モータル・ニンジャ・レジスター #1

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

彼に悲鳴を上げさせたのは、壁に貼られたバイオ防水半紙の張り紙である。「忍」「殺」!そしてビーフイーター、センチュリオン、コンジャラー……ザイバツ・シャドーギルドのニンジャ達の名前……最後の行には自身の名「トーメンター」!この紙にもやはりトーメンターの名!

2011-10-03 21:40:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

貼り紙が貼られているのは10枚や20枚ではない……何日かに一度の割合で、トーメンターはこの忌々しい貼り紙を目にする。まさかキョート中にばらまかれているのでは?まさか……!目にするたび彼は激昂してそれを剥がし、その場に居合わせた不幸な市民をさらっては、痛めつけて殺したりもした。

2011-10-03 21:46:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

当然、心が晴れる事はない。むしろ彼は日に日に追い詰められる感覚に陥り、憔悴を深めて行った。このリストの中で、デスナイト、グラディエイター、ソーサラー……彼らは故人だ。彼らは同一のニンジャによって殺されている。ニンジャスレイヤーに。ネオサイタマの死神に。

2011-10-03 21:52:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ。急ぎ足の足音が接近して来るのを彼のニンジャ聴力は聴き取る。「アハ……アハハー」彼はもたれた壁をずり下がり、笑い出した。そして失禁した。撒けなかった。こんなの嘘だ。……そう、今このとき、彼を追跡しているのは、まさにそのニンジャスレイヤーその人……。

2011-10-03 22:01:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「もう嫌だ……」トーメンターは笑いながらヨダレを垂らした。俺が何をした?この14人が何をした?なぜ追われる?狙われる?14人の中の有志はIRCチャネル「#marunouchi_survive」を立ち上げ、情報交換を行っている。14人は数年前のネオサイタマ遠征作戦の参加者だ……。

2011-10-03 22:07:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

そもそもニンジャスレイヤーとは何者なのか?高い位階の連中は把握しているのだろうか?なぜ我々が優先的に狙われねばならない。あれはミッションじゃないか。仕事をしただけだ。こんなの理不尽すぎる。ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ。足音はすぐそこだ。トーメンターは笑った。もう疲れた。殺せ。

2011-10-03 22:11:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「エッサ!エッサイ!」足音の主は角を曲がって現れ、トーメンターのすぐ目の前をそのまま通過して行った。それはヒキャク(パルクール配達業者)だった。ニンジャスレイヤーでは無かったのだ。「アハ……アハハハハ!なんだよッ!アハハハハ!」トーメンターは涙を流して安堵し、笑った。

2011-10-03 22:13:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

その直後、トーメンターの目の前に一人のニンジャが垂直落下してきて、着地した。「アハ」トーメンターの笑みが凍りついた。赤黒の装束。「忍」「殺」のメンポ。はるか頭上、ビル屋上から飛び降りて来た彼はトーメンターを見下ろしオジギした。「ドーモ。トーメンター=サン。ニンジャスレイヤーです」

2011-10-03 22:19:10
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(第二部「キョート殺伐都市」より:「モータル・ニンジャ・レジスター」 #1 終わり。 #2 へ続く)

2011-10-03 22:23:15