で衝撃を受け止めるとどうなるかというと、以前もかんたんに書きましたが、重量物の速度は「重量に比例して」小さくなります。 運動量は「重量(正確に言うと質量)×速度」だからね。

2022-06-01 00:21:51
防音室オープンソースプロジェクト @openbouonshitsu

最初に示したように、衝撃は非常に短い時間に強い力がかかります(力×時間=力積)。その力積をいったん重量物に運動量というかたちで移し、かつ大きな重量でその速度を小さくすることで、 「重いものがちょっと動くのを支える、止める」 という問題におきかえることができます。

2022-06-01 00:21:51
防音室オープンソースプロジェクト @openbouonshitsu

それを担うのが今回はマルマルだったわけですが、これはマルマルでなくても良く、弾性体ならなんでもいいことになります。 ただし、金属ばねのような弾性体の場合、揺れ始めると止まらないので、別途揺れを吸収するダンパーの仕組みが必要になります。

2022-06-01 00:21:51
防音室オープンソースプロジェクト @openbouonshitsu

マルマルは樹脂発泡材のため、ある程度のダンパー効果もあるので、ひとつぶで2度おいしいということになります。 もちろんここに衝撃吸収系のゲルやゴムも使うことはできると思います。ただ、高いもんね。 コスパを考えると、今回のドラム防振板でマルマル10m、400円くらいですから最強です。

2022-06-01 00:21:52
防音室オープンソースプロジェクト @openbouonshitsu

ふかふかの上に設置する場合でも、そのふかふかを通じて床に力が伝わらないわけではありません。 衝撃のように短時間で大きな力がかかろうとしても受ける側が沈むために力がかかる時間が延び、そのぶん大きく動く、というのが「緩衝」の基本的な考え方です。 twitter.com/oekaki_hoho_ro… pic.twitter.com/1LWjHOoLI7

2022-06-03 15:17:33
お絵描きホーホー論 🔶透視図法オタク10周年記念🔶 @oekaki_hoho_ron

奏者もろとも体重を支える支点の存在しないふかふかの上に配置できればどうなるか気になる。キックペダルを踏み込む為に太ももを上げたら防振台は一旦下がり、踏み込んだ瞬間に元に戻る。水風船のヨーヨーみたいに衝撃が空中の一点で相殺するので床に伝わらない。実現したとして奏者の筋力が問われる。 twitter.com/openbouonshits…

2022-06-03 02:46:25
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この力のグラフは黄色い物体にかかる力を表しますが、それは同時にこの灰色の「硬い」「柔らかい」物体が床にかける力でもあります。 そしてその面積は「力×時間」つまり「力積」であって、同じものが同じ条件で激突してくるならその面積は上と下では同じになります。

2022-06-03 15:17:34
防音室オープンソースプロジェクト @openbouonshitsu

上からの力を支えるものが固いコンクリ板だろうが発泡材だろうが、防振ゴムであろうがバランスディスクであろうが、さらに言えば磁力で完全浮遊していようが 上にかかる力はそのまま下にかかります。 上に力をかけて、それを下にかけないことはできません。これは原則です。

2022-06-03 17:42:41
防音室オープンソースプロジェクト @openbouonshitsu

ではどういうときにその原則が崩れるのかというと、それは 「急激な力の変化があるとき」 つまりそれは「衝撃的な力」のときであって、 それは何によって影響を受けるかというと、「衝撃を受け止める側の質量」つまり「慣性」です。

2022-06-03 18:01:54

経緯のまとめ

防音室オープンソースプロジェクト @openbouonshitsu

ドラム防振板の登場人物の関係をおさらいしておきます ぼく=防音室オープンソースプロジェクトの中の人。防音室研究所を開設。 マンションオーナー=大家さん=以前から中の人の知り合い。研究所から2kmくらい離れたところにマンション所有 住人A=4階に居住。エレドラ所有。 住人B,C=3階に居住。

2022-06-17 11:20:08
防音室オープンソースプロジェクト @openbouonshitsu

経緯のおさらい 4月にオーナーさんからこのような相談を受けました。 オーナーさんとぼくは、もともとDIY関係で知り合っていて、ぼくが防音室を作ったりしていることをご存知だったので相談されました。 この時点ではまだこの入居者のAさんとぼくは知り合いではありません。 pic.twitter.com/K2U1U2toYZ

2022-06-17 12:01:12
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この時点でこのエレドラを使われているAさんにはクレームが伝わっていて、ぼくはオーナーさんを通じてドラム設置状況を聞きました。 その後Aさんとつないでもらい、詳細を確認しました。 ドラム防振板は試作1号機でそこそこの成果を上げていたので、その知見をもとに今回の防振板を製作しました。 pic.twitter.com/QIj77csRio

2022-06-17 12:01:14
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6月あたまに納品して、1週間後のオーナーさんのお話がこちら。 効果はあるようですがまだ日も浅いので様子見が必要です。 もともと音楽好きなオーナーなので夢が膨らんでるみたいです笑 pic.twitter.com/Zx8lBX9Nj2

2022-06-17 12:01:16
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そこからさらに1週間たってのオーナーさんからのお話が、最初に紹介した感想です。 BさんCさんの立場に立てば、クレームを入れた先の大家さんから状況を聞かれてこの回答なのであれば、ある程度ポジティブに捉えていいんやないかな?という気がしています。 pic.twitter.com/Nm6OLTWH7p

2022-06-17 12:01:18
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防音室もつくってます

防音室オープンソースプロジェクト @openbouonshitsu

防音室プロトタイプ1号機のDA PUMPテストの騒音計設定が特性Cになっていたので、特性Aだとどうなるかなと思って撮り直してみました。 録音レベルをマニュアル設定できるアプリで撮ってます。 中に入るとあたおかレベルの音量が外ではちょっとデカいテレビくらいですかね。 伝われ〜。 pic.twitter.com/ZSfo6O8z4G

2022-06-12 20:02:36