シネマンドレイク氏が語るガンダム水星の魔女の問題点について

ガンダムのホモフォビア、コラボへの中傷、映画やマスコミの性差別、異性愛優遇の問題について語る
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シネマンドレイク @cinemandrake

【感想 書きました🌏】いろいろ語りどころもあると思いますが、本作の百合表象について中心的に語っています。新しいことをするように見せかけてはいるけど、実際のところ新しいことは全然してないのではないかという話。 アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』感想⬇️ cinemandrake.com/gundam-witch

2023-01-15 07:01:30

ただ、私が興味あるのは百合的なハッピーエンドがあるかどうかではなく、本作の百合の扱い方。

とくにこれは「男同士」の同性愛関係ではやらなかっただろうなと思うのです。
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私は「ガンダム」はものすごくホモセクシュアルな男同士を描いていることが多い作品だなと思っていて、主人公(男性)とその敵対者(男性)がぶつかり合う展開はほぼ恋愛シーンとそう変わりない関係性の深みがあると感じていました。もちろんそれをBL的な脳内カノンで楽しんでいた人もいるでしょう。
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でも「ガンダム」は男同士の同性愛には直接的には踏み込みません。やはりホモフォビアがあります。しかし、本作でやってみせたように、女性同士の百合なら踏み込める。それは女性キャラ同士がイチャイチャしている程度なら“不快感なく消費できる”というマジョリティ受けを想定して考慮しているからであり、決してエンパワーメント的な目論見では全くないと思うんですよね。
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そして女性キャラに血にまみれた凄惨な展開があれば、ギャップでインパクトがあるだろうという作り手の考えも透けて見えるわけで…(『魔法少女まどか☆マギカ』のようなある時点からの日本アニメの流行りでもある)。
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そうやって考えてみると、この『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は新しいことをするように見せかけてはいるけど、実際のところ新しいことは全然してないんですよ。日本アニメですでに流行ったものを寄せ集めて、それを「ガンダム」の世界で見せているだけで。
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百合であることも何も新しくなく、百合の消費的な都合の良さ(それは同時に日本のアニメ作品の多くで観察できる“女の子”表象の手軽な扱い方にも重なる)を優先しているありきな気がしてくる…。実際、作中では同性愛は普通みたいなセリフはあっても、世界の構成として全然普通には描かれておらず、異性愛規範ばかりですし…。
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私はこの本作の企画をプロデューサーとかがどうやって上層部にアピールしたのかが気になりますね。作中の株式会社ガンダム設立みたいに、「新しいことやります!」という見せかけの勢いだけで押し通せたのかな…。
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流行りに乗っかるだけでは二番煎じなので、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』が「ガンダム」フランチャイズを新しい世界に導くには、作り手がもっと大きなものを賭けて決闘するくらいの覚悟がないといけないのではないかなと思いますが、2クール目ではどうなるのでしょうか…。
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リンク シネマンドレイク:映画感想&レビュー アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』感想(ネタバレ)…百合はエアリアルで終わるのか 百合はエアリアル(空想)で終わるのか…アニメシリーズ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の感想&考察です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。英題:Mobile Suit Gundam THE WITCH FROM
シネマンドレイク @cinemandrake

【感想 書きました🌏】いろいろ語りどころもあると思いますが、本作の百合表象について中心的に語っています。新しいことをするように見せかけてはいるけど、実際のところ新しいことは全然してないのではないかという話。 アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』感想⬇️ cinemandrake.com/gundam-witch

2023-01-15 07:01:30
youki @Izgo3gFpmtmfzFz

こ、このレビューすごくわかる。同性婚ふつうの世界ならミオリネの親がお父さん2人とかでもいいのに、なんかほぼヘテロの描写しかなくない?と思ってた。スレッタとミオリネの関係性は好きなんだけど… twitter.com/cinemandrake/s…

2023-01-15 19:32:43
栗岡志百 @yN5PlPNXeXnYXIM

起業するに当たって、娘が父親に頭を下げて成果を引き出す——。娘が〝大人〟になったように見せて、結局、家父長制度に組み込まれることでヨシとするのかとガックリきたわけで。ひっくり返す展開を期待しましたが、もう無理かな…… >百合の消費的な都合の良さ(略)を優先しているありきな気がして twitter.com/cinemandrake/s…

2023-01-15 17:44:53
リヴァー@映画 @rivscinemaacc

良い感想だった…… 同性愛について、見るものの意識が変わるほどの訴え、メッセージは感じない……今後どう展開していってどういうテーマを訴えてくるかな? twitter.com/cinemandrake/s…

2023-01-15 08:59:16

Colaboへの美貌中傷

シネマンドレイク @cinemandrake

【感想 書きました🔎】ワインスタイン事件を告発した被害者女性を取材したジャーナリストを描く。確かに今観るべき良作。ただ映画の在り方にはモヤモヤする部分もあるという話を感想記事で詳細に書きました。絶賛はできない… 『SHE SAID シー・セッド その名を暴け』感想⬇️ cinemandrake.com/shesaid

2023-01-14 07:01:30

2022年後半から2023年にかけて、日本のインターネット上では、困窮する若い女性を支援する団体が批判のマトとなりました。「不正をして利益を得ている!」というのが発端となった批判者の主張でしたが、その動機は「自分にとって許せない、モノ言う女性を懲らしめてやりたい」という歪んだミソジニー(女性蔑視)による加虐欲求があるのは明白でした。その欲望を正当化するためなら口実は何でもいいのです。

これはいわゆるサイバーブリング(ネット上のイジメ行為)であり、今回は明らかにミソジニーが土台にあります。こうしたミソジニーに基づく主に女性を狙ったサイバーブリングは日本のみならず世界で起きており、深刻な問題です。

この一件でもわかることですが、ミソジニーというのは悪意ある個人だけの問題ではありません。ミソジニーとは醜悪なシステムによって引き起こされ、支えられています。

誹謗中傷する人、デマを流す人、冷笑する人、無視する人、中立ぶる人、素知らぬ顔で加害者に寄った報道をするメディア、被害者を苦しめる情報ばかりが拡散されやすいSNSの仕組み…。その全てがミソジニーを構成しています。そして社会の中で平然とミソジニーが存在し続けることができるようにしています。

ブラット・ピット”はそもそも“ハーヴェイ・ワインスタイン”と親しく、映画製作でも以前から協力関係にありました。90年代は“ブラット・ピット”は“グウィネス・パルトロウ”とも付き合っており、要するに被害女性と近しい間ながら加害者とも懇意にしていたという、非常に暴力を温存する状況に加担していた張本人でした。

加えて、“ブラット・ピット”は妻である“アンジェリーナ・ジョリー”とその子どもたちへの家庭内暴力の疑惑が浮上しており、2016年に一時的に不起訴になるも、2022年時点でもまだ新しい告発が起きています(BBC)。

そんな“ブラット・ピット”はどう考えてもこの『SHE SAID シー・セッド その名を暴け』の製作者に最もふさわしくない人物と言わざるを得ません。これだとこの映画を支持することが、男性にとって「私は女性差別していません」というアピール材料になっているみたいじゃないか、と。