「ケ、ケ、ケハハハハハ!どっちでもない!半端野郎だ!アンタは半端野郎なんですよ!くっっっだらねぇ!!ヒャッハハハハハ!!!」「黙れと―――言っているッッッ!!!」 #魂魄悪鬼
2011-10-28 19:18:18「射命丸文ァァァァッッ!!」「ヒャヒャ!半端者が半端者呼ばわりされるよ、一丁前に腹を立てるらしいわね!剣筋がちょっとだけマシになってきましたよォ!ケ、ケケケケ!!」こいつ――まだ囀るか!「黙らせてくれる――」 #魂魄悪鬼
2011-10-28 19:24:30打ち合い、交錯した射命丸はそのまま上空へ駆け上がり、上がり続けている。逃げるつもりか。いや…戦域を離脱するにしても下方へ向かって速度を得るのが定法。ならば高度優勢を奪取する為の奇手…真逆そんな事は。或いは、逃げの姿勢を見せれば、此方は直ぐに怪物の方へ行くと踏んだか。 #魂魄悪鬼
2011-10-28 19:39:00射命丸は何を思うのか。あと一歩。あと一歩で斬れる。彼我二人の描く軌道は最早垂直上昇に近い。このような飛翔は何分も続かない。そうして下降した隙を狙い、上空から襲う。――これは有る。あの女ならばその程度の手管、造作なく用いるだろう。(乗らぬ) #魂魄悪鬼
2011-10-28 19:40:22上昇する射命丸の影を追う。際限なく。止め処なく。飽き足らず。天頂へ。届く筈も無き白月を目掛け射命丸が――止まる。遂に、完全に速度を失い、倒れる――横倒しに――落ちる――「ケ ケケ ケケケ ケケ」 落ちて――いない。#魂魄悪鬼
2011-10-28 19:41:00くるりと。魔術めいて鮮やかに、半瞬の間で身体の上下が入れ替わる。射命丸の視線が――俺を指す。垂直反転(ヴァーチカルリバース)。上昇速度が無になる刹那の、落下重力の発生を掴み、利用して初めて成し得る所業。 #魂魄悪鬼
2011-10-28 19:42:15突如、俺は知った。何の前触れも無く。何の根拠も無く。ただ、天啓の閃きで――魂魄妖忌の敵とは、射命丸文なのだと。 #魂魄悪鬼
2011-10-28 19:42:21……あの動きと太刀筋を、俺は知っている。あれは一刀流の始祖・伊藤一刀斎が師である中条流鐘巻自斎から受け継いだ五つの秘法――一刀流の最極意。妙剣/絶妙剣/真剣/独妙剣……そしてこの―― 「カッカカカカカカカッカァ!!!」 ――魔剣〝金翅鳥王剣(インメルマン・ターン)〟 #魂魄悪鬼
2011-10-28 19:46:10