『すずめの戸締まり』と天皇について

『すずめの戸締まり』と天皇の関係について考察している批評的なツイートをまとめました。急いで作ったのであとで整理します。
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杉田俊介 @sssugita

藤田さん→新海誠の神道/スピリチュアリズムは、天皇制/国家神道とは別物なんだと『新海誠論』で書いた。あくまでも縄文や蝦夷などの迫害された人々の側のスピリチュアリティ。しかし、映画版はどうか。迷うところ?。文庫版よりも、映画版では皇居/天皇の問題は少し背景に退いているが……。

2022-11-11 20:23:06
杉田俊介 @sssugita

新海誠は、もともとは女性二人の物語にしようとしていたんですね。プロデューサーに、日本ではまだ早すぎる、と言われて、現在の男女の恋愛物語になった。

2022-11-11 20:24:49
杉田俊介 @sssugita

土居さん→草太と芹沢の関係は、同性愛/BLとは言わないけど、「聖☆お兄さん」的な、大らかな男同士の愛、神々の愛の関係なのでは。草太と芹沢は付き合っている、そう考えると、すずめが一方的に恋愛感情で盛り上がっていく、という空回り?の物語なのかも…。なるほど。

2022-11-11 20:32:49
杉田俊介 @sssugita

土居さん→『すずめ』では、新海的な「美しい背景」の機能が多義的に使われている。後半、福島の風景。『君』の滝君の声(神木隆之介)で「きれい」と言い、すずめが「どこが?」と切り返す。そこで一瞬、福島第一原発が映る。

2022-11-11 20:35:58
杉田俊介 @sssugita

なるほど。明らかにすずめの「子どもになり損ねた存在」(水子)なんですよね。要石=人柱=石女=うまずめ=すずめ、という連想が働くような……。 twitter.com/mayuqix/status…

2022-11-11 20:39:31
倉沢 繭樹 @mayuqix

@sssugita 僕は、ダイジンは「男性支配社会の犠牲になってきた女性たちの無念」ように見えました。女帝=シャーマン=すずめが要石=男性支配社会の矛盾の「防波堤」という人柱的役割から解放したので、すずめに変革を期して案内・随行する存在になる。草太を椅子にする呪いも、男性性への「復讐」に見えました。

2022-11-11 20:35:14
杉田俊介 @sssugita

ダイジンが草太を強く嫌い、呪いをかけ、イス=要石に変える、というのもかなり動機が意味不明だったのですが、男性憎悪の問題も絡んでいるのかも……

2022-11-11 20:43:23
KEIちゃん(a.k.a.やさくまムービー) @kei_chan555

《「新海誠」評論本の著者が語り合う!『すずめの戸締まり』最速批評》@ネイキッドロフト横浜 ・新海音痴なので識者の深い見解を聞いてみようと思いすずめ未見のまま参加。ネタバレ全開だが情報量が多過ぎて断片的にしか記憶がない。民俗学、古事記、椅子はエロス、川村元気等印象的。楽しかったです pic.twitter.com/l4NLPSMbYT

2022-11-11 22:54:12
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takahito konishi @connie_tkht

土居伸彰×藤田直哉の新海誠論対談at NakedLoft、現地拝聴。すずめネタバレありレビュー。すずめのアレコレはさておき… 現実肯定をどこまで突き詰めるか。ゆく先の、文化・人種・日本的なものの越境、「ハイブリッド」への相対などの課題(仮説)はとても興味深くこの先も楽しみに。面白い対談でした。 twitter.com/connie_tkht/st…

2022-11-12 00:12:49
takahito konishi @connie_tkht

『新海誠』(土居伸彰著)、『新海誠論』(藤田直哉著)、それぞれひとまず読み終えた。間に合った。 pic.twitter.com/6jlm0xbxVY

2022-11-11 18:44:48
杉田俊介 @sssugita

宮崎駿論や橋川文三論で書いたけど、自分もまた民俗や宗教混合の先にある日本の(雑多化ではない)雑種化=混血化の過程に希望を託すからこそ、ポストコロニアルとか多文化主義の蓄積をきれいに消し飛ばした『すずめの戸締まり』には、どうしてもノレないのだろうな。宮崎駿とは全く似ていないとおもう… twitter.com/sssugita/statu…

2022-11-12 01:56:31
杉田俊介 @sssugita

『すずめの戸締まり』。観た。わりとシンプルなアクション映画という感じ。新海誠の、東日本大震災の被災地への思いは少なくとも本当に強烈なのだな、と思った。天皇(制)については、母性(母権)なき女帝の話だった。天照。「犠牲性」によって、被災者庶民と天皇が一体化して、未来の国土を肯定していた twitter.com/sssugita/statu…

2022-11-11 10:54:41
杉田俊介 @sssugita

初日の印象だけで言うと、批評・評論界隈の政治的感度の低さがかなり気になるところ。2016年に比べても格段に。天皇(制)とジェンダーの問題を中核におかずにこの作品を論じられるとは思えないのだが…

2022-11-12 02:12:38
前Q(前田久) @maeQ

「それ以前から少しずつ距離は感じていたけど、『もののけ姫』で完全に宮崎さんが遠くにいってしまったと思った」みたいなことを語る年上のアニメ好きが結構いる印象なんだけど、『すずめの戸締まり』は私と年齢の近い新海誠監督ファンにとって近い位置付けの作品になりそうね。評価とは関係なく。

2022-11-12 11:03:36
前Q(前田久) @maeQ

作家が社会的な成功を手にしつつ成熟するって、そういうことなんだろうなぁ……みたいな心境です。

2022-11-12 11:04:59
藤田直哉@『現代ネット政治=文化論』刊行予定 @naoya_fujita

というのは、キャラクターだけじゃなくて、物語にも「棒人間性」があるわけですよね。大塚英志-ウラジミール・プロップの考え方(『昔話の形態分析』とか)の影響を『星を追う子ども』を作る際に新海監督は大きく受けて、「構造」として物語を組み立てるわけですが、「構造」って「棒人間」ですよね

2022-11-12 11:08:56
藤田直哉@『現代ネット政治=文化論』刊行予定 @naoya_fujita

村上春樹も「構造だけ」みたいに言われることが多いんだけど、新海誠とは違う部分があると思う。抽象度が高く、色々なものが寓意的に重ねられやすい「構造」を重層的に使う、という技が、新海作品の「大衆性」の由来かな、と。それは複雑さや解像度の高さを犠牲にするわけだけど

2022-11-12 11:10:36
藤田直哉@『現代ネット政治=文化論』刊行予定 @naoya_fujita

しかし、それは「大衆エンターテインメント」としての使命としてやむを得ないんだと思う。アカデミックで高度で複雑な層と、単純で直感的で分かりやすい層、そこを同居させながら「つなぐ」使命を果たしているのが大事なんじゃないかと。

2022-11-12 11:13:37
藤田直哉@『現代ネット政治=文化論』刊行予定 @naoya_fujita

複雑で深刻で多元的でややこしいものは、大事だが、一般大衆が自発的に喜んで摂取するとは限らない。震災のドキュメンタリー映画の上映にはあまり行かないわけじゃない。しかし、エンタメにしてしまえば、見せられる。その「同居」、高度な同居こそが、ここ数作の新海誠作品の凄みかなと

2022-11-12 11:15:36
藤田直哉@『現代ネット政治=文化論』刊行予定 @naoya_fujita

知性・知識・情報の高度化と洗練を志向する「都会」「インテリ」「民主党」的なものと、自然・素朴・霊性などを志向する「田舎」「肉体派」「共和党」的なものの分裂を折衷しようとする作品として『君の名は。』を読んだけど、大衆エンターテインメントをそういう「場」として設定してるんじゃないかな

2022-11-12 11:19:09
藤田直哉@『現代ネット政治=文化論』刊行予定 @naoya_fujita

以前、国際交流基金さんのWEBマガジンの「物語を伝える―災厄を越えて―」特集に、そういう趣旨の文章を掲載していただきましたが、それを思い出しました。wochikochi.jp/special/2021/0…

2022-11-12 11:22:10
杉田俊介 @sssugita

なくともニッポンの消費者や観客においては、「百合期待!」「BL妄想捗る!」「性癖!」みたいなのが、マイノリティの歴史や文脈をキャンセルするばかりか、作品の政治性や社会性から都合よく目を逸らすために機能しているし、その傾向は日々強まっているという印象(評論家や批評家においても)

2022-11-12 11:53:35
杉田俊介 @sssugita

震災が心理学的なもの(否認、絶望、受容)として一貫して捉えられている、ということは極めて危ういと思うが。自然災害と原子力を切断してしまうことも含めて。震災はこの国の内的矛盾や非対称を露にしたはずなのに、「震災というトラウマを受容する傷付いた主体=純粋国民」が捏造されている

2022-11-12 12:00:13
YAMASHITA, Takashi @Yamacha611

「(若林幹夫教授は)「過去を都合良く理想化し、そこに帰りたいというレトロトピア的なムードが広がり、右派のポピュリズム(大衆迎合主義)を勢いづかせた」と話す」 ノスタルジアが呼ぶ幽霊:日本経済新聞 nikkei.com/article/DGKKZO…

2022-11-12 12:39:59
杉田俊介 @sssugita

社会的PC的なものとエンタメ性を融合させて高次元の政治的享楽を作り出そう、というのが近年の世界的潮流だと理解していた。しかし『すずめ』については、少なくとも初動は、PCなんて忘れたとばかりに絶賛と快楽の嵐が吹き荒れているように見え、評論や批評の潮目の変化を感ずる(劣化と言うのはやめた)

2022-11-12 14:05:52
杉田俊介 @sssugita

原発が一瞬だけ映るのも、小説版にくらべて皇居の意味がやや曖昧にされるのも、アジアや中東の労働者が「いない」のにローソンのバイト店員が白人女性なのも、なんというか、ぜんぶわかっていて防衛線をはりめぐらせている感じがする…

2022-11-12 14:11:21
てらまっと𝕏 @teramat

これはわたしもわかる気がする。すずめの戸締まりはこのわたしではない、しかしこのわたしの生存を可能にしている存在の話、もっといえば祭祀王としての天皇・皇后=キミとボクの話なんですよね。セカイ系って要するに皇室の話だから

2022-11-12 17:50:19
八月のペンギン @August_penguin

新海誠監督『すずめの戸締まり』鑑賞。映像面は宮崎駿の多大な影響下にあり、また、モチーフは村上春樹の短篇「かえるくん、東京を救う」(『『神の子どもたちはみな踊る』所収)を明らかに踏まえています。でも、いちばんは諏訪信彦監督『風の電話』です。ロードムービーのプロットが酷似しています。

2022-11-12 17:55:20
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