2022年度、エアミス研ランキング、総合ランキング

エアミステリ研究会の2022年度ミステリランキングおよび総合(ミステリ漫画&ゲーム&映像作品)ランキングをまとめました。
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麻里邑圭人 @mysteryEQ

【6点】 阿泉来堂「忌木のマジナイ 作家・那々木悠志郎、最初の事件」 エイドリアン・マッキンティ「レイン・ドッグズ」 小川哲「君のクイズ」 加賀美雅之「加賀美雅之未収録作品集」 片岡翔「その殺人、本格ミステリに仕立てます。」 河合莞爾「豪球復活」

2022-11-19 22:15:58
麻里邑圭人 @mysteryEQ

羽純未雪/二階堂黎人「呪縛伝説殺人事件」 降谷さゆ「スノードロップ ―雪の雫の日記―」 ヘンリー・ウェイド「ヨーク公階段の謎」 ヨルン・リーエル・ホルスト「警部ヴィスティング 悪意」

2022-11-19 22:16:24
麻里邑圭人 @mysteryEQ

【5点】 竹田人造「AI法廷のハッカー弁護士」 宮田光「沼の国」

2022-11-19 22:16:52
麻里邑圭人 @mysteryEQ

【4点】 風森章羽「私たちは空になれない」 鴨崎暖炉「密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック」 長浦京「プリンシパル」 東川篤哉「スクイッド荘の殺人」 三津田信三「赫衣の闇」 山本巧次「大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう ステイホームは江戸で」 ルーシー・フォーリー「ゲストリスト」

2022-11-19 22:17:11
麻里邑圭人 @mysteryEQ

【3点】 織守きょうや「夏に祈りを ただし、無音に限り」 シルヴィア・モレーノ=ガルシア「メキシカン・ゴシック」 ホリー・ジャクソン「優等生は探偵に向かない」 レオ・ブルース「レオ・ブルース短編全集」

2022-11-19 22:17:34
麻里邑圭人 @mysteryEQ

【2点】 有栖川有栖「捜査線上の夕映え」 谷原秋桜子・愛川晶「教え子殺し 倉西美波最後の事件」 水生大海「ランチ探偵 彼女は謎に恋をする」 門前典之「卵の中の刺殺体 世界最小の密室」 劉慈欣「円 劉慈欣短編集」

2022-11-19 22:17:59
麻里邑圭人 @mysteryEQ

【1点】 芦辺拓「名探偵は誰だ」 紙城境介「継母の連れ子が元カノだった9 プロポーズじゃ物足りない」 小島正樹「仮面の復讐者」 中山七里「人面島」 日向夏「薬屋のひとりごと12」 マリー・ルイーゼ・カシュニッツ「その昔、N市では カシュニッツ短編傑作選」

2022-11-19 22:18:20
麻里邑圭人 @mysteryEQ

では、ここからはベスト3の発表です。

2022-11-19 22:19:54

3位🥉

麻里邑圭人 @mysteryEQ

3位:北山猛邦「月灯館殺人事件」【72点】「令和の新本格カーニバル」の一冊として書き下ろされた館ミステリ。作者らしい物理トリックも健在だがやはり特筆すべきは本来なら有り得ないトリックを強引に成立させてしまった唖然とする動機であり、読む人間の本格に対する価値観が問われる問題作である。

2022-11-19 22:21:43
リンク 講談社BOOK倶楽部 『月灯館殺人事件』(北山 猛邦):星海社FICTIONS 製品詳細 講談社BOOK倶楽部 あの北山猛邦が真正面から「館」に挑む正統派新本格ミステリ! 「本格ミステリの神」と謳われる作家・天神人(てんじん・ひとし)が統べる館、「月灯館(げっとうかん)」。その館に集いし本格ミステリ作家たちの間で繰り広げられる連続殺人! 悩める作家たちはなぜ/誰に/何のために殺されるのか? 絢爛たる物理トリックの乱舞(パレード)とともに読者を待ち受ける驚愕のラストの一文(フィナーレ)に刮目せよ!! これぞミステリの進化の系統樹の最前線にしてネオ・クラシック! <星海社 令和の新本格ミステリカーニバル>シリーズ、開幕
麻里邑圭人 @mysteryEQ

続いて第2位はこの作品。

2022-11-19 22:22:46

2位🥈

麻里邑圭人 @mysteryEQ

2位:夕木春央「方舟」【99点】地震で地下に閉じ込められるという極限状況下での連続殺人を描いた長編ミステリ。犯人探しにおけるシンプルながらも練られたロジックも魅力的だが、全てが終わった後に炸裂するスマートにして邪悪な企みには思わずにっこり。間違いなく作者の代表作になるであろう傑作。

2022-11-19 22:23:15
リンク 講談社BOOK倶楽部 『方舟』(夕木 春央) 製品詳細 講談社BOOK倶楽部 9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か? 大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。 翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。 そんな矢先に殺人が起こった。 だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。 タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければなら 13
麻里邑圭人 @mysteryEQ

そして、2022年度のエアミスランキング第1位を射止めたのはこの作品。

2022-11-19 22:24:01

1位🥇

麻里邑圭人 @mysteryEQ

1位:白井智之「名探偵のいけにえ」【157点】「名探偵のはらわた」に続く名探偵と実在の事件をテーマにしたシリーズの二作目。カルト教団の地で次々と起こる不可能犯罪、奇想とロジックが入り乱れる多重推理、そして名探偵テーマと結び付く究極のホワイダニット……現時点の白井智之最高傑作である。

2022-11-19 22:24:36
リンク www.shinchosha.co.jp 白井智之 『名探偵のいけにえ―人民教会殺人事件―』 | 新潮社 病気も怪我も存在せず、失われた四肢さえ蘇る、奇蹟の楽園ジョーデンタウン。調査に赴いたまま戻らない助手を心配して教団の本拠地に乗り込んだ探偵・大塒は、次々と不審な死に遭遇する。奇蹟を信じる人々に、現実世界のロジックは通用す
麻里邑圭人 @mysteryEQ

【総評】 2022年度は白井智之の年だった。そう断言してしまっても決して過言ではないほどのぶっちぎりの1位である。白井智之と言えば多重推理とグロだが、「名探偵のいけにえ」に限って言えばグロの代わりにエモさ(!)を詰め込んでおり、そういう意味では白井初心者にも勧めやすいだろう。

2022-11-19 22:26:23
麻里邑圭人 @mysteryEQ

2位の夕木春央「方舟」もまた今年の話題作で、前作「サーカスから来た執達吏」に比べると奇想こそ物足りないものの、その代わりある邪悪な企みをスマートに演出して多くの読者を奈落に突き落としてみせた。こちらも夕木春央の入門編としてお勧めしやすい一作である。

2022-11-19 22:26:23
麻里邑圭人 @mysteryEQ

逆に3位の北山猛邦「月灯館殺人事件」は見た目の取っつきやすさとは裏腹にかなり読む人を選ぶ作品となっているが、作者の久々の長編なのもさることながら突き抜けた作品であるのは確かなので我こそはと思うミステリファンには是非挑んで頂きたい。

2022-11-19 22:26:24
麻里邑圭人 @mysteryEQ

また5位から10位までの作品は得点からも分かる通りかなりの接戦だったが、中でも興味深いのは9位と10位だろう。9位のスチュアート・タートン「名探偵と海の悪魔」は海外作品も投票の対象となった2019年以降、初の海外からのベスト10ランクインである。

2022-11-19 22:26:25
麻里邑圭人 @mysteryEQ

一方10位の笠井潔「煉獄の時」と笛吹太郎「コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎」は各作品へのコメントでも軽く触れたが、片や重厚にして集大成、片や軽本格にしてデビュー作と見事なまでに対照的であり、こういう面白い現象が見られるのもエアミスランキングならではと言えるだろう。

2022-11-19 22:26:25
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