Kubernetesの革新の本質

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西田和史(k.bigwheel) @k_bigwheel

昨日、会社の後輩にkubernetesのなにがすごいのか説明していた。kubernetesの革新の本質は、表層的なコンテナオーケストレーションではない。それならECSやdocker swarmもやっていた。

2022-11-09 09:08:05
西田和史(k.bigwheel) @k_bigwheel

Kubernetesが本当にすごいのはInfrastructure as Definitionを実現したところ。 deeeet.com/writing/2018/1… ほぼここに書いてあるようなことでこれはECSもSwarmもTerraformもできなかった革新的な考え方だった。

2022-11-09 09:08:06
西田和史(k.bigwheel) @k_bigwheel

正確に言うとそういった思想・理想は多くのエンジニアインテリ層は持っていたんだけど、このタイプの手法が過去成功したことがないためだれもうまくいくと思っていなかった。 それをGoogleがやれたのは本当にすごいことなんだけど、できた背景はちゃんとあるのが面白い。

2022-11-09 09:08:06
西田和史(k.bigwheel) @k_bigwheel

よく知らないと少数の革新的天才が温めていたアイデアをごく短期間で実装してKubernetesの基本思想ができたように想像しちゃうんだけど、Kubernetesの歴史を見ればわかるように実はGoogleは10年以上前から社内でBorgという非コンテナ用Kubernetesみたいなものを運用していた。

2022-11-09 09:08:06
西田和史(k.bigwheel) @k_bigwheel

Kubernetesにはその知見がふんだんに活用されている。おそらく、初期のKubernetesはBorgのコンテナ版と言ってもいいくらいだったんじゃないかな。

2022-11-09 09:08:07
西田和史(k.bigwheel) @k_bigwheel

そういうわけで、世の中の誰もこのInfrastructure as Definitionが実用可能だと思っていなかったけどGoogleだけはその規模性からそれが可能だと確信していたどころかすでに実績があったわけ。だから、コンテナオーケストレーションレースでは実は圧倒的に優位な点からスタートしていた。

2022-11-09 09:08:07
西田和史(k.bigwheel) @k_bigwheel

しかもその優位性がソフトウェアの基本設計・思想という極めて変えづらいところにあったため、swarmやECSが気づいた頃にはどれだけリソースを追加しても追いつけないほど引き離されていたというわけ。

2022-11-09 09:08:07
西田和史(k.bigwheel) @k_bigwheel

この話の教訓は、僕はGoogleといえど別に少数の天才が天啓を受けて世の中に革新的な考え方を導入しているわけではないということだと思う。膨大な挑戦と多くの失敗と、残った少数の成功を大事に育てて実績にしたものがあるきっかけで世の中に出て多くの人を幸せにする。

2022-11-09 09:08:08