法律上の散弾銃と拳銃の違いについて、餅さん（tech_mochimochi）のツイート

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

ちょっと本業視点で某重大事件の手製銃を考える。 当初マスコミから流れた「散弾銃」ではなく、県K発表で「拳銃」と訂正発表したには、何が何でも「拳銃」としなければならない理由があり、それは事件の重大性もあるが、使用した凶器が散弾銃か拳銃であるかで刑法上の罰条が格段に変わるからだ。 続く

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

法的視点で考えれば「武器等製造法」と「拳銃等に係る罪の法定刑」が大幅に引き上げられ、拳銃等を適合実包等と共に携帯するなどした場合に適用される加重所持罪，けん銃等の譲渡し等の罪が新設される一方，けん銃等を提出して自首した場合の刑の必要的減免規定も設けられた（平成5年7月施行）。 続く

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

しかし、その後も拳銃に関わる犯罪が跡を絶たなかったことから，平成7年法律第89号による改正により，不特定若しくは多数の者の用に供される場所等に向かって，又はこれらの場所等においてけん銃等を不法に発射する行為に係る発射罪が新設され、拳銃に関しての罰条は極めて厳罰化された訳だ。 続く

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

元々、拳銃は携帯性と隠匿性の問題から、銃刀法における銃砲の中でもとりわけ規制と罰則が重い。 今回は構造が散弾銃かも知れないが、何が何でも拳銃(扱いはショットシェル装填の拳銃)としたのには事件の重大性から鑑みても、前述の判断に寄るところが大きいのだろう。 続く

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

今回に関しては武器製造法、火薬類取締法、銃砲刀剣類取締法などに加え、殺人までもがその罰条の構成要件該当性として確実に見受けられる。 今後、起訴される際において検察も事件の重大性と計画性から死刑を求刑する可能性は極めて高いんじゃなかろうか？ 続く

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

実行行為においての結果は被害者が一名ではあるが、客観的視点から見ても周到な計画、準備に加えて強い殺意も見受けられる。 また、発砲時において散弾式である場合は多数の死者や負傷者が出ることも予見されるものであるため、無差別殺人に関しての未必の故意も認定できるのではなかろうか？ 続く

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

死刑についての判断で言えば、法律を少しカジれば出てくる永山基準がベースだろうが、結果の重大性と社会的影響を考えれば被害者が一名であっても死刑の選択肢は排除できないだろう。 これはいわゆる上級国民云々ではなく、事件の影響が世界規模であることからも無視できないからだろう。 続く

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

司法判断は裁判所に任せるとして、マスコミ報道や信教の自由、個人の趣味など、あらゆる意味で今後想定される問題点が多く課題として残ったことは間違いない。 問題はそれが今後、どのように規制されたり変化するかではなかろうか？ そに点については趣味人としても注視する必要はあるだろう。 終わり

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

追記 銃刀法について意外な事実が知られていないようなので、御参考にと思い追記します。 ミリタリー界隈ではお馴染みで、昨今の重大事件でもクローズアップされた 「銃砲刀剣類所持等取法」 別名銃刀法という法律。 この法律は有名ですが意外な穴があり、今回の事件で浮き出てきました😓 続く

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

今回は重大事件に鑑み、質問が多かったので銃刀法におけるテッポウの定義について知られていない穴を覚えていただければと思います🙇‍♂️ 銃刀法では取締対象である「銃砲(テッポウ)とは何ぞや？つまりこんなモノが銃砲にあたるんじゃぞ？」という定義を第一章第二条に定義として明示しています。 続く

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

じゃあ、覗いてみましょう。 （定義） 第二条　この法律において「銃砲」とは、拳銃、小銃、機関銃、砲、猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び 続く

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

空気銃（圧縮した気体を使用して弾丸を発射する機能を有する銃のうち、内閣府令で定めるところにより測定した弾丸の運動エネルギーの値が、人の生命に危険を及ぼし得るものとして内閣府令で定める値以上となるものをいう。以下同じ。）をいう。 続く

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

↑ 実はこれだけです。 第二条の2項は刀剣類に関する定義があって終了。 次は第三条に移行しますが、第三条は「所持の禁止」にかかる項目なので定義は以上です。 ここで気付かれた方も多いと思いますが、実は銃刀法では「じゃあ拳銃ってどんなモンやねん？」という定義は一切記載が無い訳です😣 続く

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

拳銃の定義が無い条件で「じゃあ拳銃とは何ぞや？」といえば一般論や客観的事実としての項目。 つまり 片手で取り扱い可能 小型で秘匿性が高く携帯が可能 レベルで口径や機能、具体的な大きさ等の記載は一切無い訳です😣 ↑ココ、意外に知られてません😅 続く

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

今回の案件で容疑者立件に際しては、完全な自作品で模造元となった銃が無い点を基に 片手で扱うことが可能である点。 携帯秘匿して運搬した事実。 を基準に、罰条を重くできる点も踏まえて「拳銃」と判断したと考えられます。 続く

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

県Kの報道提供情報が一定時期を機に一気に「凶器は拳銃」となった点が証左です。 つまり、容疑者の使用した凶器は、 「ショットシェルを装填した拳銃」 として立件することが可能で刑法の実運用では適用可能な最大限重い罰を適用する点を踏まえ、その線で公判維持も可能と判断した訳です。 続く

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

ここで重要なのが自作である点です。 たとえばソードオフされた散弾銃である場合、条文に照らすと違法改造された散弾銃になってしまうため、拳銃にはあたりません。 今回のような場合は自作銃かつ、片手で運用可能で携帯秘匿できたので拳銃として当て嵌め可能で拳銃とした訳です。 続く

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

つまり、密造された自作銃は明確な型式やモデルが無い限り、当局の判断で何とでも立件可能という可能性も垣間見れた点が、法的視点から見た今回の事案だと思います。 御参考になれば幸いです。 終わり🙇‍♂️

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

ツイート伸びてしもた🙇‍♂️ 意外とミリタリー界隈の方でも銃刀法について知ってるようで知らない事って多い訳ですよ。 例えば「拳銃等」ってありますが、等って何ぞや？って話ですが、コレは「模造拳銃も含んだ記載」だったり、法律の根拠と趣旨が正確に理解できてないと判断が困難な記載が多い🤔 続く

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

それでいて、拳銃や散弾銃など、個別の銃砲の定義が全く記載がなかったりする訳で、興味がありつつロースクール時代から「？？？」となってた個人的課題だったんですが、今回この様な不本意な結果でそれが浮いてくるとは思わなんだ😓 続く

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

逆に曖昧な基準であるから、レプリカ製作時は相当検討しなければ模造拳銃部品などと誤解を招くという可能性も視野に入れて作らねばならないと考えられる。 そういった意味では製作中の十四年式拳銃のレプリカ撃針のようにそもそもバネが入らないように穴深さを変えるなどの方法は有効な訳だ🤔 終わり

餅さん ( もちもち堂 技研 ) @tech_mochimochi

@yawaragi_ibumi お疲れ様です🙇‍♂️ ご指摘どおり、隠し持てる事が前提なのですが、実際は猟銃や散弾銃もかなり小さく分割は可能です。 問題点は、実は銃刀法含め、意外にも法律上では「拳銃」の定義が何なのかは全く記載がないんです😅 意外かもしれませんが全長、口径、使用弾薬等も含め全く明示が無いんです🤔 続く