ひらりと大袈裟に舞う紙吹雪。 ハイヒールが鳴らされる音を聞き肩が揺れる。 現れたのは自分よりも小さく幼い顔立ちをした、歳下らしき少女だ。格好はまるでコスプレで、魔法少女ものの追加戦士と言われても納得できるような愛らしさを持っている。
2023-04-08 17:01:54しかし、このタイミングで声高らかに楽しげで登場するのは...味方ではない、と察すことができた。 場はしんと静まり返っており、周りを見渡さずともみんなの表情はわかる。
2023-04-08 17:02:46「羊飼来夢、と申します!」 その小さ〜い脳のキャパを取るのは大変お心苦しいですが...以後お見知り置きを!」 pic.twitter.com/zglLW2Ndc4
2023-04-08 17:05:12「...あれ。記念すべき初ゲームなのに、人選ミス?皆ノリ悪いなぁ」 彼女は不服そうに頬を膨らませ、意地らしい子供みたいにしかめっ面をしてみせた。それでも、空気が張り詰めたように静まり続ける。
2023-04-08 17:07:10急に表れて「皆を殺したのは自分です」というニュアンスの台詞を吐かれたとて、何を言えばいいのかなんて僕にもわからない。 黒幕?つまり、今までの皆を殺した...張本人ってことかな。何にしろ“小さい脳”は余計だと思うけど。
2023-04-08 17:07:28「え、あれ~?凡庸な中学生ってこんな感じなんですか?因縁の黒幕のご登場ですよ?ほら、ねぇもっとだって......、ああ。もしかしてまだコレについて動揺してたり?」
2023-04-08 17:07:53「お、お姉ちゃん、本当に死んじゃってるんスか?こ、こんなとこでお姉ちゃんが死んじゃったら、ゆるは、ゆるは...」
2023-04-08 17:10:04ぱちん。 待ってましたと言わんばかりに掌を合わせる羊飼来夢。僕は咄嗟にゆるの手を握った。 「ゆるは、...うんうん、なんですか?」
2023-04-08 17:10:47目を細め囁くようにそう言った彼女が取り出したのは、掌に収まるくらいの小さな瓶。中身は錠剤で半分ほど満たされており、彼女が指先を揺らす度に音が聞こえる。
2023-04-08 17:12:46「...え、あ、なにそれ...?」 ゆるが困ってる。あの知らない人から守らなければ。...そう感じるのに。 黒幕がゆらした錠剤を見て、大きく目を見開く姿から。声はあんなに震えていたのに、手を握った時震えなんてなかった違和感から。 わかってしまった。
2023-04-08 17:14:05「さっきも言ったけど、彼女の身体を管理してたのは僕ですよ?僕の技術さえあれば、体内になんの成分が入ったかなんて簡単にデータにできるんですから」
2023-04-08 17:14:34「この戦いがはじまってすぐですよね。まあ...よくも懲りずに“一回じゃ致死量にいかない程度の毒”を混ぜ続けるなとは思ってましたけど。本気で殺したいなら、こういうのしっかり調べた方が良いですよ?」
2023-04-08 17:15:15