映画ゆるキャン△が刺さりに刺さったオタクの私見まとめ & 昭島Wなでしこ舞台挨拶も見て来たよ!まとめ(2022/08/27追記)
- momonekopotte
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映画ゆるキャン△見た。コンテンツの「品格」って大事なんだなーと改めて思い知らされた。優しい世界に少しずつ現実が染み込んでいくような話だったけど、それでもギリギリ「ゆるキャン△」の体を成していたのは、それまでの積み重ねがあったからだよな……と思う。
2022-07-03 12:34:16全体的に今までより現実との距離感が近いお話なので、その気になれば現実的な目線から幾らでも腐すことができそうなんだけど、何となくそれを追及するのは野暮かな……みたいな気分になる。ゆるキャン△の空気感というか「品の良さ」がそういう気分にさせる。
2022-07-03 12:35:33友達とはいえ無給で働かせるのはどうなんだろうとか、ぶっちゃけそれ半分やりがい搾取じゃないですか?とか、現実にも支えてくれる人は居るけど同じぐらい足を引っ張って来る人も居るぞとか、キャンプ場作ったのは良いけどそのあと誰がどう管理するの?とか、まぁ色々突っつけそうな所はある。
2022-07-03 12:38:14【注釈】実際には誰が管理するかはEDで提示されていたのだが、初見では見逃していたようです。
でも良いんだよ、そんなの。ゆるキャン△なんだから。……という言い分が通るだけの徳を積み重ねて来たコンテンツだと思うんですよね。
2022-07-03 12:38:35映画としてのテーマが明確なのも良い。"再生"。大人の世界には半歩遠い、現実に浸食されつつある「優しい世界」で、野クルの青春が"再生"される。今と過去が彼女達の中で繋がって、自身の成長と今の立ち位置を客観視できるようになり、前に進む力を得る……という流れは映画ならではのエモさがある。
2022-07-03 12:40:42テーマの提示の仕方も巧い。"再生"は作中ではキャンプ場のコンセプトだけど、メタ的には作品のテーマそのものでもあるんですよね。こういう建前と本音のダブルミーニングは好き。作り手の知性を感じる。
2022-07-03 12:41:14あと何と言っても個人的に一番痺れたのは「うそやでー」のシーン。あれこそ青春の"再生"であり、"再生"では拭いきれない現実への寂寥感も内包されている。作品のテーマを正負両面から象徴しているシーンよね。EDでちゃんといつものをお出ししてくれるファンサ精神も含めて好かった。
2022-07-03 12:43:07映画ゆるキャン△、日常系・部活系の文脈にあって「最高学年として後輩への継承や将来への不安、進路の決断を描く」とかではなく「大人として青春(過去)を"再生"する過程で現実(今)を肯定的に描いてみせる」という方針を選択した事が画期的過ぎるし、
2022-07-03 13:21:25いきなり大人の世界を描いても、現実との距離感を縮めても「ゆるキャン△」のままで居られる事に、このコンテンツの品の良さを感じさせられるというか、積み上げて来た徳の高さ、空気感の強度は絶大な物があるよなと思い知らされた。
2022-07-03 13:21:58あの「うそやで~」のシーン、青春の"再生"という文脈の中で現実の淋しさを紛らわせようとしているので、この作品のテーマをそのまま体現しているシーンとも言えるんですよね。
2022-07-03 13:28:57映画ゆるキャン△、夢オチシーンで「やっぱりこういう荒唐無稽なはっちゃけシーンはこれぐらいの尺で十分なんだよなぁ……(劇場版SHIROBAKOのアレを思い出しつつ)」ってなった。
2022-07-03 20:22:38映画ゆるキャン△、TV版ではアウトドアを題材としているが故の物理的な距離の遠さを潰すガジェットとして機能していたSNSが、映画では5人が大人になる事で生じた距離の遠さを潰すガジェットになっていて、しれっと作劇上の役割が更新されていたのが巧いなと思った。
2022-07-03 21:29:34もう少し踏み込むと、映画版ではSNSで気軽に繋がれるからこそ、5人が各々の現実で抱える淋しさみたいな物が返って浮き彫りになる所もあり(例えば原稿が没になった直後になでしこから連絡が来るシーンとかね)、それ故にリアルで共有する時間と言葉の力が強調されている側面もあったと思う。
2022-07-03 21:30:11だから映画ゆるキャン△は「サイダーのように言葉が湧き上がる」でイシグロ監督が提示した「テクノロジーの進歩によってコミュニケーションが簡易になったこの時代、果たして“リアルな言葉”は必要なのだろうか?」という問いに対する1つのアンサーにもなっていたと思う。 cider-kotoba.jp/#intro pic.twitter.com/sfKEarIT8F
2022-07-03 21:31:30「雷鳴や 伝えるためにこそ 言葉」。この境地を映画ゆるキャン△の中にも感じたんですよね。で、個人的にそれを一番強く感じたのが、あの「うそやで~」だったんだよね、という話。 pic.twitter.com/48TvRsVfSY
2022-07-03 21:33:17映画ゆるキャン△とサイダーのように言葉が湧き上がる、SNS周りだけでなく「土地に刻まれた記憶が若者達の手で”再生”される」という核の部分が共通している("再生"した事で若者が何を得るかという部分は異なる)ので、両者を絡めて語るのはあながち的外れでもないんじゃないかなという気がして来た。 twitter.com/momonekopotte/…
2022-07-04 20:40:13サイコトにおけるレコードは喪われた文化や記憶の象徴であり、それを探索・再生することで土地の歴史その物すら紐解かれる。映画ゆるキャン△のキャンプ場作りも正に同じで、地元に刻まれた自分達の青春、元の施設を造った誰かの想い、果ては……(ネタバレ自粛)……まで再生されていく。
2022-07-04 20:41:16その過程で若者同士がSNSで、あるいはリアルで言葉を交わし、時間を共有していく流れも同じ。それによって少年少女が自己実現を果たすのがサイコトで、大人になりかけの子供が現実(今)を肯定する力を得るのが映画ゆるキャン△。そういう関係性だと思う。
2022-07-04 20:43:34考えれば考えるほど共通項が浮かび上がって来るじゃん。(ざっと調べた限り)私以外に同じ事を考えている人が居ないっぽいのが不思議なくらい。
2022-07-04 20:48:47「映画ゆるキャン△」と「サイダーのように言葉が湧き上がる」を絡めて語ることの意義、このキャプ画だけでもう火を見るよりも明らかでは? (イシグロ監督謹製のサイコト解説動画より引用) youtu.be/7phV1yEQF6M pic.twitter.com/Jf9XftjERD
2022-07-05 01:09:11