日本における「厳罰化」の理由と「被害者支援」が低調な理由

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木下裕一 @hirokazu41519

ロースクールで刑法、刑事政策を教えていただいた浅田和茂先生がおっしゃっていた「厳罰化は最も安上がりな刑事政策」という言葉を思い出している。

2021-08-02 16:27:51
木下裕一 @hirokazu41519

補足しておきますと、厳罰化して刑務所収容が増えると国家予算的には「安上がり」にはなりません。浅田先生がおっしゃっていたのは「政治的コストとして安上がり」という意味です。法律改正時には刑務所予算の増大などは可視化されにくいので。

2021-08-02 18:06:45
木下裕一 @hirokazu41519

逆に被害者支援、例えば犯罪被害者給付金の増額、カウンセリング、医療の充実、加害防止の教育プログラムの充実などは、予算が多くかかる。しかし、恩恵を受けることができるのが犯罪被害者だけ、と考えられている(本当は誰もが被害者になり得るのだけど)ので票になり辛く、なかなか充実されない。

2021-08-02 18:11:14
木下裕一 @hirokazu41519

よく厳罰化に反対すると「被害者の気持ちを考えろ」と批判されるのですが、実際には多くの国民は被害者支援のために国家予算を使うことには賛成していない、という状況が続いているので、手っ取り早くパッと見的には税金がかからない厳罰化に賛成するのが、政治家的には一番得な振る舞いになります。

2021-08-02 18:25:16
木下裕一 @hirokazu41519

なお少年院と刑務所を比較すると、収容者一人当たりの予算は少年院の方がかかる。少年院の方が更生のための教育をより充実して行なっているので。ここでも「厳罰化は安上がり」という理屈が通りやすい(再犯が増えると社会的コストは増大するのですが)ので少年法を廃止、縮小せよという動きになる。

2021-08-02 18:49:45
D.S @sakuraid2

@hirokazu41519 @MichikoKameishi 大学時代、刑事政策の授業で、厳罰化して刑務所や少年院に入れても『ムショ帰りのラベリング』と『悪風感染の恐れ』で改善更生社会復帰になりにくいと教わりました。厳罰化で一時的に国民の溜飲は下がるのでしょうが。。。

2021-08-02 21:54:48
木下裕一 @hirokazu41519

@sakuraid2 @MichikoKameishi 近年、犯罪が減ってきているので、ラベリング効果は逆に厳しくなっているように感じます。

2021-08-02 22:17:34
木下裕一 @hirokazu41519

@online_checker 刑罰よりもよりマイルドな方法で犯罪が防げるならそれがいいですね。

2021-08-03 11:10:34