源為朝の伊豆諸島伝説とこじつけられそうな話

源為朝の大河伝奇ロマン的な話のネタになりそうな関連事項のメモ書き。
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銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

伊豆諸島の為朝の足取りについて、完全なファンタジー伊豆諸島にせずになんとか歴史と接続できないだろうかと思って探していたところ、式根島に平家の落人による怪猫退治伝説があることを知る。 式根島を歩けば、猫に出会う!? 式根島に伝わる猫伝説とは? #ldnews news.livedoor.com/article/detail…

2023-01-15 13:50:59
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

平家の落人とは書いてあるが詳細がまったくわからないので調べていると、大王神社に関連するらしいことがわかった。

2023-01-15 13:52:39
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

んでまあいつもの通りNDLに当たってみると、式根島の「福矢源太左衛門」と「小倉又次」の名前が見つかる。 伊豆諸島東京移管百年史編さん委員会 編『伊豆諸島東京移管百年史』別刷 (新島編),東京都島嶼町村会,1981.3. 国立国会図書館デジタルコレクション dl.ndl.go.jp/pid/9643739 (参照 2023-01-15)

2023-01-15 13:54:23
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

そして見つかるのが、怪猫であるが非常に長い乳房を持っていたという「ちながんばあ」の退治の話。乳長婆ということか? 同じ福矢源太左衛門と小倉又次が弓矢と刀のコンビネーションで化け猫を仕留めている。 dl.ndl.go.jp/pid/964373 dl.ndl.go.jp/pid/9643739/1/… #国立国会図書館デジタルコレクション

2023-01-15 13:57:11
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

山田毅一 著『都南七島 : 近海の宝庫』,国民時論社,1948. 国立国会図書館デジタルコレクション dl.ndl.go.jp/pid/3006540 (参照 2023-01-15) 為朝が大島八丈島を支配していたところへ平家の落人が流れ着き式根島新島を勢力下においたので、島々は赤白の手拭いで源平の勢力争いをしたような話もある。

2023-01-15 13:59:05
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

小倉又次は伝承によっては大浦又次ともなっていて、おぐら、おおうらあたりの語感が共通項かもしれない。 怪猫退治の話は、新島の長石という巨岩に、猫を退治したときに小倉又次が振るった槍の跡を残していると書かれるケースもある。 dl.ndl.go.jp/pid/991431/1/43 #国立国会図書館デジタルコレクション

2023-01-15 14:07:24
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

いずれにせよ、福矢源左衛門が名前の通り弓矢の遠距離担当、小倉(大浦)又次が槍か刀の近接前衛という組み合わせであり、戦い方の個性が出ているところがおもしろい。

2023-01-15 14:08:24
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

このへんの話、どうも完全なるデタラメというわけではなく、福矢・小倉の事を記したという碑が海中から発見されたという話があったり(これも摩耗していてはっきり読めないようだが、島内では見つからない伊豆石によるものだとか) dl.ndl.go.jp/pid/1232893/1/… #国立国会図書館デジタルコレクション

2023-01-15 14:12:43
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

発掘調査では平安時代の陶器などが見つかっているそうなので、同時代人の行き来があったことは間違いないと思われる。

2023-01-15 14:13:55
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

あと、平安末期から鎌倉初期だとすると、この時代の武士の戦いからは鑓(槍)が失われている時期であり、もしこの鑓の痕跡というのが正確に小倉又次の戦い方を記録しているとすると、なかなかオーパーツな武器使いになるのだ。(おそらく後年作られた話なだけだろうけど twitter.com/domioriha/stat…

2023-01-15 14:15:38
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

時代的には平家の落人なので為朝の活躍時期よりは20年ほど後の話になるのだが、逆に言えば伝承から失われた槍を使う武士であったということから逆に導線を引いて、平家と関係の深かった武士が先に式根島・新島に勢力をつくっていたという解釈はできないことはなさそうだ。

2023-01-15 14:21:22
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

平家の落人伝説は式根島・新島ではひっしゅうかぶりの伝説に繋がる。落人たちは家族とともに島に移り住んでいたが、食糧が不足したので男達が女子供を残し伊豆に向かったものの、誰も帰らなかったという。 dl.ndl.go.jp/pid/9642297/1/… #国立国会図書館デジタルコレクション

2023-01-15 14:23:48
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

ひっしゅうかぶりとはこの時に死んでしまった落人たちの妻のことで、赤いハチマキをして沖合を見てずっと立っている亡霊(?)のようなものだという。赤いハチマキというのが平家の赤旗だ。

2023-01-15 14:25:03
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

このあたり、平家の落人たち(平家勢力下の小豪族たち)が為朝に併呑された上で、伊豆へと攻め込んで討ち取られてしまったという展開と割と程よく噛み合う。

2023-01-15 14:26:08
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

三宅島にも平家の落人伝説があり、こちらでは名前は伝えられていないが、高貴な姫君とその従者が集落を作っており、それが地名に残されている話がある。 池田信道 著『三宅島百話』,島の新聞社,1973 dl.ndl.go.jp/pid/9640477/1/… #国立国会図書館デジタルコレクション

2023-01-15 14:36:08
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

dl.ndl.go.jp/pid/9642816/1/… #国立国会図書館デジタルコレクション いつも目元を深く覆っていたという姫君と、女の従者2名、七人の武士という構成らしい。武士の頭領は「関の頭」と呼ばれていたとか。

2023-01-15 14:39:50
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

残り六人の武士の名前も明瞭ではないが、それぞれ墓と言われる塚が伊豆様、武蔵様、備後様、伊勢様、丹後様、水神様と呼ばれていることから、それぞれの武士の出身地あるいは所領であったのではないかという言い伝えがあるそうな。

2023-01-15 14:42:48
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

丹後様については五輪の塔があったり水源を守っていたりと、高貴な身の上であったことが関連付けられていて、丹後という地域からして京都にちかしい地盤を持っていたのかもしれない。 関係ないだろうけど平忠房あたりを当てはめても面白いな。 平忠房 - Wikipedia ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3…

2023-01-15 14:45:52
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

為朝が自分の手で殺したという子息虎政について。

2023-01-15 16:03:31
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

秋山章, 萩原正夫 纂輯『伊豆七島志』巻中下,萩原正夫,1901 dl.ndl.go.jp/pid/991432/1/29 #国立国会図書館デジタルコレクション 伊豆七島誌などに見える、為朝の伊豆における息子「虎政」は、わずか7歳にして為朝よりも優れた弓の腕前を持っていたという話がある。

2023-01-15 16:05:42
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

為朝が一矢で飛ぶ鳥2羽をひとまとめに射貫いて落としてみせると、虎政は一矢で3羽を射貫いて見せたという。為朝はそれを見て、自分ですらこのような流刑になるのだから、虎政はその腕前ゆえに災いを招くだろうと嘆き、息子を殺して海に沈めたという話。わりと身勝手な話である。

2023-01-15 16:07:04
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

この話、為朝が息子を殺して海に沈めた(溺れ死にさせた)というところは伝承としてあり、海を渡るときに大荒れして遭難しそうな船の上で、大事なものを捧げなければならなかったので息子を犠牲にしたという話であったりもする。

2023-01-15 16:08:35
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

沈められた海は虎政の海などと呼ばれ、それ以来ここを通る者は誰かを犠牲にしないと先に進めないという話になっていたりもするようだ。 なんにせよ、為朝が息子を殺して海に沈めたところは伝承としてあるので、肉付けされた伝説はそこを説明するのに苦慮している節がある。

2023-01-15 16:10:40
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

荒れる海での船の転覆・遭難を避けるための仕方ない犠牲であったり、争いの種になるだろう自分の血筋を嘆いたりするパターンや、幼くして父為朝よりも優れた弓の腕を誇って傲慢に増長していた虎政を、将来の禍根として殺したというケースもある。

2023-01-15 16:12:57
銅折葉@3/31(日)東方名華祭E-03 @domioriha

八丈島、あるいは三宅島から八丈島に渡る海での伝説なのだが、八丈島の忠次郎神社の話では一矢で三羽を射貫いたのは息子ではなく忠臣の忠次郎という男になっており、腕前を畏れて殺しはしたが勲功を称えて神社に祀ったという形になっている。あんまり説明にはなっていない。 dl.ndl.go.jp/pid/9640303/1/…

2023-01-15 16:15:40
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