【意外と知らない「ウイルスと人体」のメカニズム】 コロナウイルスが広がる今押さえておきたい #東洋経済オンライン toyokeizai.net/articles/-/334…
2020-03-05 08:01:18風邪のときに出る熱は“悪者”?
私たちが通常「風邪」と呼んでいる病気の正式な病名は「かぜ症候群」。その原因の80~90%は「ウイルスの感染」によるものだ。一般的に、空気中に浮遊しているウイルスが、息を吸うことによって鼻やのどに入り、粘膜で増殖して炎症を起こす。炎症が鼻に広がると鼻水や鼻づまりの症状、のどに広がるとせきなどの症状が出る。
そんな風邪の症状の1つに「発熱」がある。しかし、いったいなぜウイルスの攻撃を受けたときに熱が出るのだろうか。そもそも発熱は、人体にとって悪いことなのか。
18~19世紀に解熱剤が開発された当時、発熱は病的な状態であることから「すぐに解熱剤を飲んで是正すべき」という考え方があったという。だが現在、発熱という現象は、体が身を守るための「生体防衛機能の1つ」と理解されている。
ウイルスは「低温で増殖しやすい性質」を持つが、それは発熱で抑制される。例えば、鼻やのどに炎症をもたらすライノウイルスは33℃、インフルエンザウイルスは37℃前後でもっとも活発化する。だが、発熱でウイルスが好む温度を超えれば、それらは増殖しにくくなる。体温が上がると白血球の働きが活発になって、侵入したウイルスなどの外敵と戦う作用が高まり、免疫機能も高まるのだ。
意外と知らない「ウイルスと人体」のメカニズム
コロナウイルスが広がる今押さえておきたい
東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/334013?page=3
なぜ発熱…病原体から体守る コロナ禍ストレス影響も? カラダづくり nikkei.com/article/DGXZQO…
2022-04-01 08:01:02#Fever alters immune #cells so they can better reach infections medicalxpress.com/news/2019-01-f…
2019-01-16 01:00:02発熱が Tリンパ球における熱ショックタンパク質 90(Hsp 90)の発現を増加させることを発見した。
このタンパク質 Hsp 90 は、リンパ球上のインテグリンの一種(α4インテグリン)に結合し、これにより、リンパ球の血管への接着を促進し、最終的に感染部位へのリンパ球の遊走を促進する。
研究者たちは、熱によって誘発された Hsp90 がインテグリンに結合し、インテグリン活性化を誘発することを見出した。
さらに、1つの Hsp90 が 2つのインテグリンに結合し、リンパ球表面上のインテグリンのクラスター化(小さな塊にする)をもたらし得ることもわかった。結果として、クラスター化したインテグリンはリンパ球の遊走を促進するシグナル伝達経路を活性化する。
略
Hsp90 とインテグリンとの間の経路が遮断されたときに、発熱したマウスたちは急速に死亡していった。
また、研究では、このメカニズムは非常に温度依存的であることがわかった。「 Hsp90 は 38.5℃ を超える温度でしか誘導されないことがわかったのです」と、チェン教授は言う。
出典
熱を下げてはいけない : 感染症の治癒メカニズムが人体で発動するのは「体温が《38.5℃以上》に上がったときのみ」であることが中国科学院の研究で判明
俗説 すべての発熱は子どもにとって悪いものだ。
ファクト 発熱は体の免疫システムをオンにします。それらは体が感染と戦うのを助けています。 37.8° ~ 40°C の通常の発熱は、病気の子どもにとっては良いことなのです。
俗説 40℃ を超える発熱は危険だ。それらは脳の損傷を引き起こす可能性がある。
ファクト 感染症による発熱は、脳に損傷を与えません。42° C を超える温度のみが脳に損傷を与える可能性があります。しかし、体温がここまで上がるのは珍しいことで、これは、気温が非常に高い場合にのみ発生します。例としては、暑い時期に閉め切った車内に放置された子どもが挙げられます。
俗説 熱けいれん発作は誰にでも起こり得る。
ファクト 熱を伴うけいれんを起こす可能性があるのは、子どもの 4% (25人に 1人)だけです。
俗説 すべての発熱は解熱剤で治療する必要がある。
ファクト 発熱は、不快感を引き起こす場合 (子供の気分が悪くなった場合) にのみ治療する必要があります。ほとんどの発熱は、39℃ または 39.5℃ を超えるまで不快感を引き起こしません。
俗説 治療をしなければ、熱が上がり続けてしまうのでは。
ファクト それは間違いです。脳は体が熱すぎることを知っているからです。感染によるほとんどの発熱は、39.5°- 40°C を超えることはありません。 40.6° または 41.1°C になることはめったにありません。そして、これらは「高熱」ですが、無害なものです。
俗説 体温の正確な数値は非常に重要なことだ。
ファクト お子さんの見た目や行動が大切です。正確な体温は特に重要なことではありません。
俗説 「微熱」とは、37.1° ~ 37.8°C のことだ。
ファクト これらの温度は正常です。体温は一日を通して変化します。午後遅くから夕方にかけてピークを迎えます。実際には、微熱というのは 37.8° ~ 39° C のことです。
出典
Fever - Myths Versus Facts
https://www.seattlechildrens.org/conditions/a-z/fever-myths-versus-facts/
子どもがみんな解熱剤でやられてしまう
https://indeep.jp/antipyretics-kill-children/
病気における発熱とは、端的には通常、代謝を活発にすることによって回復過程へと導く生理的反応なのであり、そのため、このような正常な合目的的な生理反応である発熱を、無理に薬剤で下げるというのは、一般的には回復過程を妨げるものとなるというべきである。
したがって発熱を伴う病気については、その発熱を生じている原因、すなわち身体を代謝が通常の状態異常に活発にならなければならない状態へと陥らせているその原因を治療すると同時に、一般的にはその発熱状態を無理に下げないこと、すなわち保温が必要となる。
ただし物事はみな条件づきなのであって、特殊なばあい、たとえばそのような活発な代謝が続くことが何らかの障害をひきおこすばあい、具体的には高熱により脳の代謝が活発になりすぎて痙攣をひきおこす、いわゆる熱性痙攣になりやすい幼児とか、脳そのものが自らひきおこした発熱で冒されかねないばあい、あるいは心臓疾患で発熱による循環系への負荷に耐えられないばあいなどには、やむなく解熱剤が必要ということになる。
出典
看護学と医学(下巻)
- 医学原論入門
- (第一編 第二章 第三節 「対症療法としての解熱治療のこわさ」)