「3.11以降グローバル資本主義が崩壊した」なんてのは日本の悪しきオールドタイプ文化人の自分探し左翼的な「願望」が生み出したストーリーに過ぎない。

『リトル・ピープルの時代』の書評から始まる、3.11はグローバル資本主義を崩壊させたのか、否かについて議論。
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宇野常寛 「リトル・ピープルの時代」 書評。

リトル・ピープルの想像力が存分に発揮されているのは、仮面ライダーの世界の方なのだ。
ここには国家もなければ父もいない。等身大の「改造人間」の日常が掘り下げられ、ひたすら多層化されていく。
そこに著者は「世界の終わり」でも「終わりなき日常」でもない、原発事故以後を生きる様相さえ見ようとする。
実に特異、かつアクチュアルな批評の提示だ。

(中略)

けれども、あの大震災以後、国家や日常と同様、資本主義もまた根幹から揺らいでいないか。
我々は、仮面ライダーやAKB48で、目の前の危機をこれまで通り解消できるのだろうか。

椹木野衣(美術批評家・多摩美大教授)

本よみうり堂「リトル・ピープルの時代」椹木野衣さんの書評より一部引用。
http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20111024-OYT8T00419.htm

todkm IT系 @todkm

. @wakusei2nd 椹木さんのリトピー書評初見でした。氏が「震災以降の資本主義崩壊」と言ってるのは、好意的に解釈すれば、原発に象徴される「経済成長のためなら地方や共同体が崩壊してもOK」という功利主義から、共同体主義やブロック経済化が今後本格化するという意味かも。

2011-10-24 23:22:55
宇野常寛 @wakusei2nd

.@todkm 「好意的に解釈すれば」そうでしょう。しかしそれはグローバル化がむしろ「前提」となったので各国が様々な対応を取り始めただけに思えます。しかも「3.11」が引き金というのはさすがにストーリー作りこみすぎと感じました。

2011-10-24 23:29:52
宇野常寛 @wakusei2nd

.@todkm 加えて言えば<グローバル資本主義=「経済成長のためなら地方や共同体が崩壊してもOK」という功利主義>というのも敵をディフォルメして批判しやすくしすぎていると思います。僕は日本の批評とか思想とかは全般的に「市場=悪」という思考停止から脱訳すべきだと思います。

2011-10-24 23:32:31
todkm IT系 @todkm

@wakusei2nd 確かに日本は市場=悪の観点の批評はやたら多いですね。短絡的な金儲け主義批判みたいなのが…。まだ、建て前上は共産主義の中国大陸の80后のJ-POPファンの方が、ポップカルチャーの商業性について見方が冷静だと感じることがあります。

2011-10-24 23:43:22
宇野常寛 @wakusei2nd

なるほど。 RT @todkm: 確かに日本は市場=悪の観点の批評はやたら多いですね。短絡的な金儲け主義批判みたいなのが…。まだ、建て前上は共産主義の中国大陸の80后のJ-POPファンの方が、ポップカルチャーの商業性について見方が冷静だと感じることがあります。

2011-10-24 23:44:17
宇野常寛 @wakusei2nd

僕は地震と原発事故は言論空間でむしろ軽視されすぎだと思っているくらいだけど、「3.11以降(グローバル)資本主義が崩壊した」なんてのは端的に日本の悪しきオールドタイプ文化人の、自分探し左翼的な「願望」が生み出したストーリーに過ぎないと思う。

2011-10-24 23:48:22
宇野常寛 @wakusei2nd

いや、長期的には解体/変化していくのかもしれないけれど、それは3.11があろうがなかろうが起っていた必然的な発展解消である可能性も高い。少なくとも「3.11で資本主義が崩壊した」なんてのは都合よく物語を作りすぎだと思うし、この種の物語化は現実の問題を隠蔽する効果すら懸念される。

2011-10-24 23:54:55
宇野常寛 @wakusei2nd

じゃあ僕が「どういう意味で」この地震/原発事故が重要だと思っているか(むろん「資本主義の崩壊」なんかじゃない)は、拙著「リトル・ピープルの時代」をお読みください(宣伝)!

2011-10-24 23:57:20

グローバル資本主義

資本主義のグローバル化のこと。国家間の障壁を取り除き、貿易等の自由化を推し進める思想である。

はてなキーワードより転載