- kankancank28207
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患者さん「ダイエットと健康のため、コンビニのサラダチキンを毎食1個とってます」 医師「あれカロリーあるし、塩分けっこう高いですよ」 と言いたくなるのをこらえ、 医師「ダイエットと健康のため、いいですねぇ。そのために、サラダチキンで気になることもあるので、お話してもいいですか?」
2022-10-22 06:25:51医師「たとえば、カロリーはどれくらいか確認されてますか?」 患者「100くらいでした」 「カロリーについてはしっかり確認されているんですね。塩分はどうでしょう?」 「いや、そこまでは……」 「いま調べてみますね。……だいたい1.5g前後です。3食ということは……」 「4.5gですね」
2022-10-22 06:30:41「WHOでは、一日の減塩目標を5gに」 と言いたくなるのをこらえて、 「一日の塩分はどれくらいに抑えるほうが良いか、ご存知ですか?」(知識の確認) 「いえ、8gとか?」 「おしい! WHOの目標についてお伝えしてもいいですか?」
2022-10-22 06:34:58サラダチキンに関する情報
限られた診察時間で、こんなまだるっこしいやりとりなんてできない! という意見が出るだろうし、実際まったくそのとおりだと思う。 とはいえ、効果が薄いことを重々承知で、あるいは効果がないことにイライラしながら、一方的な情報提供を続けるのも精神衛生上よくない気がする。
2022-10-22 06:39:39こういう手法を会話の一部に少し取り入れるだけでも変化はあるはずだし、そうするとこちらのモチベーションも高まり、手法をさらに学ぶことで会話運びが上手くなり……、という相乗効果が期待できる。 患者さんのためにも、医療者自身の精神衛生のためにも、本書を勧める。 amzn.to/3MTeE9x
2022-10-22 06:44:00一番最初の会話、せっかく「ダイエットと健康のため」と患者さんが言っているのに「いいですね」と承認しているだけなので、これは惜しいやりとりだった。 「ダイエットと健康のためですか、いいですね。何かそう考えるキッカケがありましたか?」 ここまで尋ねれば、動機が意識されて良かった。
2022-10-22 06:53:03ほとんどの人が分かっているとは思うけど、念のため追記しときます。 この一連ツイート、塩分やカロリーについての啓発目的ではないです。 そういう反応もけっこう多いので……。
2022-10-22 16:47:33こんなまだるっこしいのはやめてほしい、直接に言ってもらうほうが良いという人も多い。そういう人たちは、そのほうが行動を変えられるのかな、きっと。 俺は親から勉強しなさいと言われてもしないタイプだが、そういう直接的指導のほうを好み、かつ実践できる人は本当にすごいと思う。
2022-10-22 16:55:32いろいろな反応があるが、勘違いしている人もけっこう多い。たぶん、健康な人だと思う。 患者さんはなぜ病院に来続けるのかというと、正しい知識を得るため、ではなく、治るため、もっと楽になるため、良くなるためだ。
2022-10-23 07:35:38知識だけサクッと教えてほしいという人は、それで行動を変えられる人なのだろうが、病院に来続ける必要のある人たちの多くが「分かっちゃいるけど変えられない」。 そういう人たちの行動を変えるのが医師の仕事で、「正しい知識を伝える」のは仕事の極々一部にすぎない。
2022-10-23 07:37:42たとえば。 患者さん「タバコやめて電子タバコにしました」 医師「電子タバコも体に悪いですよ」 これで電子タバコもやめてもらえるなら簡単だが、そう簡単にいくと思えるだろうか? 思える人は……、楽観的すぎる。
2022-10-23 07:44:55そこで、こう尋ねる。 「電子タバコにしたのには、なにか理由があるんですか?」 「少しでも健康にいいかなと思って」 「なるほど、健康を意識されているんですね」 「自分の健康もですけど、家族の健康も。ほら、副流煙とか」
2022-10-23 07:47:59「自分だけじゃなく、家族の健康のためにも、タバコを電子タバコに変えられたんですね」 「そうです」 「なるほど、素敵な考えだと思います。それで、電子タバコについて、少し気になる話もあるので、お伝えしてもいいですか?」
2022-10-23 07:50:12ここまで書いても、きっとまだまだ理解や納得ができない人は多数いるだろう。 それこそまさに、知識(本件では動機づけ面接の一部)を伝えられたからといって、それで何かを変える人ばかりではない、という見本なのである。
2022-10-23 07:55:48動機づけ面接を知って「すごい」「やってみよう」と思える人には、この面接について動機づけ面接的な手法で伝える必要はない。 逆に「やらない理由」「受け入れない理由」が次々に出てしまう人にこそ、この面接について動機づけ面接的な手法を用いる必要がある。 という、面白い構図を発見。
2022-10-23 08:57:30その他情報