見田宗介・加藤典洋対談(「週刊読書人」11月11日号、発言ピックアップ)

『定本 見田宗介著作集』『定本 真木悠介著作集』(岩波書店)刊行を機に交わされた対話から。
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明石健五 @kengoa1965

「週刊読書人」11月11日号、本日、高田馬場芳林堂、神保町広文館で先行発売、1・2面は、見田宗介氏、加藤典洋氏対談「9・11から3・11へ」。『定本見田宗介著作集』『定本真木悠介著作集』(岩波書店)刊行を機に。これから発言を連続PUします。

2011-11-09 10:06:09
明石健五 @kengoa1965

「見田さんの場合、「トナール」と「ナワール」を往還するには「翼を持たなければならない」とされる。そしてその意味は、上空に飛翔し、かつ舞い降りることができることなんです。」(「読書人」11月11日号加藤氏発言より)

2011-11-09 10:17:47
明石健五 @kengoa1965

「『気流の鳴る音』以前と以後で、自分でも非常に違う感じがするわけですね。だから真木悠介の4巻は、『気流の鳴る音』から始めたんですね。」(「読書人」11月11日号見田氏発言より)

2011-11-09 10:18:50
明石健五 @kengoa1965

「面白いのは、『時間の比較社会学』なんて、普通で言うと、学問的な仕事となるんですが、それを真木悠介で書かれています。モチーフが繋がっているということなんですね。」(「読書人」11月11日号加藤氏発言より)

2011-11-09 10:23:57
明石健五 @kengoa1965

「実は73年ぐらいに、『まなざしの地獄』(第6巻)という論文を書いたことがあるんですが、それは連続射殺魔といわれた少年の話です。僕としては、あの話と9・11テロの問題は、根本的には同じ構造のテーマなんです。」(「読書人」11月11日号見田氏発言より)

2011-11-09 10:26:23
明石健五 @kengoa1965

「そういうモチーフの繋がり方に関して、本人じゃないとわかりにくいところがあって、いろんな仕事の連関を、自分で明らかにしていくという編集計画が、ひとつありました。」(「読書人」11月11日号見田氏発言より)

2011-11-09 10:27:05
明石健五 @kengoa1965

「9・11が見せた関係の絶対性の問題、そういう現実の構造が一方にあり、他方に、3・11が見せた現実の構造、ひとつの可能性がある。その意味では、人間の世界の両面の真理を、それぞれ見せてくれている」(「読書人」11月11日号見田氏発言より)

2011-11-09 10:28:38
明石健五 @kengoa1965

「前からの仕事の繋がりが、9・11と3・11を経て、非常に明確に見えてきたということがあるのですね。それを、問題意識の流れが明確となるような仕方で、一篇の「全体小説」のような全集としてまとめておきたいという気持ちがありました。(「読書人」11月11日号見田氏発言より)

2011-11-09 10:29:40
明石健五 @kengoa1965

「見田さんは、50年の仕事を通じて、自分のモチーフとして、ふたつ出されていると思うんです。ひとつは、人がどんなふうにして生きればいいのか。それから、人がそうやって生きられる社会を、どうふうにして作ればいいのか。」(「読書人」11月11日号加藤氏発言より)

2011-11-09 10:33:17
明石健五 @kengoa1965

「『現代社会の理論』の話は、基本的に今でも正しかったと思っていますが、そのあとどうなるかについては話をしていません。これを補ったものが「現代社会はどこに向かうか」です。」(「読書人」11月11日号見田氏発言より)

2011-11-09 10:34:39
明石健五 @kengoa1965

「夢の時代としての高度経済成長期があり、それに対するプレの時代(「理想」の時代)と、高度成長期が終焉したあとの虚構の時代があるわけですね。そのことの方が、構造的には大事なんです。」(「読書人」11月11日号見田氏発言より)

2011-11-09 10:35:27
明石健五 @kengoa1965

「近代という人類の高度経済成長期があり、それが環境問題や資源問題といった形のリアリティの前で、臨界点に達している。にも関わらず、無理やりに成長をつづけようとすると、構造的に虚構の時代にならざるをえない。」(「読書人」11月11日号見田氏発言より)

2011-11-09 10:36:09
明石健五 @kengoa1965

「「夢の時代と虚構の時代」については、すこし長い解題を書いて、本質論的な捉えかえしをすることをとおして、他の巻の主題との関連が見えるようになったと思います。」(「読書人」11月11日号見田氏発言より)

2011-11-09 10:36:56
明石健五 @kengoa1965

「僕はいま我々の世界の問題に最も切実にふれているものの一つが、見田さんの仕事だと思っています。」(「読書人」11月11日号加藤氏発言より)

2011-11-09 10:38:24
明石健五 @kengoa1965

「世界で戦後、最も成長神話を振りまいてきた「成り上がり」の日本から、いち早く『現代社会の理論』という「成長の終り」、世界の有限性を本格的に正面に見据えた思考が生まれてきたことに、意味を見たいと思っているんです。」(「読書人」11月11日号加藤氏発言より)

2011-11-09 10:39:19
明石健五 @kengoa1965

「見田さんが通ったあと、見渡してみれば、60年代までの「戦後」という概念枠は、取り払われていたんですね。それがあの「理想の時代、夢の時代、虚構の時代」の意味でしょう。」(「読書人」11月11日号加藤氏発言より)

2011-11-09 10:40:00
明石健五 @kengoa1965

「パンフレットに載っている「刊行にあたって」という文章に、真木悠介名義で書かれた文章について、「世に容れられるということを一切期待しないという、古風な熱情を以て記された文章群である」と書いてあるでしょう。」(「読書人」11月11日号加藤氏発言より)

2011-11-09 10:40:33