ヴィンランド・サガと南北戦争から見る「必ず女性は戦争を厭うのか」と言う議論

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ゆきま_創作本通販中 @Ch_yukima

復讐に邁進する男ばかりじゃなくて、人間として色んな人がいただろうのは現代たと同じで多分そうだろうけど、それは当時の常識や慣習から歓迎されたりはしないんですよ、という

2023-02-04 19:42:59
ゆきま_創作本通販中 @Ch_yukima

昨日連続リツイさせていただいたツリーの中で、「本当ならガルザルは女性達の支持を受けて戦いに出たはず」はまさにそれなんですよね…

2023-02-04 19:48:27
リンク movieandtv.blog85.fc2.com 『マグニフィセント・セブン』 トランプを大統領にする国(その2) (前回「『沈黙‐サイレンス‐』 トランプを大統領にする国(その1)」から読む) 「もし神がわたしたちの味方であるなら、だれがわたしたちに敵し得ようか」 ――「ローマ人への手紙」8:31――■『マグニフィセント・セブン』と『荒野の七人』と『七人の侍』の関係 2016年10月、『七人の侍』の4Kデジタルリマスター版が公開された。改めて『七人の侍』を絶賛する声が上がり、「観ていない人はぜひ観るべき」と云われる中、私はいささか... 4 users 1
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ストーリーの中ではあれが描かれないと話が進まない(平和を望むアルネイズがヴィンランド行きの決意の最も大事な要因なので)のはそうなので置いとくとして、実際のヴァイキング時代の人間の行動としたら、彼のやってることは至極真っ当に正しいし、男女問わず周囲の支持も得ていたはずだと思う

2023-02-04 19:49:43
ゆきま_創作本通販中 @Ch_yukima

「愚かで勝手な男たちが戦を好み繰り返すので、それによって巻き込まれ被害を受け悲しむ女たち」なんていうような構図は少なくともあの時代地域においては幻想であり、どこにも存在しないんですよね。 男が戦わないとむしろ困るからたきつけていきますよ(`・ω・´)

2023-02-04 19:52:29
ゆきま_創作本通販中 @Ch_yukima

ヴァイキングは遠征で男性が留守なことも多いですから、女性もそれなりの備えをしたり、農場を守るために武装して使用人や家族を支持して戦う、なんてこともありますしね。 夫がいない間に(物理的な意味でも)家を守るのはその家の主婦の役目ですから

2023-02-04 19:55:14
ゆきま_創作本通販中 @Ch_yukima

ヴィンサガの同場面だとオルマルのカーチャンが降伏するなって言うけど、あれが当時の女性の真っ当な意見だとは思う。 まああそこまで壊滅的にやられた後にあれを言うのは正しい判断とは言えないにしても、開戦前なら多分大半の女性は戦うべきっていうよな。自分の権利が全て失われるんだから

2023-02-04 20:06:25
ゆきま_創作本通販中 @Ch_yukima

あれだってトルフィンが戻って身を盾に説得してくれたからなんとかなっただけであって、普通にそのまま行ってしまってたら実際あの後そうなっていたはずなわけですしね。

2023-02-04 20:07:55
ゆきま_創作本通販中 @Ch_yukima

あの時点でそんな奇跡みたいな偶然想定するより戦う方を選ぼうとするよな、それは

2023-02-04 20:09:56

戦いを選ぶのは愚かか?

Amictica sal vitae.(新アカウント) @boots_fleck1

これは、本当にそうなんですよね。 戦いに負けたとき、全ての権利を失うので、女たちは男の子に戦えと教えるし、勇敢であれと教える。 そして、戦える力を持つということが自立で、それを行使するのは当然のこと。 必然的に男たちは戦うし、容赦なく奪うし、北欧の自然のように理不尽で厳しくなる。 twitter.com/Ch_yukima/stat…

2023-02-04 04:10:51
ゆきま@創作本通販中 @Ch_yukima

アルネイズの話で、男がいつも戦争を招いて女は被害者、戦いを厭い平和を好む弱きもの、みたいな視点を当時人が持ってるのは、歴史やサガとして描かれるとそうではないのよね。 むしろ襲撃されて負けたら捕虜や奴隷になるのは女なので、男に戦って貰わないと困るからけしかけるような話のが多い

2023-02-04 03:02:03
Amictica sal vitae.(新アカウント) @boots_fleck1

以下わたしの感想というか駄文なので、見たくない人は回れ右して下さい。

2023-02-04 04:10:52
Amictica sal vitae.(新アカウント) @boots_fleck1

この時代は『因縁のある隣人』だけでなく、目に見えない外敵が突如として海の向こうや山の向こうから現れることがある時代である。 誠に恐ろしい(特に我々からみれば、当時の人も当然襲撃の恐怖は知っていたが)時代で、外敵侵入の際には『平和な日常』などというのは突然破壊される。

2023-02-04 04:10:52
Amictica sal vitae.(新アカウント) @boots_fleck1

そして、海の向こうから来た略奪者には、当然ながら取引とか交渉などというものは通用しない。 なぜなら、自分より明らかに強い相手には略奪者は牙を向かないし、事前の観察で弱いと考えられ

2023-02-04 04:10:53
Amictica sal vitae.(新アカウント) @boots_fleck1

たからこそ、襲撃を受けるのだ。 交渉や取引などというのは、常に自分と同等かそれ以上の相手にのみ試みるものである。 だからこそ、襲われた側は必死に抵抗するし(たとえ力が劣っていても襲撃をなんとか跳ね返せれば交渉の余地はある)そうならぬために、普段から政治や外交を駆使して皆が争う。

2023-02-04 04:10:53
Amictica sal vitae.(新アカウント) @boots_fleck1

まあ、奪うだけがヴァイキングじゃなくて、彼らは交易もやるし、美術品も作るし、農耕もやる。 でも、戦いも生活の中にある。 それは当時としては普通のこと。

2023-02-04 04:10:53
Amictica sal vitae.(新アカウント) @boots_fleck1

ヴィンランド・サガは現代的価値観を織り交ぜた話というのはその通りで、だから色々な対比がある。 ヴィンランド・サガには、抵抗する力が無かったために日常を踏みにじられるシーンが幾多も登場し、そのために『力の均衡』の必要性が唱えられている。 『争闘の勝利者』こそが法を整え、

2023-02-04 04:10:54
Amictica sal vitae.(新アカウント) @boots_fleck1

平和を得られることが語られる。 こういう当然の論理と現実の中、当時にはない現代的な理想のはざまでトルフィンが苦悩することこそが、本作のテーマである。 さて、アルネイズの回は、とても色々な感情が湧くシーンだが、たまに誤解も生む。 以前、どこかでガルザルは愚かだと言っている人が居たが

2023-02-04 04:10:54
Amictica sal vitae.(新アカウント) @boots_fleck1

村の同士の利権争いに参加し、敗北したアルネイズの夫ガルザルはなにも愚かな男ではなく、当時として当たり前の行動をとっただけである。 問題があるとすれば、最終的に敗北したことであった。 仮にアルネイズの言うとおりしていても、いつまでも平和であったことは多分ないし

2023-02-04 04:10:55
Amictica sal vitae.(新アカウント) @boots_fleck1

そんなことは、恐らく彼女にも分かっていたとは思う。 アルネイズは過去の話をしているとき、この傷心の毎日から離れ、別の選択肢があったのではないかという思いや、かつての平和な日常をただ振り返りたかった(もちろん、作中の流れ的に『男』とは別視点での想いを語るのが彼女の役目なのだが)

2023-02-04 04:10:55
Amictica sal vitae.(新アカウント) @boots_fleck1

と言えるかもしれない。 さて、資源を得るためだけの戦いをして、結果全てを失うことを招いたというのは愚かだという人はいるかもしれない。

2023-02-04 04:10:55
Amictica sal vitae.(新アカウント) @boots_fleck1

しかし例えば、村落同士の鉄の争いで頼ってきた友人を見捨てたとして(自分の側は参戦しなかっただけというが、相手はそう感じるだろう)もしその人が鉄獲得戦争に勝利したとき、村は二度とその友人にとっての『友人』にはならないだろう。

2023-02-04 04:10:56
Amictica sal vitae.(新アカウント) @boots_fleck1

『肝心な時に友人を見捨てるような隣人』はやがて衰退し、勝利者に制圧されることは明白である。 また、鉄は鍋や鎌など日常品にのみ使われるわけではなく、当然のことながら村の男たちの武装は鉄から生産供給されるし、交易品にもなる。 こうした戦略物資はあればあるほどよく

2023-02-04 04:10:56
Amictica sal vitae.(新アカウント) @boots_fleck1

そして当然のことながら、ないところは資源を得るためにあるところに常に譲歩を強いられ、もしくは強大化するあるところに滅ぼされるだけである。 資源は力、土地は力、ないなら奪う。 力を獲得する競争に勝利せねば、滅びゆくのみである。

2023-02-04 04:10:56
Amictica sal vitae.(新アカウント) @boots_fleck1

作中の描写でも、こうした資源を得ることの素晴らしさがいくつか語られている。 本作中で最も英明な男の一人、ハーフダンですら資源がなく土地が痩せているために、厳しい冬に毎年自勢力から死者を出し、苦しんでいる。

2023-02-04 04:10:57