作家・高橋源一郎さんの「午前0時の小説ラジオ『あの日から考えてきたこと・・・ぼくらの間を分かつ分断線』」

作家の高橋源一郎さん(@takagengen)が久しぶりに午前0時の小説ラジオ連続ツイートをされたので、まとめました。 3月11日の東日本大震災以降、見えてきた私たちの間を分かつ分断線について
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高橋源一郎 @takagengen

分断線⑲ いま、ぼくたちは、たくさんの分断線を引いている。考え方の微細な違いにこだわり、分断線を増え続けている。そして、その線の内側から、その外側にいる連中に、恐怖の、もしくは侮蔑の視線を注ぐのである。そうやって、ぼくたちは衰えてゆくのだ。

2011-10-17 00:40:03
高橋源一郎 @takagengen

分断線⑳ 正反対の考えを持つ「敵」の意見の中に、耳をかたむけるべきものが少しでもあるなら、耳をかたむけたい。仮に、相手が、こちらの意見に一切、耳をかたむけないとしても。誰かが銃口を下ろさない限り、「戦争」は終わらないのだ。だとするなら、最初に銃口を下ろす側に、ぼくはいたいと思う。

2011-10-17 00:42:25
高橋源一郎 @takagengen

分断線21・でも実際は、ぼくたちは、正反対の考えの持ち主にではなく、近い考えの持ち主との、ささやかな違いの方に、一層、苛立つ。しかし、彼らは「敵」なのだろうか。違いより、共通のものの方がずっと多いのではないだろうか。

2011-10-17 00:44:15
高橋源一郎 @takagengen

分断線22・「いまは、そんなことをやっているべきではない。こっちの方が大事だろ」ではなく「きみは、それをやるのか。ぼくは、こっちをやるから、別々に頑張ろう」といえるようになりたい。それが、難しいことであったとしても。

2011-10-17 00:45:40
高橋源一郎 @takagengen

分断線23・ぼくたちはばらばらだ。ばらばらにされてしまった。放っておくなら、もっとばらばらになるだろう。ぼくはごめんだ。やつらが引いた分断線なんか知るか。ぼくたちが自分で書いた分断線は、ぼくたちが自分で消すしかないんだ。以上です。ご静聴ありがとうございました。

2011-10-17 00:48:27