歌鳴の１４０字SSまとめ

歌鳴(かなり) @kanakanari

【那藍】「藍ちゃんはバウムクーヘン食べたことある？」「無いけど？」「じゃあ、これどうぞ！」差し出された、小さな包み。「まあ、貰っておくよ」「わあ、ありがとうございます！」「どうしてお礼を言うのさ」「だって、受け取ってくれたから！」こんな小さなことでキミは喜ぶんだね。「……変なの」

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【藍春】「美風さん、どうですか？」ワクワクした顔。「ダメ、やり直し」「そう、ですか……」ガッカリした顔。「でも、Ｂメロはいい。だからそのままで」「はい、ありがとうございますっ！」ニコニコした顔。「……七海さんって、見てて飽きないよね」「え？」小さなことで、あなたの顔は変わるから。

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【那春】「ハルちゃんつかまえたっ」「ひゃあっ！」ぎゅーっと、後ろからハルちゃんを抱き寄せる。「な、那月くん……」「ハルちゃんはふわふわで、いいにおいがするね」「えっ、そんなことないですよっ」顔が真っ赤なハルちゃんが否定する。僕が小さなことを褒めるだけで照れる彼女は、本当に可愛い。

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【砂薫】「ボク、砂月さんに名前呼ばれるの好きです」「なんだ唐突に」「なんとなく言っておきたかったので」「そうかよ」ふっ、と砂月さんが笑う。小さなことだと、笑わないで。それだけでボクの心臓がどんなに脈打つか、知らないでしょう？だから。「かおる」ニッと笑って、ボクの名前を呼ばないで。

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【砂薫】「チビに比べりゃデケェっつっても、お前も十分チビだよな」軽くボクの頭を叩きながら、砂月さんが言う。「砂月さんに比べれば、大体の人が小さいと思いますよ。それに、ボクはこの身長で満足してるんです」「へえ？」ぽふり、砂月さんへ抱き付く。「ほら、抱き付くのに程良い高さでしょう？」

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【砂那】『さっちゃん、頭を撫でてみて？』鏡の前、内側にいる那月が言う。「こうか？」『うんっ、今日もお疲れ様～』楽しそうに言う那月。実体で出来ない代わりか。「……那月、そのまま鏡見てろ」『え？　あ、うん』那月の返事を聞いて、俺は鏡に向かってキスをする。「お前にも、頑張ったご褒美だ」

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【砂薫】ヴィオラが歌ってる。砂月さんの演奏を聴く度、そう思う。「ボサッとしてないでお前も弾け」砂月さんの言葉に、ヴァイオリンを構えようとしていたのを思い出す。「砂月さんがヴィオラで綺麗に歌うから、つい聴き惚れてて」ボクが言うと、砂月さんは言った。「何をしてなくても俺に惚れてろよ」

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お題は『震える手から渡されたチケット・簡単な言葉さえも言えない・崩れ始めた関係・顔も声も思い出せなくなった・Secret』です http://t.co/3MRRYL0d 　砂春・翔春前提の薫→春・翔春←那・HAYA春(トキ春)・音春、で140字SS。

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【砂春】「これ、那月くんが観たいって言っていた映画で、その……」「代わりに、お前と一緒に観に行け、って？」こくりと、春歌が頷く。まだ俺に慣れてもいないクセに。手が震えてるのがいい証拠だ。「……いいぜ、行ってやる」だがまあ、その勇気は認めてやる。那月を傷つけたのは許してないけどな。

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【薫春】「……で、その時の翔くんは、とても素敵でしたっ」「じゃあ、予約録画して楽しみにしておかないと」笑顔で、七海さんが翔ちゃんの話を聞かせてくれる。分かってるんだ、好きな人の話だからの笑顔だって。分かってるんだ、ボクに望みは無いことは。言いたくても言えない。あなたが好きだとは。

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【翔春←那】「あ……あれ？」僕は自分の胸元を掴んで、呟いた。翔ちゃんと七海さんが仲良しなのは、可愛くて、微笑ましくて。でも少しだけ羨ましい。それだけだったのに。どうしてかな、僕の胸の中、真っ黒な気持ちがもやもやとしてる。僕はもう、翔ちゃんのことを、素直に憧れられないかもしれない。

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【HAYA春(トキ春)】わたしが作曲家としていられるのは、目指すきっかけとなったHAYATO様のおかげ。だけど、どうしてでしょう。HAYATO様の笑顔も、声も、もう思い出せない。トキヤくんと同じだと、分かっていても。僅かに違ったそれが、思い出せないのです。あんなに憧れていたのに。

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【音春】「このことは、内緒だからね」へへっ、とはにかんだように笑って言う音也くん。「はい、秘密ですね」わたしも答える。誰にも言いません、音也くんがここで泣いていたことも。内緒だと言いながら笑っていても、まだどこか泣いているように見えたことも。誰にも言わない、わたしだけの秘密です。

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【140字SS指定メモ】四ノ宮ズを手玉に取る来栖兄弟(那翔＆砂薫)、黄黒、砂薫、黒黄(お誕生日)。

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【来栖】「今日の砂月さん、やけに機嫌悪くて」「それ、仕事絡みだ。俺もその現場見たから知ってる」「そうだったんだ。まあ、頬にキスしたら元通りだったけど」「あいつら単純だからなぁ……那月もミスしてヘコんだ日は、抱き付いてやったら回復するんだよ」「なんていうか安いよね」「助かるけどな」

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【黄黒】「黒子っち、ハグさせてください」「イヤです」「即答っスか!?させてくださいよー……」「……少しだけですよ」「やった！んじゃ、いくっスよー」ぎゅっと抱き付いて、ちゅっと頬にキス。「……頬へのキスはしていいと言ってないです」「オレからのサービスっスよ、愛する黒子っちだけに！」

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【砂薫】「雨のにおいがする」すん、と砂月が小さく鼻を鳴らす。「雨、のにおい？」「分からないか？」薫は頷いて肯定した。「独特なにおいがするんだよ」「なんだか、犬みたいですね。においで分かるなんて」「……お前のにおいも分かるぜ」砂月が、薫の首元へ鼻を寄せる。「猛犬、手懐けてみるか？」

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【黒黄】「黄瀬君、誕生日おめでとうございます」「覚えててくれたんスか!?」「一応は。プレゼントはありませんけど」「いいっスよ、別に！祝いの言葉だけでも十分っス！」「……練習の後、一緒に何か買いに行きましょうか」「え……？」「言葉だけで喜ばれたので、それ以上の姿が見たくなりました」

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【薫友】「……で、結局、誕生日仕事でいっぱい」「でも現場で祝ってもらったんじゃない？」「ま、ね。スタッフさんがケーキ用意してくれて」「ふうん……」「で、薫ちゃんは？」「祝って欲しかったの？」「祝ってくれるんでしょ？」「……電話越しで、少し遅れたけど。誕生日おめでとう、友千香さん」

歌鳴(かなり) @kanakanari

脱字あったわ泣きたい！急拵えでごめんね友千香ちゃん！！　友千香ちゃんは電話で薫くんに愚痴ってたらいいと思うの！翔春ちゃん見守り同盟から始まって仲良くなればいいじゃない！

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こっちだって言われたからこっちにする(しろめ) RT @kimi_0812 今日の来栖兄弟のお題は、『すきって言えない』『おあずけ』『夢の中だけでも』です。 #jirettai http://t.co/RplLwiKP かなりさん！こっちやで！！！

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「ボク、翔ちゃんのこと、大好きだよ」「サラッと言うなよ、恥ずかしいなぁ」苦笑しつつ顔を真っ赤にして翔ちゃんは言う。「だって大切な家族だもん」「まぁな……俺も薫のこと好きだぜ、大切な弟だからな」「うん、知ってる」ボクは笑う。『すきって言えない』恋慕の感情を込めては、とても言えない。

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ふ、と息を吐いて。す、と吸って。ふ、と吐く。「翔ちゃんまだ？」「う、うるせー！」「今更照れなくてもいいのに」「お前があっさりし過ぎなんだよ…」「そうかなぁ」「そうだよっ」そう言って、また。ふ、と。す、と。「よしっ」ちゅ、と額に。「唇までは、長いね」いくらでも待つけど。『おあずけ』

歌鳴(かなり) @kanakanari

「願いが叶うのは、ここじゃない」俺は呟いた。「ここって、名古屋？」「違う、現実だ」「…もしかして、病気のこと？」そろりと問う薫。「それも違う、それは乗り越えてアイドルになってみせる」「…じゃあ、何なの？」「お前には、言えないこと」『夢の中だけでも』夢の中でなら、言ってやれるのに。