爆走！ セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

ジャンプ感想同時並行企画。 『爆走！セックス日本一周』 #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

「あーあ、憂鬱だぜ」俺は自室で一人ふてくされていた。クラスメイトの田中が自転車日本一周をすると聞いたからだ。「夏休みか。俺もそんな青春みたいなことしてえな」「諦めるのはまだ早いわ！」バーン！　自室の扉を開き、女が姿を現した。 #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

クラスメイトの風紀委員、鈴木カナタだ。「お前、どうして」「今からでも間に合うわ」「でも、俺は自転車も持っていない」「私に乗ればいいのよ」「なにっ？」「つまり、私とセックスしながら日本一周すればいいってこと」「お前は何をいってるんだ？」 #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

翌日、俺の家の前にカナタは全裸で現れた。真夏の太陽の強い光に焼かれた白い素肌に玉のような汗が浮かんでいる。そんな姿に挑発され、俺の剥き出しの陰茎はたまらず鎌首をもたげる。それを見てカナタが微笑んだ。「旅立ちの準備は万全ってわけね」 #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

うつ伏せに寝たカナタの上にまたがる。初めてだし、穴がいっぱいあって困ったが、なんとか正解を見つけ出した。「んっ…」小さく腰を動かすと、カナタがスーッと３メートルほど進む。力を入れて腰をグッと動かす。ススーッ。今度は10メートル進んだ。「なるほど理屈はわかった」 #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

「んっ」スーッ。「んんっ」スーッ。「んーッ！」ススーッ。カナタに乗った俺は調子良く進んでいく。後ろを振り返ると、もう自宅が見えない。街並みも見覚えのないものに変わっていく。街の外れまで来たところで今更ながらにドキドキしてきた。俺の夏、俺の日本一周が始まったんだ。 #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

だが、国道に出たところで事件が起こった。赤信号を見て止まろうとしたのだが、あまりに気持ちよかったので、つい動いてしまったのだ。ブーッ！　ブブーッ！　たちまち四方からクラクションが鳴らされ、怒号が飛び交う。俺はカナタから慌てて飛び降り、真っ赤になって歩道に逃げた。 #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

「まったく。とんだ赤っ恥をかかせてくれたわね」カナタがなじるような目で俺を見た。「申し訳ない」「事故がなかったからいいけど。子供やお年寄りが通ってたら大惨事よ」「そうだよな、ゴメン」「安全運転、してよね」そう言ってカナタがゴムを渡してきた。そういえば忘れていた。 #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

日本一周は距離にして12000km。一回のピストン運動で10m進めるので、単純計算で120万回、腰を動かす必要がある。一回のピストン運動の消費カロリーが0.1kcalだとすると、旅を終えるまでに12万kcalを摂取しなければ俺は死ぬ。 #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

東京から出発した俺の旅は早くも東北に差し掛かった。誰か、俺に東北の高カロリーご当地グルメを教えてくれ……！ #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

#セックス日本一周　は読者参加型の小説企画です。ご当地の高カロリーグルメを教えて下さい。

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

「んっ」スーッ「んんっ」スーッ「カナタ、見えたぞ、秋田だ！」俺たちは東北地方へとやってきた。秋田と言えば米どころだ。一歩入れば見渡す限りの水田が広がっている。その水田の中にポツンと一軒だけ営業中の店舗がある。「先は長いから、カロリー摂らないとな」 #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

「おっちゃん、ホルモン焼きそば一つ」ホルモン焼きそばは秋田県横手市のご当地グルメだ。太いストレート麺、目玉焼きに福神漬け、そして味噌漬けされたホルモンが添えられている。「うまそうだぜ」「おい、兄ちゃん。いいのかい、連れのねーちゃん、行っちゃったぞ」「なんだって」 #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

慌てて店を出ると、水田の遥か先をカナタがスーッと進んでいる。「待て、カナタ、待てよ！」しまった。俺が一人でホルモン焼きそばを食べようとしたから怒って行っちゃったのか。「ごめんってば！　一緒にホルモン食べよう」俺は必死に走ってカナタに追いついた。「あッ！」 #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

「んッ」スーッ「んんっ」ススーッ。違う！　こいつ、脳イキしてやがる！　「おい、カナタ、なんだよそれ！　一緒にセックスで日本一周するんじゃなかったのかよ」「えっ、ごめんね。ホルモン食べよ」俺たちは一緒に秋田名物ホルモン焼きそばを食べて仲直りした。 #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

「さ、寒い……」青函トンネルを渡って北海道に入った途端、身を切り裂くような冷気に襲われた。激しい吹雪で1メートル先も見えない。いまピストン運動を止めれば俺もカナタも即死するだろう。ビバークも考えたが、歩道を見ると道民がヒグマに生きながら食われている。ダメだ。 #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

「ワン！　ワン！」助かった、救助犬だ！　犬が首から下げているブランデー樽を俺はグッと呷った。「カナタ、飲めるか？」ダメだ、反応がない。俺はブランデーを口に含んだままカナタに口づけした。「ん……」「良かった！」スーッ。10メートル進む。「キス……初めてだったのに」 #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

エスカロップは北海道を代表するご当地グルメだ。ケチャップライスの上にポークカツ。そこにかけられたデミグラスソースがたまらない。俺たちは猛吹雪の中、ようやく食堂の灯りを見つけて逃げ込んだのだった。ポークカツを頬張るカナタが俺を見て、ポッと頬を赤らめた。 #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

「い、言っとくけど！　さっきは、その、非常事態だったから……変な誤解とかすんなよ！」「わ、分かってるわよ！」俺もキスは初めてだった……。今も胸がドキドキしている。店員や周りの客たちはニヤニヤしながら俺たちを見ている。「セックス日本一周！　若いんだべなあ！」 #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

豪雪地帯、北海道を抜けた俺たちは日本海側をセックスし、新潟へと至った。新潟は米どころだ。見渡す限り水田が広がっている。新潟のご当地グルメはイタリアンだ。焼きそばの上にトマトソースがかかっている。新潟県民はイタリアのことを何だと思っているのだろう。 #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

ハムカツの代用品として普及したとされる赤天を島根で食している時、「ねえ」とカナタが口を開いた。「最近、私たちのセックス、マンネリじゃない？」「そうだな」それは俺も気になっていた。6万回近いピストン運動を繰り返す内に、俺のセックスも効率重視に傾いていたのだ。 #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

それに伴いカナタの快感も減少し速度も落ちていた。このままではまずい。これから俺たちは山口県の関門海峡を渡って九州に上陸する。だが、北九州はトップスピードで駆け抜けなければ危険すぎる。「ねえ」カナタが顔を赤らめながら言った。「体位…変えてみる？」 #セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

カナタの両足を抱えあげて肩に乗せる。いわゆる「深山」の体位だ。これによりカナタの奥深くに突き入れることができる。「んーッ！！」来た、トップスピード！　今までとは比べ物にならない高速度で、俺たちは炎と煙にくすぶ福岡の街を駆け抜ける。#セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

博多ラーメン、辛子明太子、モツ鍋。福岡には様々な名物があるが、全て無視だ。高速で駆け抜ける俺たちのすぐ側にロケットが着弾。爆風を受けながらも俺はカナタを巧みに操り、ヤクザの群れの襲撃に備える。飛んできた手榴弾を投げ返し、Gスポットを刺激する。#セックス日本一周

架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

「「「ヒャッハー！」」」瓦礫を飛び越え、バイクに乗った暴走族が俺たちを追ってくる。「ヒャハハ、セックス狩りだーッ！！」日本一周で最も危険なのがこの北九州だ。8割が北九州で死ぬ。「カナタ、ギアを上げるぞ！」後背位に移行！！「んあー」「ぶっちぎれ！」 #セックス日本一周