映画『さかなのこ』及び沖田修一監督作品感想メモ

メモです。 まず自分自身で、あとで参照できると便利なので。 関連して続けて観た他の沖田修一監督作品(と各原作)感想……『横道世之介』『南極料理人』(ブログ記事に少しだけ『キツツキと雨』も)『子供はわかってあげない』も載せています。 それと観に行くことになった経緯も、映画本編も含んだ「体験」としてもTLの流れと切り離し難い感じでしたので、他の方の発言も入れさせて頂いています。
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すぱんくtheはにーMk-Ⅱ @SpANK888

“そういう「好き」の視野狭窄さとか暴力性をしっかり描いているのがとても良いんですよ” 一週遅れの映画評:『さかなのこ』割れないグラスの夢を見る。|すぱんくtheはにー @SpANK888 #note note.com/spank888/n/nd7… 今日のnote更新です。

2022-09-13 18:00:47
リンク note(ノート) 一週遅れの映画評:『さかなのこ』割れないグラスの夢を見る。|すぱんくtheはにー|note なるべく毎週火曜日に映画を観て、一週間寝かしてツイキャスで喋る。 その内容をテキスト化する再利用式note、「一週遅れの映画評」。 今回は『さかなのこ』です。 ※※※※※※※※※※※※※ いやね、実は先週の映画評がめちゃくちゃスベってしまってwいまだに「なんでこれがウケんのじゃ!」とは思ってるんですけど……それでね、やっぱこう反応だけが目的でやってるわけじゃあないからそれはそれで良いんですけど、とはいえ多少はヘコむじゃん。それは結構がんばったものがウケなかったってことよりも「こんなに面白い映画のことを上手 2 users
相楽 @sagara1

映画『さかなのこ』で描かれる「好き」の暴力性、他人の「好き」への無理解、「好き」以外への無関心は観ると衝撃だよなーとやはり思った。支えられることやそれによる軋轢への無関心(離婚で父と兄が離れるとか)も「好き」を貫くある種の資質みたいな話も凄まじい。 togetter.com/li/1942955 一方、

2022-09-13 20:51:18
相楽 @sagara1

周囲の人も、ミー坊がそんな「好き」しか見えない/見ない存在でなく、普通の人間に戻ろうとすることを許さない、そんな素振りをすると止めたり、「好き」の道に誘導したりする……

2022-09-13 20:51:19
相楽 @sagara1

自分達にできない「好き」を一心に追いかけることを託している(からその道から逸れることを意識的にせよ無意識にせよ許さない)という見方、あるいは人でなく天の意志みたいなのがそう導いているという視点は、他の人の感想見て「なるほど、そういう捉え方も出来るんだ。怖い……」と思わされた。

2022-09-13 20:51:19
相楽 @sagara1

なお周囲がミー坊が「普通」になるのを許さないというの、togetterにも入れさせてもらっているこの話(添付画像)のことで。個人的にはミー坊でもモデルになった現実のさかなクンについてですら「良かった」と言い切るには非常に躊躇いがある、「願いか呪いかでいうとやや呪い」かと思えていたりする。 pic.twitter.com/0eM9O6wJhb

2022-09-13 22:00:36
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相楽 @sagara1

例えば『イリヤの空、UFOの夏』について触れる度に取り上げたくなる「寄せ書き」ほど呪い全振りではないのは勿論だけど。「願い」(や「祈り」)ってしばしば呪いや多大な暴力性を孕むものだよね、という。

2022-09-13 22:03:15
相楽 @sagara1

ところで『さかなのこ』の「好き」の扱われ方についてこうして延々書いてると「お前、虹ヶ咲について書いてた時と togetter.com/li/1880809 「好き」の扱われ方についての見方、めちゃくちゃ違わない?」とか脳内で謎の囁きが聞こえたりもするのだけど、いや、それはそれ、これはこれで、うん……?

2022-09-13 22:07:19
相楽 @sagara1

ひとつ付け足すと、『さかなのこ』ミー坊の支えられることやそれによる軋轢への「無関心」というのは関心を「持たない」(ように目を背ける)のでなく、そもそも最初から「認識外」(そもそも見えていない)だというのがすごい。終盤、寿司屋での母親との会話でその在り方が示されていたりする。

2022-09-13 23:19:42
相楽 @sagara1

寿司屋の壁は外も内も花開いたミー坊の「好き」の具現化のような魚の画で埋め尽くされ。 そこで彼らが食べる寿司だか刺し身だかを出したのは学生時代、ミー坊に纏っていた「好き」≒網セーターを剥ぎ取られた上、

2022-09-13 23:19:43
相楽 @sagara1

「イカには寄生虫がいるから食えない」「アオリイカにはアニサキスはいない」と象徴的にこれまでの人生の認識を塗り替えられ、取ったイカを喰わされたことで新たな「好き」の啓示を受け修行を始め寿司職人になったカミソリモミー。ミー坊の「好き」による暴力的な洗礼で目覚めた使徒みたいな奴で。

2022-09-13 23:19:43
相楽 @sagara1

それを久しぶりに会った母と楽しく食べ、「父ちゃんや兄ちゃんも呼んで一緒に食べたいね」と無邪気に言う。 うっ、と胸を突かれたようになる母。 そこで実は母も父も兄も「魚が苦手だった」ことを知らされ、ミー坊は「まったく知らなかった!」と驚く……。

2022-09-13 23:19:43
相楽 @sagara1

ミー坊はひたすら「好き」だけ見て、無邪気に話し、「好き」をめいいいっぱい周り中に撒き散らす。 それでカミソリモミーのように良き啓示を受ける者もいることも、それに付き合い振り回され支え続ける事に耐えきれず離散した家族のように苦しむ者もいることも、共に全くもって認識、想像の外にある。

2022-09-13 23:19:44
相楽 @sagara1

これは一面において、ミー坊がこれまでの人生が多くの人に支えられていたことに気づき、感謝しつつ更に夢を追いかける力を得るといった、良い話であるのだけど。 反面、これまでのミー坊がもし自分の「好き」が周囲に良くも悪くもどんな影響をもたらしているかに普通に目がいくような人間なら……

2022-09-13 23:19:44
相楽 @sagara1

例えば水槽を売り払ってまで自分たちと生活していこうとするミー坊の犠牲、その魂をごっそり削らせ夢を邪魔してしまっていることに耐えきれず出ていったモモコのように、こうも一心に夢を追い続けることはできなかったかもしれないということでもあるかと思う。

2022-09-13 23:19:45
相楽 @sagara1

夢を追うにはしばしば、こうした生来の「無関心」をも資質として必要とされるのかもしれない……繰り返しになるけど、それは結構怖い話だと思う。

2022-09-13 23:19:45
相楽 @sagara1

なお、これはあくまで『さかなのこ』のミー坊とその「好き」はそう描かれているとも捉え得る、という話であって。 世の中には色々な人間が居るので、周囲の支えや犠牲もよくよく認識しつつ、皆の思いや犠牲を背負い力にして「好き」や夢や憧れに向かい続ける、そんな人や在り方だってあると思うよ。 pic.twitter.com/x9OB8g3gEq

2022-09-13 23:31:01
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相楽 @sagara1

例えば『映画大好きポンポさん』の(キャッチコピー「幸福は創造の敵」は内容より更に偏り過ぎとしても)「好き」を輝かしく形にするにはそれ以外を編集し切り捨て切り捨て切り捨てなくては、というクリエイター論?ほどではなくとも偏ってはいるのかも。『さかなのこ』の「好き」の扱い。

2022-09-13 23:37:18
相楽 @sagara1

『さかなのこ』を観ると「好き」を追い求める中での「好き」の暴力性といった事も気になるわけだけど。 togetter.com/li/1942955 社会の中で生きる人間の「好き」をえげつなく掘り下げた長谷敏司「allo,toi,toi」という短編SF小説があって。 amazon.co.jp/dp/B00P0QOULO/ そうした話題が気になる人はぜひ…

2022-09-15 10:59:10
My Humanity

長谷 敏司

相楽 @sagara1

「好き」についての『さかなのこ』関連のこの流れで「allo,toi,toi」勧めたの、 twitter.com/sagara1/status… 文脈として通っていると思うし本気で勧めてるし、長谷作品のみならず国内SF短編オールタイムベスト上位に数えるし数えられるべき作品とも思うけど、広く勧める上で一抹の不安があるはあるな。 pic.twitter.com/rvB2YNFZ6t

2022-09-15 20:40:30
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相楽 @sagara1

映画『さかなのこ』のタイトル回収場面のように、(未読の方は)ぜひ飛び込んでなにか素敵なものを掴み取ってきて欲しい。

2022-09-15 20:42:33
相楽 @sagara1

『さかなのこ』からの流れで togetter.com/li/1942955 観た沖田修一監督『南極料理人』、一度観て原作読んでもう一度観ると、原作を食材としてテーマに沿って「料理」に仕立て上げてるの見えてくるようで楽しい。 オッサン達がワチャワチャしている様が、愉しい!……のは初見からそうだけど、

2022-09-19 23:20:06
相楽 @sagara1

改めて観ていったとき、堺雅人の家族への思いが料理人としての自尊心が……ゴリゴリゴリゴリいろんな形で様々に事寄せて削られに削られつつも微笑んでいる様、その上であのラストというの……実に愉しい!!

2022-09-19 23:20:06
相楽 @sagara1

というわけで twitter.com/sagara1/status… 映画『南極料理人』で堺雅人の精神がゴリゴリと削られていく様を、その流れと雅人の状態が随時よくわかるように多数キャプチャ画像を交えつつ順を追って解説していく感想を今、まとめていっているのだけど。どうしよう、なんだかすごく愉しい。 pic.twitter.com/DGzmc3ODpH

2022-09-20 01:10:05
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