- vodkabeer1939
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@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912あらぶります(宣言) リプ欄がえらいことになったらスパムだと思ってやってください
2011-11-10 00:47:27@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 基本設定:ハートの国が略奪された。略奪軍の多くは農民と聞いている。捉えられた王は地下牢でボロキレ同然の服で鎖に繋がれていた。
2011-11-10 00:50:04@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 前提:不思議の国のナタよりハートの王様 / ヘタリア画集トランプ
2011-11-10 00:51:06@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 地下牢に一人取り残されたルートは、冷たい床の上に横たわった。自分の頬を叩くあの赤いハートを象った杖が忘れられない。彼はブラギンスキ家の人間だと言っていた。
2011-11-10 00:54:06@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 俺がまだ小さかったころだ。兄は頭も良く勉強もできた。俺の憧れだった。それでもこの国を統べることはできなかった、否しなかった。「自分の思い通りにいかなくなるくらいなら俺は王にはならねえ」
2011-11-10 00:57:35@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 少なくとも俺の知っている世界には、スペード、クローバー、ダイヤ、そして俺のいるハートの国が、互いに交易をし均衡を保っていたのは確かだった。俺の知る限りでは、クローバーの国の王だけが女性だった。
2011-11-10 00:59:47@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 スペードの国は最近できたばかりの国と聞いていた。若く勇敢な青年が仕切る強い軍隊をもつという。魔術を操る国士がいることも確かだ。
2011-11-10 01:02:48@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 ダイヤの国は古くからある美と金の象徴のような国だった。全ての資金はダイヤの国より湧き出でるとさえ言われたほどだった。金色の薔薇が咲き誇る庭は王自ら手掛けたとも聞いている。
2011-11-10 01:04:21@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 クローバーの国は豊かな国土と自然の美しい国だった。クローバーの生い茂る庭の向こうには、向日葵畑が延々と純白の城まで続いていた。俺の記憶はそこで止まっている。
2011-11-10 01:06:30@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 ハートの国は愛と知識の国だった。おかげで俺は幼少の頃より書物に恵まれ、小姓の本田と料理長のフェリシアーノとの3人で毎日を過ごした。
2011-11-10 01:08:36@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 ある日のことだった。スペードの国に武器を届けに行っていた俺の耳に、現王が失踪したとの連絡が入った。生まれつき体が弱く、物心ついたころには病室にこもりきりだった彼。思い入れはほとんどなかった。
2011-11-10 01:11:15@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 暗闇の中で兄を必死に呼んだことを覚えている。深い水音と、時折バチバチという青い光が俺の体の自由を奪った。ああ、今でも顔を忘れることができない。アルフレッド・F・ジョーンズという少年の顔を。
2011-11-10 01:15:02@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 突然兄はマズイと感じたのかまだ16歳を迎えたばかりの俺を抱きかかえて出口に駈け出した。ひゅっと頬を横切る矢に、背筋が凍る。俺たちはその日、自国に帰ることはなかったのだ。
2011-11-10 01:12:58@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 月に2度、ひどい時は週に2度以上、俺はスペードの国に呼び出された。若い王の魔術の実験台であり、寝具にすぎなかった。俺の国の絶対的な勢力の低下を補うにはこれしかなかったのだ。
2011-11-10 01:17:23@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 「今日は君に見せたいものがあるんだ」そういって案内されたのは地面から生えるタコの足のような生物。ぐじゅぐじゅと音を立てて手足に絡みついてくる。嫌だと喚いても、スペードの形をした先端は
2011-11-10 01:19:06@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 抜けることなく俺を犯し続けた。目が覚め、温かさにふと顔を上げると、ダイヤの国の王が笑っていた。「フランシス」「やあ、目が覚めた?ギルベルトが血相変えてきたからどうしたのかと思ってさ」
2011-11-10 01:20:42@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 震えが止まらなかった。全てが完璧な兄がスペードの国に払っていた対価を自分で受けたその衝撃が今になって溢れた。俺は縋るようにその晩、フランシスと一夜を共にした。
2011-11-10 01:22:12@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 「ルイス聞いて」「…ん」「ハートの国の次の王ね、お前になると思うの」「え」思わず眉間にしわがよる。引き戻された現実に胸が苦しい。「そこでね。ルイスがこれから苦しまない方法をお兄さん考えたんだ」
2011-11-10 01:24:55@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 「クローバーの国、今のうちに俺たちの勢力下に入れちゃわない?」「それは、どういう」「ダイヤの国とクローバーの国が提携を結ぼうとしてる。これは由々しき事態だと思うんだ。」
2011-11-10 01:26:30@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 「もしダイヤの国とクローバーの国がそうなったら、どうなるというんだ」「少なくとも次に狙われるのはルイスたちだってことは確かだよ。支配に知識は邪魔だからね。」
2011-11-10 01:27:33@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 「…」頬をなぞる手に目を伏せる。中を穿つ感覚に腰が痺れた。「あっ」「お兄さんが支援するからさ…うまいことスペードもなんとかしてやるよ…だから、ね?」「ああ…フラン…フラン…!」
2011-11-10 01:29:56@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 王位を継承しても、ジョーンズは相変わらず俺の体を求めてきた。魔術の実験が目的だったはずが、今やそれはもう閨以外のことは行わなくなっていた。
2011-11-10 01:32:23@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 「好きなんだぞ」「愛してる」どんなに囁かれても、まぶたを閉じれば心は金色に輝く隣国に飛んだ。ある日だった。フランシスが羽の帽子をばたばた振りながら駆けてきたのは。
2011-11-10 01:34:24@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 手に握られていたの三国の同盟書類。これで俺はもうあいつと体を重ねなくても済むのだという。俺はいとおしくてたまらないその体を抱きしめた。「フラン…!」「待たせてごめんねルイス・・・!」
2011-11-10 01:35:51@yaoto8010 @bebereke @k628karasu @azuki0912 平穏な日々が訪れたと安心した。またいつもの生活に戻れるのだと疑わなかった。ダイヤの国から支給された果実酒を口に含んで、俺は安堵からか眠ってしまった。
2011-11-10 01:38:39