ついのべまとめ(レグリ/ヤスグリ/ルルーシュで140字縛り)

ツイッターの文字制限めいっぱい使ってSSを書こうという遊びです。ジャンルごちゃ混ぜ二次創作です。
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一丈 @ichijo_k_xx

隣の頭が船を漕ぎ出した。グリーンは苦笑して本を置く。「レーッド、寝たいんならベッド」「んー」「ほら移動!」甘え上手の手を引き寝室へ誘導する。ベッドを示した瞬間、視界が回った。「うんぼく、寝たい」随分はっきりした眼差しだ。グリーンはお粗末な罠にかかったものだなと笑って手を伸ばした。

2012-02-17 21:56:59
一丈 @ichijo_k_xx

どうやらセキエイ本部はまた下らない話をリーダーに聞かせたらしい。ヤスタカはため息がちにお茶を入れた。グリーンは感情の見えない顔でそれを受け取る。口に含んだ。そして盛大に噴き出した。「何入れやがった!」漸く動いた表情筋に、ヤスタカはにこにこ笑って答える。「砂糖スティック一本ほど?」

2012-02-17 21:29:01
一丈 @ichijo_k_xx

幼なじみが雪山から降りて来るなり食いたいと宣った。そして決定された本日の夕食はマサラシチューだ。「後悔すんなよ」罠にかけるような気持ちで差し出せば、一口スプーンを運ぶなりレッドが固まる。「ばーか」些か本気で告げれば、涙目が無言で俯いた。グリーンのシチューは隣のおばさん伝授である。

2012-02-17 21:13:42
一丈 @ichijo_k_xx

他人の部屋でよくくつろげる、とグリーンは幼馴染みに呆れた眸を向けた。濡れたままの髪に気付いて顔をしかめる。「お前、頭」「んー」「寝るならベッド」「うー」レッドは眠いときはそのまま寝る男だ。だから生返事で勘づいた。仕方なく洗面所からドライヤーを持ってくる。「この甘えた」「ばれた?」

2012-02-09 23:03:43
一丈 @ichijo_k_xx

いつだって前を向く顔しか見せたくないのに、この幼馴染みはどうも間が悪い。グリーンは歯を食いしばって雑音を追いやり、そして意地で顔を上げる。「ばかだねグリーン」読めない表情でレッドは手を伸ばしてきた。取り繕って笑う唇を指先が撫でる。「そんなだから、ぼくはお前の顔を剥ぎたくなるんだ」

2012-02-09 22:33:09
一丈 @ichijo_k_xx

上司が不意に眼を瞬かせた。ヤスタカが様子を伺った先で、グリーンはポケットからポケギアを引き抜き、画面を確認して妙に楽しげに宣う。「レッドからメール来た」ヤスタカは目を眇め、手を伸ばして上司の頬を掴んだ。驚く顔に、鼻が触れるほど近く迫って告げる。「就業時間中ですよ、グリーンさん」

2012-01-26 00:09:30
一丈 @ichijo_k_xx

「あ、グリーンひとくち」言ってレッドはサンドイッチを持つグリーンの手首を捕まえた。指ごと食らうような大口を開ける。結果、手元に残ったのは指先についたパンくずだけだ。悪びれた顔一つ見せないレッドへ、グリーンは仕返しとばかりに顔を寄せた。ぺろりと唇を舐めてやって、笑う。「ひとくちな」

2012-01-11 00:11:11
一丈 @ichijo_k_xx

この男には時間感覚がまるでない。「俺は眠い」切って捨てたのも無理はないだろう、夜半、ポケギア一本でドアを開ける羽目になれば。「ぼくは寒い」伸びてくる腕を家に引きずり上げ、グリーンは相手をベッドに叩き込む。人間カイロだ、グリーンは満足して隣に潜り込んだ。怒るのも喜ぶのも明日でいい。

2011-12-21 02:06:36
一丈 @ichijo_k_xx

がぶりと鼻に噛み付かれ、グリーンは悲鳴を飲み込んだ。動物的な行為に及んだ幼なじみの胸元に手をついて押し退ける。「何、グリーン」「それはこっちの台詞だこの自由人!」詰れば不思議そうにレッドは首を傾げる。くそ、グリーンは毒づき、身を以て思い知らせてやるべく、晒された首筋に噛み付いた。

2011-12-10 01:29:23
一丈 @ichijo_k_xx

声を噛み殺したがる人だ。顔を反らし、口元を手で押さえるグリーンを見上げて問う。「息、苦しくありません?」「そこで、喋んな……!」眇められた眼が漸くこちらを見下ろした。ああ気分がいい。「あんたを気持ち良くしたいんですよ」言って深く銜えれば、とうとう嬌声が零れる。ヤスタカは満足した。

2011-12-10 01:16:10
一丈 @ichijo_k_xx

唐突に首が締まって、ヤスタカは奇怪な呻き声を上げた。「お前うるせー」いやいやあんたのせい、と上司へ反駁しようとして、ヤスタカは言葉を飲む。寒がりなリーダーは、ヤスタカのマフラーの余りを自分の首に巻き付けてご満悦だ。サイズ違い万歳! 購入時は呪った間違いをヤスタカは全力で歓迎した。

2011-12-06 21:55:51
一丈 @ichijo_k_xx

唐突に毛布が降ってきた。しかめ面で顔をあげると、犯人が目の前に立っている。鋭く睨め付けたが、部下は意に介さない様子で笑った。「これくらい被ってて下さい」寒い方が集中できる、と反論するより先に、部下は笑ったまま言い切った。「じゃないとグリーンさん、俺があんたを強制的にあっためます」

2011-12-01 23:50:43
一丈 @ichijo_k_xx

寮母から取り次がれた電話に出れば、相手は昔なじみだった。やたら小まめな男だ、水野は唇を引き結ぶ。しかしゆったりとした低い声に自然と心が解けた。表面で茶化しつつも、真摯に水野と向き合い続けた声だからだ。タツボン? この男だけの呼び名に、とうとう口元が綻ぶ。「歌えよシゲ、俺のために」

2011-11-30 17:46:49
一丈 @ichijo_k_xx

「それ俺持ってます」ちょっとした伝で入手した論文の題を口にすれば、リーダーの目の色が変わった。しかし直後に、警戒したのか平生を装うものだから、ヤスタカは常通りの声で告げる。「明日持ってきますよ、うっかり忘れなければ」含みは十分だ。ためらう姿を堪能しながら、ヤスタカは答えを待った。

2011-11-29 20:36:28
一丈 @ichijo_k_xx

これは不公平だ。グリーンは敢然とシロガネ山へ向かった。果たして頂点様は手持ちと楽しげだ。頭に来て襟を掴み、噛み付くようなキスをひとつ。舌を絡めて深く深く。手を離せば白い雪に赤い男が崩れ落ちた。「ざまーみろ」好き放題されて姿を消される気分を味わえばいい、グリーンは笑って山を下りた。

2011-11-12 22:54:01
一丈 @ichijo_k_xx

グリーンの睫に乗る埃を発見したヤスタカは、その長さにまず感嘆した。声に気づいたらしい上司が目を瞬く。あ、と思ったときには遅い。目にゴミの入ったグリーンが痛そうに顔を歪める。目を擦ろうとするので手首を捕まえれば、涙目が鋭く睨め上げてきた。「……離せ」これはやばい、ヤスタカは呻いた。

2011-11-12 22:37:15
一丈 @ichijo_k_xx

部屋へ招いた上司がソファで寛いでいる。ヤスタカは尋ねた。「腹がくちくなって眠くなった?」「俺はガキか」反駁する相手の髪に指を差し入れる。身を屈めて唇を寄せ、直前で止めた。「それはよかった」選択を委ねられたことを悟った眼が細まる。ヤスタカは笑って、最後の距離が詰められるのを待った。

2011-11-12 22:28:11
一丈 @ichijo_k_xx

「三上先輩」訴える声に、三上は盃を差し出した。笠井は体育会系の本能で酒を満たした後、溜息をつく。三上は返杯した。「騒がれとけよ笠井。辰巳もいんだ、どーにでもなる」「本当煽るだけだなあんたの代は!」言いながらも飲み干す姿は楽しげだ。祭好きの伝統は引き継がれたようで、三上は感心した。

2011-11-03 20:35:26
一丈 @ichijo_k_xx

真夜中掛かってきた電話へ、三上は問いかけた。「よォ笠井。どうした?」深い溜息の向こう、乱痴気騒ぎの気配が伺える。今すぐ来てくれと縋るような後輩の要請を三上は快諾した。携帯を切れば、雁首を揃えた同期が行こうぜと笑う。誕生日と休日が重複すれば、皆で押しかけての騒ぎが武蔵森伝統である。

2011-11-03 00:11:01
一丈 @ichijo_k_xx

実に便利だ。グリーンは喉や胃には来ず、唐突に熱が出る形で不調の顕れる体質に満足する。今は夜で一人きりだ。安心して呻いた瞬間、ポケギアが鳴った。表示される名は姉のものだ、グリーンは再度呻いた。あの小手調べめ。顔を合わせていない姉が何故気付くのか、その理屈をグリーンはもう知っている。

2011-10-27 18:08:25
一丈 @ichijo_k_xx

「かくれんぼみたい!」無邪気を装っていたが、サヨの発言は完全にわざとだ。おかげで興が乗ったらしいリーダーは完全に雲隠れで中々捕まらない。定時後、爆笑しながらリーダーは現れた。「あー面白かった!」一日後を付けられていたヤスタカが笑う。「あんたの鬼は日々こんだけ探し回ってるんですよ」

2011-10-26 19:06:27
一丈 @ichijo_k_xx

妙に隙だらけなのでひっくり返したら、どれだけ油断していたのかびっくりした顔をした。警戒状態が基本のくせに、何故こうも気を抜いているのか。気になって額を合わせてみた。そしてより正確を期すために額に唇で触れる。「グリーンさん、熱ありますが」「……だから?」自覚があるなら休めクソガキ。

2011-10-25 00:11:52
一丈 @ichijo_k_xx

帽子のつばを引き摺り下ろすと、不意に視界を塞がれたレッドがあたふたした。思わず笑うと、ピカチュウにチャア! と咎められ、グリーンは身を屈める。「はいはい、失礼しました」鼻先に謝罪のキスを送れば、どさっとリュックの落ちる音がした。帽子との格闘を終えたレッドが呆然とこちらを見ていた。

2011-10-24 21:23:06
一丈 @ichijo_k_xx

グリーンは始終うるさい。だから試しに喋れないよう猿轡を噛ませて、身動きが出来ないよう手首を縛って、何も訴えられないよう目隠しをした。でも立ち向かって来ないグリーンはぜんぜんつまらなかった。「やっぱやめた。面白くないや」全部取っ払うとグリーンは笑った。「よしレッド、歯ァ食いしばれ」

2011-10-24 18:49:11
一丈 @ichijo_k_xx

声を出すと喉に引っかかる。風邪だ。ヤスタカは無言で一日過ごすことにした。朝、リーダーは会釈で挨拶したヤスタカを怪訝に見た。昼、無言でサンドイッチを差し出すと目を合わせず食べ出した。定時、突然マフラーでぐるぐる巻きにされる。「早く治せバカ」不機嫌そうな声に、ヤスタカは笑って頷いた。

2011-10-24 18:35:45