空海と密教と賢治について

大変興味深く勉強になったのでこのまま消えてしまうのはもったいないと勝手にまとめさせて頂きました。
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紫野京子 @mcshinok

@show3418武士は 「名乗りを上げる」ことがまず基本ですものね。話は変わりますが空海を研究していると、背後に膨大な数の「名もなき人々」の存在がいかに大きなものだったかということに行き当たります。(つづき)

2011-10-04 20:16:36
紫野京子 @mcshinok

一見天皇や貴族を大事にしているように見えて、彼にとっては人に対する形容詞などどうでもいいことで、その人がいかに生きているかということだけが、大切なことだったようです。そして彼の最大の目的は弥勒菩薩の在す兜率天に行き、一緒に再びこの世に戻って来ることでした。@show3418

2011-10-04 20:24:39
中所 宜夫 @show3418

@mcshinok 私の空海は、司馬遼太郎と井筒俊彦とジョージ秋山経由なので、何とも頼りないのですが、兜率天へ行くのは分かるとして、戻ってくるのは何のためでしょう?一人一人の生きように対して、その事が何かの意味を持っていたのでしょうか?

2011-10-04 21:15:05
紫野京子 @mcshinok

@show3418 普通は衆生を救って下さるのは阿弥陀仏と釈迦牟尼仏と言われていますが、釈尊のの救いに洩れた衆生をすべて救って下さるのが弥勒菩薩。釈尊入滅後、56億7千万年後にこの世に下生(下生)する未来仏です。空海はこの時弥勒仏のお伴をして帰って来るそうです。

2011-10-04 22:06:25
中所 宜夫 @show3418

@mcshinok 私が一番解らないのは弥勒菩薩信仰です。永遠の未来にしかやって来ない救いをどうして信じることが出来るのか?もっとも10万年後の未来まで放射性廃棄物を管理しようという私たちですから、数字を口にする位は可能なのですね。

2011-10-04 22:31:39
中所 宜夫 @show3418

@mcshinok 56億7千万年後というのは次なる宇宙の始まりの比喩のように思えます。空海がどういう意図で帰ってくると言うのでしょうか?

2011-10-04 22:33:45
紫野京子 @mcshinok

@show3418 もちろん数字は比喩だと思います。「時」というのはどちらかというと西洋から入ってきた概念で、元々東洋にあったのはそれとは違う「星の巡り」というようなもので、永続的なものなのだと思います。ですから過去、現在、未来というものは本来は永遠そのものの一部であると。

2011-10-04 22:45:01
中所 宜夫 @show3418

@mcshinok なるほど、既に時間は相対化されている、と!しかし弥勒と共に戻って来る、という空海の意図はやはりよく判りません。大日如来と共に常にこの世を祝福している、と言うのならば分かるのですが…。

2011-10-04 22:59:25
紫野京子 @mcshinok

@show3418 空海の一番の望みは、わかりやすく言えばこの世のすべての人を救いたい、という一語に尽きると思います。自分が帰依した弥勒菩薩が、釈迦牟尼がこの世に存在した時に救えなかった人をすべてを救うためにもう一度下生するというのなら、自分も一緒に来て働くということでしょう。

2011-10-04 23:07:16
紫野京子 @mcshinok

@show3418 ただこの場合の「救う」というのは、普通考えられる上から引っ張り上げるという行為ではないのだと思います。空海にとって「救い」とはそもそも天国(これは西洋の概念ですが)や、極楽に行くということではなく、この世にいて仏そのものになるということなのです。

2011-10-04 23:10:41
中所 宜夫 @show3418

@mcshinok やっと少しわかって来ました。「救い」を単なる幻影ではなく、意味を与えて再構築し、それを限定的にしろ実現する方法として、「密教」を提案したということでしょうか?

2011-10-04 23:35:37
紫野京子 @mcshinok

@show3418 そうですね。「提案」という言葉には少し疑義がありますが。元々空海は幼い頃から「仏教いのち」みたいなところがあって、そういう素地は備わっていたのだと思います。一旦は儒教や、今でいうなら政経の勉強をしたりしていたけれど、それでは本当の意味で生きていけないと思った。

2011-10-04 23:46:48
紫野京子 @mcshinok

@show3418 奈良での大学の勉強を放棄して、吉野山や大峰山、四国の大龍山や石鎚山などを駆け巡り、人は大自然や宇宙と一体となることで、本来の自分に立ち戻り、本来の自分の心を知ることができるということを覚った。しかしそれを今までずっと帰依してきた仏教とどう結び付けるか?

2011-10-04 23:53:39
hamagaki seiji @ihatov_cc

素晴らしく多彩な「経由」ですね…w。QT @show3418: 私の空海は、司馬遼太郎と井筒俊彦とジョージ秋山経由なので…、 @mcshinok

2011-10-05 00:33:48
紫野京子 @mcshinok

@show3418 ちょうどこの後から次の「惟(ゆい)」の連載に書こうと思っているところです。さっきこの話題になったので、少し「空海全集」を読み出していたのですが、偶々ぴったりの個所が出て来ました。続きはまた明日に。おやすみなさい。

2011-10-05 00:32:20
hamagaki seiji @ihatov_cc

目から鱗です。賢治も生まれた時から「仏教いのち」で、それとは別に自然や宇宙との神秘的一体感も知っていました。QT @mcshinok: …人は大自然や宇宙と一体となることで、本来の自分に立ち戻り…しかしそれを今までずっと帰依してきた仏教とどう結び付けるか? @show3418

2011-10-05 00:40:39
紫野京子 @mcshinok

@ihatov_cc @show3418おやすみなさいと書いて、facebookを見てまた戻って来たので…。昔から賢治の童話を読むとすごく密教的だと思っていました。

2011-10-05 00:46:09
hamagaki seiji @ihatov_cc

賢治にとっても、自らが神秘体験に開かれてあるという所与と、親しんできた仏教の理論をどう統合するかということは、若き日の課題だったのだと思います。浄土真宗の教義内ではそれは難しかったが、法華経と出会い、ここにまさにそれがあると驚喜した! @mcshinok @show3418

2011-10-05 00:47:29
hamagaki seiji @ihatov_cc

脱自・忘我的な神秘体験との親和性なんでしょうかね…。RT @mcshinok: …昔から賢治の童話を読むとすごく密教的だと思っていました。 @show3418

2011-10-05 00:54:16
紫野京子 @mcshinok

@ihatov_cc @show3418 密教=神秘体験と結びつけるのはちょっと抵抗があるのですが、感応する力というか、自然に対してとか、見えないものを感じる力とかがつよいのでしょうね。…と書きかけた〔密教風の…」の詩を拝見。これは知りませんでした。インドのイメージですね。

2011-10-05 01:02:59
hamagaki seiji @ihatov_cc

賢治に「密教風の誘惑」という詩もあります。 http://ow.ly/6N6P3 @mcshinok

2011-10-05 00:57:55
hamagaki seiji @ihatov_cc

あ、「神秘体験」と言ったのは、まさにそういう意味においてです。ちょっといろいろ誤解も生む言葉でしたね。QT @mcshinok: …感応する力というか、自然に対してとか、見えないものを感じる力とかがつよいのでしょうね。 @show3418

2011-10-05 01:08:49
紫野京子 @mcshinok

@ihatov_cc この詩を見ると、賢治は密教も少しは知っていたのではないかと思います。密教はインドが起原ですしね。空海は華厳宗と密教(この場合は真言宗)しか認めていないのですが。賢治はすごく真面目な人だからこれまで帰依してきた宗派を捨てるまでには至らなかったのでしょう。

2011-10-05 01:10:24
hamagaki seiji @ihatov_cc

「永訣の朝」の宮澤家本では、「どうかこれが兜卒の天の食に変つて」とあり、死んだトシが兜率天に往生するという「弥勒上生信仰」が背景にあることがわかります。 @mcshinok

2011-10-05 01:39:20
紫野京子 @mcshinok

@ihatov_cc 賢治さんは苦しんでいたのでしょうね。親鸞は素晴らしい人ですが、(私の実家も浄土真宗でしたが、)死んだらすぐに浄土に行くのだから悲しむなと言われても納得できませんものね。私も仏様のなかでは弥勒さんが一番好きなのです。大日如来より人間に近くて、しかも遥かな存在。

2011-10-05 01:58:35