三菱広島造船所と国鉄山陽本線を結んだ幻の水陸連絡

まも（C103お疲れさまでした） @Kojimamo

鉄道と縁がまったくなさそうな三菱広島造船所。実は昭和15年における広島県の工業港開発計画において、臨港予定線（国鉄宇品線～江波～山陽本線）から分岐する側線を引き込もうとしていました。 ↓10ページ参照 築港 130 周年 ― 広島港のあゆみ 編集・発行 広島県立文書館 pref.hiroshima.lg.jp/soshiki_file/m…

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戦時中に急造された広島造船所なんですが、やはり重量部品を運び込むのに鉄道で近くまで工場の機材を運んできて構内に入れたいし、だけど扇状地の市街地の果てを埋め立てたので市街地の端にある広島駅から重量品輸送は難しいし宇品港はもう狭いので手一杯…。

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あと造船所の立地が船が入りづらいという場所なのもありました。 「この世界の片隅に」のシーンで主人公が草津から江波を潮が引いた遠浅の海を歩いて渡るシーンがありますが、それくらい浅い。その辺をポンプ浚渫船たちがえっさほっさと泥を吸い込んで陸へ管で送って埋立地にしたんですね。

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造船所への航路の浚渫も兼ねて掘った水路となんとかできた岸壁。あとは山陽本線側から資材を送り込む場所ですが、一番近くて鉄道が海に隣接し、駅と船が着く港がいっしょにあるような場所…。 ほらあるじゃないですか。広島県でいちばん有名な観光地の入り口。

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というわけで宮島口駅の下関側から国道2号線を横断、海岸へ向かう引込線と専用岸壁を造ることになりました。ぜんぶ三菱重工のもの。 赤線が山陽本線で黄色が三菱重工専用側線になります。 国土地理院　1947/09/23(昭22)　撮影地域厳島　より pic.twitter.com/rVhO0Lk8RH

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側線にはD51型蒸気機関車も入線できたようで三菱広島製作所50年史に貴重な写真が記載されています。 この岸壁には10t吊りジブクレーンが荷役に使用されましたが、重量品の場合は40t吊り起重機船を回航してきたそうです。

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なんでこんなわざわざ面倒くさい事をしたかというと、広島市内の橋梁が重量品輸送に耐えられないのと、工場前の道路ですら軟弱地盤の上なので…。 つらみ。

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何度か宮島連絡船乗りましたけど、ここの埋立地がまさか三菱広島製作所つながりだったとは驚きですね。 地割からなんとなく名残があります。専用側線の廃線跡は山陽本線の海側に少しだけ残る側線跡でしょうか。 goo.gl/maps/EgJzPSsqy… pic.twitter.com/7FznBjZZBC

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山陽本線宮島口駅の下関寄り海側に、100ｍ近くの単線分になるJRの空き地があるけど、これが三菱広島造船所が宮島の貨物桟橋へ敷いた専用側線の入換線の名残らしい。スイッチバックするようにして右上の斜め奥の方へ側線が伸びていた。 goo.gl/maps/c5fbqvDVE… pic.twitter.com/PQPLMouqDj

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広島駅から遠く離れた造船所への重量用品は、この側線と艀を経由して運び込まれていた。 造船所を誘致する前、つまり戦前の広島港の工業港開発計画には宇品線と接続して山陽本線の五日市へつなげる臨港線の予定もあったそうです。

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広島工業港の臨港線計画路線図が点線で描かれている。 広島県立文書館 令和元年度第２回収蔵文書の紹介展 築港 130 周年 ― 広島港のあゆみ pref.hiroshima.lg.jp/soshiki_file/m… ＞広島工業港修築計画略図 昭和15年　より引用 pic.twitter.com/MBorG0rvqK

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